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猫の後天性免疫不全症候群(Acquired Immunodeficiency Syndrome)に関する話は、結構以前より当ブログでは書いているんですが、日本でもようやくワクチンが発売になったということで、
まず、昔の記事のリンクを張っておきます。
http://blogs.yahoo.co.jp/taro_trao_nyanyan/36607967.html
で、ようやく海外に遅れること数年、日本にもネコ免疫不全ウイルス(Feline immunodeficiency virus)略号FIVに対するワクチンが発売されました。
http://blogs.yahoo.co.jp/taro_trao_nyanyan/54545543.html
猫のFIVに対してのワクチン接種については、一部賛否両論があるようですが、そのことを論ずる前に色々整理する必要があるようです。
どうやら、日本の獣医師においても、ある種の混乱があるようですね。
それと、ちょっと、安易に猫に対して『エイズ』という言葉を使いすぎてるような気がします。
ヒト免疫不全ウイルス Human Immunodeficiency Virusによるヒトの後天性免疫不全症候群(AIDS)と猫エイズは、その病態、病理が違うことは、十分押さえておくべきことであり、
また、安易に猫エイズという言葉用いることによって、猫のFIVによってが人間にも影響があるんでは?
という誤解を一般に与えているような節も見受けられます。
ちょっと、私が書いた2年前のウィキペデイアのリンク先の内容が大幅に変わってるようなんで、
今回、現時点のウィキの記事を記録として残しておくこととします。
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猫後天性免疫不全症候群(ねここうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)とは、FIV(feline immunodeficiency virus = ネコ免疫不全ウイルス)により、ネコに引き起こされる諸症状のこと。俗にネコエイズとも。FIVに遺伝的に近縁なウイルス(FIV関連ウイルス(FIV-related virus))がライオン、ピューマなどでも分離されているが、これらの野生動物がFIV関連ウイルスで発症したという明確な報告はない。猫免疫不全ウイルス感染症の病態の一つである。
概説
感染経路・潜伏・発症
FIVウイルスの主な感染経路は、交尾・ケンカによる体液の接触感染であり、出産時の母子感染も確認されている。HIVと同じレトロウイルス科レンチウイルス属に分類されるが、ネコおよびネコ属に特異的なウイルスであり、犬や人に感染することは無い。
感染するだけですぐに発病するわけではない。潜伏期はさまざまであるが、飢餓、栄養失調、寒冷などの身体的・精神的ストレス、妊娠、手術などがきっかけとなって発症することが多い。
ウイルスの潜伏場は白血球のT細胞であり、採血できれば、簡易検査キットにより簡単に動物病院等で検査が可能である。この検査キットではウイルスに対する抗体を検出する。抗体が陽転するまで約1ヶ月かかるので、陽転するまでの間はたとえ感染していても陰性と判定される。感染の可能性が強く示唆される場合は、1ヶ月後以降(できれば2ヶ月後以降)に再検査することが必要である。
発症後の症状はさまざまで、多く見られる症状は歯肉炎・口内炎であり、これらの症状によりFIVの感染が疑われ、発見される場合が多い。進行すると、ダニや真菌といった日和見感染症による皮膚炎や、食欲減退、脱水、削痩といった症状を経て死にいたることがある。しかし、これらの症状は適切な対症療法によって進行を遅らせることができるので、飼育を放棄する理由にはならない。
疫学的調査など
疫学的には、国内のFIV抗体陽性率は約12%とされているが、野良猫におけるFIVの保有率はこれよりも高いと考えられる。 2006年10月にアメリカのワシントンで開催された国際ネコレトロウイルス研究シンポジウムにおいて、フロリダ大学のグループは興味深い疫学調査結果を発表している。それは、アメリカの獣医病院に来院し検査を受けた67,963匹のネコを調べたところ、「FIV陽性ネコの生存率(survival rate)は、FIVに陽性と診断されてから1年でおよそ約20%が死亡する(発症していないネコの安楽殺を含む)ものの、それ以降はFIV陽性ネコ群と陰性ネコ群では生存率に大きな差は見られない。」というものである。 ドイツやオーストラリアでなされた疫学調査からも、FIV陽性ネコと陰性ネコの平均寿命に有意差は見られていない。
このことからも明らかなように、FIV陽性ネコのすべてが発症するわけではない。FIV感染により免疫が抑制されるが、HIVほどではない。またたとえ免疫が抑制されても、FIVの感染が直接病気を引き起こすわけではなく、FIV感染による免疫抑制に伴う他の病原体の感染により発症する。SPFネコにおける感染実験においてもFIV単独で発症した例はほとんどない。FIVの受容体(ウイルス感染に必要な分子)は、CD134という分子であり、これは抗原刺激に伴って発現されるCD4陽性T細胞の副刺激分子の一つである。従って様々な病原体、もしくは非病原性のウイルスや細菌などの抗原刺激によりFIVが増殖可能なCD4陽性T細胞が増加し、それに伴い体内のFIVの量も増えるものと考えられ、抗原刺激に乏しい(クリーンな)環境においてはネコの体内でのウイルス量は低いままであると考えられる。
家庭での対策
家庭では、子猫のうちにウイルス検査を行い(潜伏期があるため、最後に他のネコと接触してから数か月おいて検査すると確実)、陰性であれば不妊・去勢手術を行い他のネコとの交尾・ケンカの機会を減らすことでほぼ確実に予防できる。陽性の場合も、室内で穏やかに安楽な生涯を送れば発症を遅らせることができるので、感染が明らかになったことを理由に飼育を放棄するべきではない。陽性であっても、発症せずに天寿を全うする例は多い。
>>>引用おわり
もうひとつ、前回、転載した記事の元のブログの先生に捕捉記事がありましたので、
参考のためにリンクを張っておきます。
これ、非常に判りやすく書いてあるのでお勧めです。
http://blogs.yahoo.co.jp/iiiii_m_m_iiiii/42529393.html
私見については、ちょっと書庫を整理してからジックリ夏休みにでも書きます〜
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