最初に書いておきます。Twitterでは宣言しておりますが「悪名は無名に勝る」ということなので、今回園遊会で無礼千万な行いをした参議院議員の名前は書きません。彼のステマに協力したくないので
さて、今回件の参議院議員は「手紙を渡すくらい政治利用でも何でもない。すべてはマスコミが騒いだから」みたいな態度をとっておりますが・・・手紙を渡すというよりも帝に謁見するためにどんだけたくさんの血が流れたかを知っているのだろうか。
平安時代に政治の主体が武士に移って以降、お公家さんの雅で陰湿な政治から秩序と力による武士の政治に時代が移ったわけだが、政治の主体が武士に移っても結局武士たちは朝廷の力を無視して政治を行うことができなかった。どんだけ広い領地を持っていたとしても、どんだけ多くの武士を従えていても、どんだけ腕っ節の強い武士が棟梁だったとしても天皇の存在を無視できなかった
では無視した集団、もしくは無視したと認識された集団はどうなったのか?
平将門
徳川慶喜
ともに朝敵として滅んでいる。全国を統治していたとしても、世間が猛将と認めていたしても、滅亡の運命からは逃れられない。ということは天皇の敵になって滅びないために、朝敵になって周囲を敵に回さないためにはどうしたらいいのかということになる。
天皇のいる都に近づくこと
天皇から直接信頼を受けること
天皇の権威を利用して自分の敵を討つ口実を得ること
大まかに言ってこの三つ。この三つを実現するために戦国乱世があったといっても過言ではないだろう。戦国大名は天皇に何とか近づいて、自分の主張を届け、そして一片の信頼を得るために京都を目指し、互いに殺しあった。
戦国最強の上杉謙信・武田信玄
それぞれが天下を治める能力と勢力を持っていたにも関わらず滅びたのは地理的なこともあったかもしれないが足りなかったのはやはり天皇の権威を十分に活用した信長の勝利だったわけで。
しかし、京都を制したものが天下を制し、天皇を掌中に収めたものが政治を牛耳るということが続いては永久に日本は天皇を奪い合う戦乱が続くことになる上に、政治の混乱の中で天皇の身に害が及ぶことだってあり得るわけです。これではいつかとんでもないことが起こってしまう・・・ってかそういうのを徳川家で独占してしまえばいいだろう
そこでこんな考えが実際にあったかどうかわかりませんが、天皇を政治から完全に分離させて、争いの原因を根本からなくしてしまうのと同時に天皇の政治利用の濫用を防ぐための一つの方法として徳川幕府が発布したのが
禁中並公家諸法度
これによって天皇のなすべきは「学問」と定められ、政治を江戸幕府が担うことになったわけです。しかしながら幕末にはこれも緩んでしまって結局、幕府に対して「治罰の綸旨」すなわち朝敵にするという宣言を徳川家が受けることになってしまいますが・・・
この時にも実際には大名や将軍がこぞって天皇を政治利用した結果・・・
どうなったといえば・・・
八重の桜の中に登場する孝明天皇の苦悩
があったわけです。天皇を政治に利用することで政治家は利益を得ることになるかもしれませんが、天皇は確実に悩まれます。そして傷つきます。
討幕か佐幕か、攘夷か開国か
孝明帝は幕末の混乱の中で崩御されたわけですが、帝は決して安らぎの中で逝かれたわけではありません。病と巷間言われておりますが、これも尋常の死ではない可能性も実際には排除されていないと聞きます。
さて、近づくくらいいいではないか、手紙ぐらいいいではないか、真剣なんだからそういう方法もあっていいではないかという考えがいかに危険な発想かわかるだろうか。例えば陛下があの手紙をご覧になり何らかのお考えを述べられたとすると当然意見に反する人々の批判にさらされます、その逆もまた然り
どちらにしても陛下を無用の論争に巻き込むことになります。お望みでもない国民同士の論争に。それによって確実に陛下は傷つき、悩まれます。なので宮内庁のこの措置は非常に賢明な措置でした。当然ですが。
山本議員の手紙、陛下に渡らず…宮内庁次長
山本太郎参院議員(無所属)が秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡したことについて、宮内庁の山本信一郎次長は5日の定例記者会見で、「園遊会という場で国会議員が手紙を差し出すのはふさわしくない」と述べた。
手紙は同庁の事務方が預かり、陛下に渡っていないことも明らかにした。
山本次長は「園遊会は各界で活躍したり、功績を挙げた方を招いて接せられる場で、そういうことをすべきでないのは常識の問題」と指摘した。今後の皇室行事への影響について「一般化して考えるのは難しいが、行事や催しが円滑に開きにくくなる」との懸念を示した。手紙の中身については「私信なのでコメントを控える」とした。
政治家は日本の政治を行う力を国民から与えられ、そして天皇陛下によって親任されているという自覚を持ってほしい。そして自身の主義主張を正当化するために宸襟を悩ますことのないようにしてほしい。
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