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3・10福島シンポ
原発・被曝・医療を語り合う 分断打ち破る展望示す (写真 会場を埋める200人の参加者の中から、福島原発事故や福島の現状について活発に質問や意見が出され、分断を打ち破り大きな運動をつくる展望が生みだされた【3月10日 福島市】)
福島市で3月10日、「第3回被曝・医療 福島シンポジウム」が開催され、県内各地と全国から200人を超える人が参加した。この企画は翌日の3・11反原発福島行動と一体で取り組まれ、安倍政権の卑劣な被曝と帰還の強制に福島の苦悩と悲しみが大きな怒りとなり、噴出する時が近いと感じさせるものとなった。 司会の開会の言葉に続き、実行委員長でふくしま共同診療所院長の布施幸彦さんが開会あいさつに立った。布施さんは、第1回、第2回の実行委員長であり昨年3月11日に亡くなった共同診療所初代院長の松江寛人さんの闘いと活動、共同診療所開設への熱意を紹介し、彼の遺志を継いで診療所を担っていくと表明した。続けて、共同診療所の活動を紹介した後、「国と東電に責任をとらせる。日本と世界から原発をなくすために闘う。今日のシンポジウムを、改めてその出発点にしたい」と語った。 3人のシンポジストの講演が始まった。最初に琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬さんが登壇し、︿ICRP(国際放射線防護委員会)体系を科学の目で批判す る﹀という演題で語り始めた。矢ケ崎さんは「ICRPは科学を破壊し、そうして放射線被害をがんなどのきわめて狭い疾病に閉じ込めている」と述べ、ICRPが駆使する「科学」なるものをつぶさに批判した。 さらにICRPが掲げる「防護3原則」について、「たとえば、防護原則の第一の『正当化』は放射線で命を奪うことを『公益』が勝れば許されるとするもの。原発の放射線による殺人を『正当化』して社会的認可を与えるものである」と徹底的に断罪した。 低線量の被曝でもがんの増加正比例次に、南相馬市の小高赤坂病院理事長・院長の渡辺瑞也さんが︿被災当事者にとっての東電原発事故〜健康被害と損害賠償問題を中心に﹀と題して講演した。渡辺さんは「福島原発事故による健康被害は起きていないなどと言うのは論理的にありえない」と語り、自身や身近な人の病気にふれ、患者さんからも、知人や友人の急死やがん発症の話を多く聞くと報告した。また「賠償問題」について、「原発事故に対する賠償制度は加害者の保護に厚く、被害者に冷たい」と怒りを込めて解説し、「背後にIAEA(国際原子力機関)という巨大な核戦略体制が存在する。世界の人と連携し、粘り強く対峙していくことが大事」として講演を終えた。 3人目の韓国・東国大学医学部教授のキムイクチュン(金益重)さんが〈ムンジェイン政権下での原発政策について〉と題し演壇に立った。キムさんは、建設が一時停止していた新古里(コリ)原発5、6号機の建設再開について報告し、今後の課題として「脱原発の世論を強化していくこと」などを上げた。 続けてINWORKS(インワークス)研究という、米、英、仏の原発労働者30万人以上を対象に平均27年間追跡調査した世界最大規模の調査について解説した。この人たちの年平均被曝量は1・1㍉シーベルトだったが、結果は、白血病を含むいろいろながんが増え、低線量の被曝でもがんの増加率は被曝量に正比例したと語った。 怒りのマグマ必ず噴き出す時がくる 休憩を挟んで、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部のアレックス・ローゼン医師からの「福島の小児甲状腺がんの発生数の多さに衝撃を受けている」というビデオレターが上映された。
パネルディスカッションと質疑応答となった。布施院長が、IPPNWドイツ支部が発した「東京2020―放射能オリンピック」反対の国際キャンペーン(別掲)に共同診療所が賛同したと報告し、東京オリンピックの返上を訴えた。 質疑応答では、お米の放射能汚染や政府の言う〝風評被害〟〝福島差別〟について活発な討論が行われ、「政府と県にすべてのデータを出させることが大事」と指摘があった。また「廃炉」についての質問に「世界のどこでもやったことはない。再臨界の危険性もある」と注意が喚起された。 最後に渡辺さんが「IAEAや国・福島県当局の今の対応がいつまでも通るとは思わない。県民一人ひとりの中にマグマのように沈潜している思いが、いつか主張となって出てくる。事実を発掘し続け、語り続けるのがわれわれの役割と思う」と語り、成功裏にシンポジウムを終えた。 ◇ 被曝強制のオリンピック反対を!
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部が訴え 医師の立場から核戦争反対を掲げて闘い、動労千葉などが交流を続けてきたIPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部が昨年来、2020年東京オリンピックに反対するキャンペーンを呼びかけています。呼びかけ文を紹介します。(一部略、編集局) 2020年に日本は、世界中のアスリートに東京オリンピックへの参加を呼びかけている。私たちは、選手たちが偏見なく平和的に競技できることを期待すると同時に、野球とソフトボール競技が、崩壊した福島第一原子力発電所から50㌔メートルの福島市で計画されていることを憂慮する。2011年、複数の原子炉がメルトダウンし、放射能が日本列島と太平洋に拡散した。チェルノブイリの核メルトダウンに匹敵する核の大惨事となった。 この大惨事の環境的・社会的な帰結は、この地のいたるところで確認できる。多くの家族がその先祖伝来の家から引きはがされ、避難区域はさびれ、汚染土が詰められた数十万のバッグ (フレコンバッグ)がいたるところに放置され、森林・河川・湖沼は汚染されている。日本は平常状態へいまだ回帰していない。 原子炉は危険な状態に置かれており、さらなる核惨事がいつでも起こりうる。海洋・大気・土壌への放射能汚染は毎日続いている。膨大な核廃棄物が原発敷地内の野外に保管されている。もし、もう一度地震が起これば、これらが住民と環境に重大な危険を引き起こすことになる。核惨事は継続しているのだ。 私たちの関心事は、オリンピックのアスリートと訪問者が、その地域の放射能汚染により健康上の悪影響を受けるかもしれないということである。放射能の影響を受けやすい子どもや妊婦には、特段の関心を寄せなければならない。 日本政府の公的な見積もりによっても、オリンピックには120億ユーロ もの巨費がかかる。一方で日本政府は、汚染地域に帰還したくない避難者に対して支援を打ち切っている。 核事故に起因する追加被曝の、一般人に対する許容限度の国際基準は年間1㍉シーベルトである。避難命令が解除された地域では、帰還する住民は年間20㍉シーベルトもの放射能にさらされる。 核産業の有毒な遺産(廃棄物)のための安全かつ恒久的な保管場所は、この地球上のどこにも存在しない。これは事実である。 私たちは、日本の放射能汚染地域がもう安全だと装う日本政府の試みを強く弾劾する。 私たちは、世界のすべての組織に私たちのネットワークに加わり、このキャンペーンをまとめていく運営グループをともに立ち上げていくことを呼びかける。 実行委員会ではシンポジウムの報告集とDVDを作成中です。
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