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マスコミがほとんど報じませんが、日本人には知ってほしい。
台湾のエバーグリーングループ総裁の張栄発さんが、平成28年1月20日に他界されました。享年88歳でした。 この知らせを聞いたパラオ政府はすかさず「我が国の親友に哀悼の意を表す」と発表しました。しかし、日本政府の反応は報じられなかった。 張栄発さんは日本統治時代の台湾で昭和2年10月6日に生まれました。日本語世代と言われ、日本語を話し、教育勅語を教わって育った。
その後、南日本汽船で15年間を船員として苦労され、中古船一隻で長栄海運(エバーグリーン・マリン)を設立しました。この時、日本の企業から資金支援をしてもらい、後に「自分が今あるのは日本のお蔭。自分を育ててくれた日本に感謝している」と言っていました。
そして、平成23年3月11日、東日本大震災。報道でこれを見た張栄発さんは、以前、日本の三陸地方を訪ねた時に、東北の人達の素朴で温かい心に接したことを思い出し、「あの人達が、今、悲劇の渦の中に呑み込まれている・・・」とテレビを見て涙を流した。
この時、李登輝元総統は救援隊を日本に派遣しようと思ったものの、日本の外務省から「台湾の救援隊を受け入れる準備ができていない」と断ってきた。
被害が拡大して時間がどんどん過ぎる中、李登輝さんは中華航空に頼み込むと「国交のない日本政府が受け入れない」と言われた。
1999年の台湾大震災の時は地震発生22時間後に日本の救助隊が現地入りして救助してくれた。その恩に応えるのは今しかない。何とかしたい一心で李登輝さんはエバー航空の張栄発総裁に電話した。
すると張栄発さんは「わかりました」と快く引き受けてくれ、しかも「費用は一切いらない。恩ある日本のためです。飛行機は無償で飛ばす」と言った。
張栄発さんは個人でも義援金として10億円を日本に寄付し、「10億円で足りなければいつでも出すから、遠慮なく言ってほしい」と言った。
さらに自身の長栄グループ傘下の海運会社に対して緊急救援を提供するよう指示し、日頃の人脈をフルに使って各国政府や国際救援組織の関係者に日本のために物資を被災地まで無料で運ぶように要請しました。
台湾には「本当の善行は人に知られない」という言葉があります。これは日本統治時代に日本人が台湾人に教えた言葉で、張栄発さんは自ら実践していたのです。これは、自分の力をひけらかすことなく、自ら触れ回るようなみっともないことはしてはいけない、という意味です。
日本人が忘れた日本精神を、台湾の日本語世代は言葉を知るだけではなく、自ら実践していたのです。
震災の翌年、日本政府は張栄発さんに台湾として過去最高位の勲章「旭日重光章」を贈られました。この時、豊明殿において天皇陛下に拝謁されました。
張栄発さんは「きわめて光栄なことであり、日本政府が私に対して評価していただいたことをとりわけ感謝している。そのため、自ら来日し勲章伝達式に出席した」と述べていました。
張栄発さんは「財産は子孫に残さず、すべて公益事業に寄付する」と公言されていました。
また「企業の存在意義は社会にサービスを提供することである。金儲けは罪悪ではないが、それによる喜びは長く続かないのに対し、人助けで感じる喜びはいつまでも心の中に残る」と言っていました。
今の日本人は台湾の日本語世代から学ぶことがたくさんありそうだ。
熊本地震でエバー航空台湾本社から「手と手をつないで心の絆。
日本と台湾の友好がずーっと続きますように」のメッセージが届けられました。
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