狸乃穴倉@ブログ−日々雑感

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○ニーズとデマンド

皆さん、妥協という言葉からどのようなイメージを感じますか。
実際には「不本意だけど、結論を出さなければならないので、自分の主張を譲ることにする」という意味合いで用いることが多いと思います。
でも、ここではyahoo!辞書のとおり、対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。】という意味合いで捉えてみようと思います。
 
 
表題のとおり、「ニーズとデマンド」の狭間で多くの人が悩むことになります。
「調整」というテーブルに、利用者をはじめ、ケアマネや介護スタッフなどの実践領域の人たちがつくわけです。
そこで調整が行われます。
調整とは、ある基準に合わせて正しく整えること。過不足などを正してつりあいのとれた状態にすること。】だそうです。このときの「ある基準」とは何なのでしょうか。
 
 
介護保険制度の骨格からいえば、【利用者本位】と【自立支援】がその基準のベースだと思います。
そして、いずれについても自律した専門職たちの判断で、より適切な適法化されたものとなります。
(「自律した専門職たちの判断で適法化される」というプロセスのより、公正性を担保するという点は、現行の介護保険法のすばらしい点だと思います)
そして、適法化にあたっては、利用者のニーズ(必要性)に基づくものであることとなっています。
 
 
また、憲法に基づく社会保障システムである以上、「ムダなサービスは肯定されない」でしょう。
そして、社会保険システムである以上、「サービスを利用しない被保険者の理解が得られないサービスは肯定されない」でしょう。
 
 
だから、どうしても利用者のデマンド(欲求)を満たさない状況は発生します。
【過不足などを正してつりあいのとれた状態】のために、利用者の意思を否定する場面もあると思うのです。
そして、調整者には相当の精神的負荷が生じるでしょう。
それは、【この調整は、本当に、より適切だったのか】という素朴な疑問のため、生じるのだと思うのです。
 
 
この図は、ニーズとデマンドの乖離を単純にモデル化して図示したものです。
イメージ 1
 
【一般的に適法と判断される領域にニーズが位置し、一般的に違法(不適切)と判断される領域にデマンドが位置している場合】を想定してみました。
(「違法」と「不適切な状態」の関係については、厳密な定義をしていません。モデル化にあたって単純化していますので、予め了承いただければと思います)
この場合は、ニーズとデマンドが乖離し、デマンドが違法の領域に位置付く以上、サービスの提供はできません。
ですから、調整者は「あなたのデマンドに基づき介護サービスを提供することはできません」と説明することになります。
 
 
ここまで位置づけが明確だと、逆に調整の余地はありませんが、実際のところ考えられるのは、②のパターンではないでしょうか。
イメージ 2
介護保険給付における様々な解釈のもとでも、いわゆる適法か違法なのか判断につきかねる領域、いわゆるグレーゾーンが存在します。
ニーズもデマンドも「人の生活が多様」である以上、明確な線引きは難しいでしょう。

【重要】
専門職間の協議の中で、「考慮すべき新たな要素の発見」「取組み手法における新たな発想」があるかもしれません。
専門職の働きかけの中で、「根拠や事実に基づく説得力のある説明」「利用者側と実践領域の信頼関係の醸成」
による利用者のデマンドの変動・移動の可能性も決して低くはないでしょう。

 
実際に、「いろいろ意見はあったがうまく調整ができた」というのは、③のようなイメージになると思われます。
イメージ 3
赤のプロットは、【妥協】点です。
そして、適切な課題分析とチームにおける合意形成を進めた結果であれば、それは「不本意だけど、結論を出さなければならないので、自分の主張を譲ることにする」という意味合いではなく、【対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。】という意味合いになるのだと思います。
また、グレーゾーンに踏み込んだ妥協点ではありますが、ニーズに基づく以上は「適法」であると考えられます。
 
 
ただ、【限りなく黒に近いグレー】の場合は、行政とも妥協しておいたほうが良いです。
というのも、【限りなく黒に近いグレー】の場合、ニーズの示し方が、「一般的には●●とはされているが、そこを△△という風に読めないか」など、【道理に合わないことを、自分に都合のよいように無理にこじつけ】るような理屈に近付いていくものになってきますから。
(だからこそ、【限りなく黒に近いグレー】なのです)
 
 
***************
今回の私の思いは、関係者が「③のイメージ図を共有できれば」というものです。
(いや、イメージのほうが分かりやすいかなあと)
 
そして、シンプルにいうなら

1 利用者を中心としたコミュニケーション(これにより利用者のデマンドの可変可能性が高まる)
2 チーム内のコミュニケーション(これによりニーズの可変可能性が高まる)
3 ルールの大まかな把握(実践領域側の、イメージ図の左右の認識がないと話にならない)

といった要素が必要です。
 
 
***************
いつも、「ルールの把握なんてする暇はない」とお叱りを受けます。
でも、このモデルでみても、やはりルールの把握は必要なのだと思います。
ですから、私も僅かながらですが、ワークシートの更新等がんばっていければと思います。
 

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これ、わかりやすい図だと思うのですが、誰もコメントしませんね(笑)

2010/5/18(火) 午後 10:03 [ どるくす ]

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どるくすさん、ありがとうございます。
誰にも読んでいただけないのは、やはりしんどいので、こうして声をかけていただくと嬉しいです。

2010/5/19(水) 午前 1:09 たぬ


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