SEALDs解散に際して
300万学生に訴える!
キャンパスから反戦ストライキに立ち上がろう!
2016年8月20日
全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
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8月15日、SEALDs(=シールズ、「自由と民主主義のための学生緊急行動」)が解散を宣言し、声明を発表しました。そこからは、「野党共闘」が許した「国会での改憲勢力2/3化」や「東京都知事選敗北」への真摯な反省も、それをのりこえる道も一切読み取ることができません。
私たちは今こそ訴えます。シールズが推進した「野党共闘」に未来はありません。「立憲主義」に戦争を止める力はありません。学生・労働者民衆の怒りを議会内での不毛な取り引きにおとしめ、政治への無力感と絶望を生み出したものこそ、「戦後日本の自由と民主主義の伝統」なる欺瞞と虚構です。現実に起きていたことは、沖縄に象徴される「絶えざる戦争」であり、三里塚・福島での「国策による蹂躙」であり、労働者への搾取と収奪です。
キャンパス・職場で闘いストライキに立ち上がること、国境をこえた団結をつくり上げること――ここに戦争を止め、社会を根底的に変革する道があります。全国学生は全学連の旗のもとに団結し闘おう!
(2)
シールズ声明では、「選挙結果も含め、これで十分だったとは思っていません」「市民が立ち上げる政治は、ようやく始まったばかり」と、参院選結果を反省し、新たな方向性を模索するかのように語っていますが、要は「野党共闘」路線を継続させるということです。完敗した都知事選には言及すらしていません。安倍政権が集団的自衛権行使と改憲で「戦争のできる国」を狙い、その先取り攻撃が各所で始まっている中、声明はきわめて無責任かつ反動的役割を果たしています。シールズ運動の本質を見据え、のりこえる時です。
シールズ運動の本質は一つに、戦争法制定−改憲という戦後史上最大の決戦を前に、労働者民衆の怒りを議会内取り引きや議席争いに収斂させることでした。それは、戦争絶対反対の怒りが実力闘争として発展することを恐れた国家権力の意を呈する「官製運動」でした。
シールズ運動は、「国会突入を実現した60年安保闘争、街頭実力闘争と職場・キャンパスでのストライキが結合した70年安保・沖縄闘争を絶対に繰り返させない」という意図に貫かれています。また、全学連以外には「学生運動」と言える闘いが消滅している中、「全学連だけには闘いのヘゲモニーを握らせない」という強固な意志でつくられた運動でした。
「官製運動=シールズ」の本性が暴露された瞬間こそ、戦争法成立直前の昨年9月18日夜、国会正門前
での全学連への暴力的襲撃でした。警察権力による大量逮捕をはね返し、怒れる多くの労働者民衆と一体で数時間もの道路占拠を実現した9月16日夜の実力闘争。その後の救援運動の広がり。「ストライキと国際連帯で戦争とめよう!」と訴える全学連はシールズ運動をのりこえ、国会前の主流派となりつつありました。 それに危機感を抱いたシールズ指導部は、今にも戦争法が成立しようとするその時、「シールズ防衛隊=しばき隊」を使って全学連への公然たる暴力的襲撃を行いました。この蛮行に、現場にいた労働者民衆から激しい怒りの声が上がり、シールズの求心力低下をもたらしました。「国家暴力の最大の発動」としての戦争を、警察権力・機動隊と癒着する「官製運動」で阻止することなど不可能です。
二つに、シールズは「自衛戦争」と「9条改憲」すら容認する改憲・戦争推進勢力です。全学連はシールズ発足時から一貫して、その「青年愛国運動」としての本質を批判し続けてきました。
シールズ運動から生み出されたのが「新9条論」なる主張です。現行憲法第9条は、1項の「戦争・武力行使の放棄」と2項の「戦力不保持・交戦権否認」が一体となることで、初めて「戦争放棄」の内容を持ちます。9条は、個別的自衛権も含めたあらゆる戦争を禁止しています。しかし「新9条論」は、自衛隊の存在も個別的自衛権も認める内容であり、「戦争絶対反対」の精神は完全に骨抜きにされています。「新9条論」は、切迫する朝鮮侵略戦争の渦中では戦争推進イデオロギーとなります。昨年制定の戦争法は「存立危機事態」なる概念を導入し、「国家の存立」「自衛」を口実に侵略戦争を行うためのものです。「(日本は)北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべき」(シールズHP)なる主張は、政府の鼓吹する「自衛の戦争」を認めた瞬間、朝鮮侵略戦争の口実へと容易に転落します。
日本共産党はシールズと呼応しながら「国民連合政府構想」を発表し、「日米安保容認」「有事の際の自衛隊の積極活用」を呼号しています。自民党と何が違うのでしょうか。参院選と都知事選での「野党共闘」の敗北は、シールズや日共が「戦争絶対反対」でないことを民衆が完全に見抜いたからです。
三つに、シールズ運動は、社会変革の主体としての労働者・学生の存在をおとしめ、「孤独な個人」の異様な強調で労働組合・学生自治会の団結の力に敵対しました。それは、「戦争絶対反対」の思いを、山口二郎・法政大教授はじめ「知識人」崇拝運動と「野党共闘」の選挙動員へと歪少化するものでした。
シールズが賛美する「戦後日本の自由と民主主義の伝統」なるものを、問い直さなければなりません。
議会制民主主義による「一票の下での平等」こそ、1%の資本家と99%の労働者民衆の階級対立、搾取・収奪を押し隠す欺瞞であり、「普通選挙権は、支配階級のどの成員が議会で人民を代表し踏みにじるかを数年に一度決めるもの」(マルクス)です。議会は「おしゃべり小屋」にすぎず、大独占資本と議員・官僚の癒着の下、議会の裏側ですべての政策が決められています。戦後日本の「自由」とは「資本の搾取の自由」であり、それを侵すものへの仮借ない弾圧で初めて成り立ってきたものです。
資本の支配による長時間労働や生活苦で、多くの労働者・学生が政治を奪われています。「武器輸出三原則」解体に伴う軍需産業拡大、防衛省の「安全保障技術推進制度」をはじめとした軍事研究推進などで、職場・大学では「戦争の先取り」が始まっています。職場・キャンパスでの日常的支配に対し、ストライキで労働と教育と政治を奪還する以外に、戦争を止めることも社会を変革することもできません。
(3)
私たちは、シールズ運動をのりこえる道をキャンパスからの実践で示してきました。昨年9月19日の戦争法成立への悔しさをバネに、京都大学全学自治会同学会の仲間は昨年10月27日、反戦バリケード・ストライキに立ち上がりました。これは、口先では「戦争反対」を言いつつ、学内では団結破壊と学生弾圧に手を染める「大学人」への痛烈な批判でした。たとえ戦争法が成立しようと、京大のようにキャンパスからストライキで闘う限り、戦争を実際に発動することはできません。
2006年3月の弾圧以来、「126人の逮捕−34人の起訴−13人の処分」をのりこえて前進する法政大の10年の闘いが示すものは、学生の団結した力は国家権力の弾圧や大学当局の分断もはね返し、団結の全学的・全国的拡大で勝利できるということです。「2011年3・11福島第一原発事故」を受け、私たちは法大闘争の地平の上に全国で学生自治会を建設する闘いに踏み出しました。それまでの東北大学学生自治会に加え、京都大・沖縄大・広島大に自治会を建設し、ストライキに挑戦するまで闘いは発展しています。
(4)
来る11月、日本の三つの労働組合、韓国でゼネストで闘う全国民主労働組合総連盟(民主労総)ソウル地域本部が全世界に呼びかけ、戦争と労働法制改革に反対する国際共同行動が行われます。戦争・労働問題に「ストライキと国際連帯」で闘うことを共同綱領とし、世界中から労働者・労働組合が一同に会することは歴史上かつてなかった取り組みです。
私たちはこれを自らの集会として取り組み、京大反戦ストライキを口実とした4人の京大生への無期停学処分(本年7月12日)の撤回を、改憲阻止の最先端攻防として闘います。「無期停学処分」撤回署名運動は、京大反戦ストの意義を多くの人々に訴え、ともに闘いに立ち上がることを呼びかける攻勢的闘いです。日本でゼネストを組織する署名運動です。
10月3日、京大キャンパスで大集会が予定されています。この秋から来年の闘いを構想し、その出発点となるのが9月1〜2日に開催する全学連大会です。全国学友は大会に結集し、シールズ運動をのりこえて改憲阻止闘争を爆発させよう! (了)
京都大4学生への無期停学処分撤回!ストライキで改憲・戦争とめよう!
全学連第77回定期全国大会
9月1日(木)〜2日(金)
1日の午前9時30分開会
浜町区民館
(東京都中央区日本橋浜町3―37―1)
※参加費1000円(2日間で)
日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
転載元: たたかうユニオンへ!
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