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枯れたのかと思っていた。 初夏に盛大に豪華な花を咲かせたクレマチスは、裏庭から玄関に引っ越して以来ずっと機嫌が悪かった。 せっかく絡んだトレリスから無理矢理外されたのだから、それも致し方無いと思っていた。 去年は秋にも一回り貧相な花さえ咲かせたのに、夏前にはすっかり葉まで落とし、玄関の手すりにダラリと掛けられた蔓は、蔓と言うよりすでに木の枝の様に成り果てて、掛けられただけで、得意の腕を伸ばしてどこかへしがみ付く事さえ出来なかった。 同じ様にトレリスから外されても、裏庭に置いてきぼりにされたもう一つのクレマチスが、トレリスの事などまるで忘れたかの様に、隣のクチナシに絡み付き、朝日を浴びてしごくご機嫌に二度目の花を咲かせた事とは正反対だった。 どうみても瀕死の重体・・・私の目にはそう映った。 いや、確かにそうであったに違いない。 毎朝手すりを眺めては、ダラリとかかった枯れた枝をひょいと持ち上げて、ひょっとして・・・ひょっとして・・・とは思ってはいたが、いつ諦めるか、いっそこの枝を短く切るか・・・それはもはや時間の問題だった。 それが、一週間ほど前、そのまるで枯れ枝だった様な蔓の節から、緑の芽が吹き出したのだ。 生まれたての鮮やかな芽は、見る度に大きくなり、まるで私の目の前で大きくなるのがわかる程の速さだった。 そして、枯れ枝から吹き出す様に、その芽は葉っぱに姿を変えて行った。 これぞ「芽吹き」!! 秋に芽吹いたクレマチスの新芽は、冬に葉を落とす落葉樹達の春の新芽に負けず劣らずの勢いを見せている。 柔らかいその緑を見ていると、「ちょっと美味そう」と思うのも、春のそれとまるで変わる事はない。 多分、このクレマチスも考えたのだろう。 あんなに必死でトレリスに絡んだのに、こんな所へ自慢の蔓を掛けられてヘソを曲げたに違いない。 何とかここから逃れる術はないものか・・・そう考えたかもしれない。 でも、悲しいかな植物は自力では動けない。 このずぼらな私が相手では、ちょっと枯れたと見せた位で、手当をしてもらえるはずもない事にもようやく気がついたのだろう。 下手をすれば、捨てられてしまうかもしれない。 諦めて、この場所でも生きて行く事を選び、そして生きている証拠を私に見せつけたのだ。 |
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我が家のここ数年咲いていない白いクレマチスも芽を出しています。このまま冬になりまた枯れるのではないかとかわいそうに思っています。
2010/10/22(金) 午前 2:51
散歩道の途中にある、お寺の掲示板に
「蒔かれた場所で咲きなさい」って書いてありました〜
まさに、与えられた場所で精一杯生きていく・・・
その姿勢が大切で
このことを教えてもらえた気がします。。。
2010/10/22(金) 午前 8:07 [ k15suzu ]
こんばんは
慌てて昼休みに屋上に・・・
出ていましたよ芽が!
この花ぐらい人を騙すやつはいませんね
昨年危うく捨てるところでした
2010/10/22(金) 午後 9:09 [ fmympapa ]
loveさん宅でも、同じ様に芽吹いているのですね〜。
冬には枯れるんでしたっけ?
ああ、そうだったかも・・・
でも、又春にはきっと出て来ますよね。
2010/10/22(金) 午後 10:34 [ tat*ug3 ]
suzuさん
その言葉、私が書くと「ただ、蒔きっ放しで、植え替えるのが面倒なだけじゃん」と受け取られそうですが、お寺に書かれていると、深い意味になりますね。
まさか、お寺の住職も面倒くさがりやのベランダーって訳じゃないですもんね。
2010/10/22(金) 午後 10:40 [ tat*ug3 ]
fmympapa家のクレマチスも、捨てられそうになった過去があるのですか〜!
旧枝咲きのクレマチスは、ボロボロになった枝を切ってはイケナイらしいですね。
放ったらかし大王の私には、うってつけかもしれません。
2010/10/22(金) 午後 10:43 [ tat*ug3 ]