被収容者が命がけのハンスト!
牛久入管の劣悪処遇に抗議!
(写真 6月20日の「世界難民デー」に行われた東京入管包囲デモ。前列で横断幕を持つ右から2人目が田中喜美子さん【港区】)
5月初旬以来、東日本入国管理センター(牛久入管収容所)で、長期収容と劣悪な処遇に抗議する被収容者の命がけのハンガーストライキが闘われている。「牛久入管収容所問題を考える会」の田中喜美子さんの報告と、6月19日に牛久入管収容所に提出された同会の申し入れ書(抜粋)
現在、牛久入管収容所で、被収容者たちのハンガーストライキが闘われています。際限のない長期収容で精神的・肉体的に病気を抱え込んでいる人々が、処遇の改善要求と「長期収容をするな!」「仮放免を認めろ!」「入管に殺されてしまう」と、次々にハンストに入っています。
牛久入管では、2010年に日系ブラジル人と韓国人が自殺、14年にイラン人とカメルーン人が病死、17年にベトナム人が病死、そして18年にインド人が自殺と、異例の多さの死亡事件が続いています。
18年2月28日、法務省入国管理局長名で出された「被退去強制令書発付者に対する仮放免措置に関わる適切な運用と動静監視強化の更なる徹底について(指示)」以降、仮放免が厳しく制限され、長期収容が常態化しました。牛久入管では、18年12月31日現在で、6カ月以上の長期収容者が全収容者325人のうち306人でした(法務省資料)。5年以上収容され続けている被収容者がいます。2年、3年の被収容者は数多く存在します。
収容されている人々はいわゆる「犯罪者」ではありません。難民申請者が多く、国籍国には戻れない事情を持っている人々です。中にはかつて犯罪を犯し、刑期を全うした方もいます。日本人なら刑期が終われば「自由の身」になりますが、外国籍者はたとえ日本で生まれ育ち、日本人の妻子がいても強制送還のために入管に収容されます。
今続いているハンストは、最初に始めた方が50日を超え、非常に体調が悪化しています。6月24日、大村収容所で長期にわたってハンストをしていたナイジェリア人が衰弱により死亡しました。牛久入管の20人以上のハンスト者たちの健康状態が案じられます。
21歳でイランから羽田に着き難民申請し、収容所の中で23歳になった若者Aさん。トルコから成田に着き「自国の庇護を求めない!」とパスポートを破り捨てた難民申請者で3年収容のBさん。6年前に成田に着き難民申請したが牛久に収容、その後仮放免になったが生きるために仕事をして入管に摘発、再収容されたCさんは、「日本に難民申請して6年のうち5年間は収容所だ!」と訴えます。こうした人々がハンストを行っています。
日本政府、入管当局は最長でも6カ月以上の長期収容はやめ、仮放免を適用し、安定的ビザを出すべきと思います。
長期収容をやめ仮放免を
「牛久入管収容所問題を考える会」申し入れ書
貴センターにおいて5月初旬より、1人のイラン人がハンストに入りました。そして、その後次々にイラン人がハンストに入り、他の国の方も同調してハンストを始めています。すでに10人以上の被収容者が、自らの命を削って自分たちがおかれている境遇について、何故いわゆる「犯罪者」でもないのにいつまでも収容=拘束されるのか、と抗議をしています。
「人身の自由は人権の中でも最も重要かつ基本的人権である。裏返せば人身の自由の制約は生命の剥奪に次ぐ最大限の人権制約のひとつであり、人身の自由の保障は最大限に認められなければならないし、その制約は最小限でなければならない」。貴センターでの長期収容の現実・実態は、この国際人権法からほど遠いと言わざるをえません。
長期収容者の被収容日数は増加の一途です。3年以上の長期収容者が増加し続けています。終わりなき長期収容に絶望感を募らせ、精神的・肉体的に健康を害している方がほとんどです。難民申請者や家族が日本にいる方など「国籍国に帰ることが出来ない」被収容者たちに柔軟な仮放免の適用をお願いします。
残念ながら、昨日18日より通常は使用されていない6Bブロックという懲罰房にハンストを行っている方々を移動させました。居室内にテレビは無し、鍵のかかった居室から廊下に出ることも認められない(フリータイム無し)、運動時間もない、シャワーだけが認められている、というものです。ハンスト40日を超え体重が激減している方など、医務室に隣接された静養室=病舎に収容されていた方を含め、懲罰房ブロックに押し込める。このような処遇は益々ハンスト者たちを精神的にも肉体的にも追い詰めるものです。病舎のベットに横たわっていて不完全ながらも医療関係者の注意も向けられていた方を6Bの独居もしくは2人部屋に収容するなどは暴挙としか言えません。
出入国在留管理庁下での各入管収容施設での処遇環境、長期収容の実態は日本も批准している難民条約の精神に照らし合わせても到底看過できない状態と言わざるをえません。
外国籍者ということだけで無期限収容を続ける事はやめるべきであり、仮放免制度を柔軟に適用し、長期収容者が大量に滞留している状態を一刻も早く改善することを申し入れます。
ハンスト者達の健康に充分注意し、彼らが不利益を被らないよう重ねて強く申し入れします。
入管は外国人を殺すな!
「詐病」を疑いカメラで監視
長崎県の大村入国管理センターで6月24日、抗議のハンスト中だった40代のナイジェリア人男性が亡くなった。全国の入管収容施設には千数百人の外国人が収容されている。6カ月以上、2、3、5年をも超える長期収容、仮放免許可の激減、劣悪な食事、医療、施設環境など極度のストレスが彼らを日々、殺している! この現実に怒りを燃やし、改憲・戦争の安倍政権を倒そう!
「死にそうだ」と叫ぶが放置
2014年3月30日、東日本入国管理センター(牛久入管)で収容中のカメルーン人男性(43)が亡くなった。これは男性が体調不良を訴えたのに放置されたためだとして17年9月、遺族が国と当時のセンター所長を相手取り、国家賠償訴訟を起こした。
5月24日、水戸地裁(岡田伸太裁判長)で開かれた第6回口頭弁論で男性が亡くなる直前の監視カメラ映像が再生された。
7月8日付毎日新聞によると「大型モニターの中で、その男性は床を転げ回ってもがき苦しんでいた。『アイム ダイイング(死にそうだ)、アイム ダイイングーー』。……うめき声が繰り返し廷内に響き渡る。この場面が撮影された約12時間後、男性は同じ部屋で心肺停止状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された」という。
牛久入管で男性が監視カメラ付きの部屋に移されたのは14年3月27日、以来死亡した30日まで医師の診察もなく放置され、監視カメラがその死にゆくさまを写し撮っていたのだ。なんという残酷! このビデオは原告、被告双方から証拠申請されたものだが、このビデオでどうやって被告・国は「適正な措置を行った」「責任はない」と立証するつもりだろうか。
東京入管でも殺される一歩手前までいったクルド人男性がいる。6月17日に仮放免となったMさんは24日、弁護士、家族と共に記者会見を行った。昨年1月から長期収容されていたMさんは、3月11日に体調不良となり、職員に診察を要求したが、医師の診察もなくビデオカメラのある単独室に移された。翌12日に面会した妻も診察を要求したが診察はなかった。Mさんから電話を受けた家族と支援者が夜を徹し入管前で抗議し、救急車を2度呼ぶが、入管が追い返してしまった。
その夜、Mさんは激痛としびれで意識がもうろうとする中、インターホンで「痛い、死にそうだ。助けて」と訴えた。しかし、インターホンから聞こえてきたのは「カメラで見ている。まだ生きているじゃないか」という職員の声だった。Mさんが外部の病院に連れて行かれたのは翌13日。衰弱したMさんは歩けず、車イスだったが、そのMさんには診察中も手錠がかけられたままだった。
カメラで監視し「まだ生きているじゃないか」とは! その結果、カメルーン人男性は死に、Mさんはかろうじて生き延びた。これが人間に対する扱いだろうか。外国人を人間と思わない、国家による殺人そのものだ!
安倍の戦争・改憲攻撃が元凶
改憲と戦争に向かう安倍政権は、「働き方改革」の一環として就労資格「特定技能」を新設し、人手不足を補う単純労働力として外国人労働者導入を始めた。
同時に出入国在留管理庁による外国人治安管理を強化し、失踪した技能実習生や学籍を失くした留学生など、法外滞在となった外国人の摘発・収容・強制送還に躍起となっている。初代長官・佐々木聖子は、長期収容に伴う被収容者の悲鳴を聞き流し、「収容期限に上限を設けることはしない」と言い放っている。
牛久入管では7月10日現在60人以上がハンストを闘っている。この命がけの闘いが安倍政権と入管当局を震え上がらせている。
「外国人を殺すな! 収容するな!」の怒りの声を上げ、戦争・改憲の安倍政権を打倒しよう!
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