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久し振りだね、あなたに会いに行ったのは。 新しい仕事を始めてから、通り道が変わってしまって、あなたにはなかなか会いに行けなくなってしまった。 あなたを忘れていた訳じゃないんだよ。 ちゃんと見ていたよ。 まだ寒い頃に爽やかな香りをまき散らした黄色いロウバイも、真っ白な梅も、2年振りにやけに賑やかだったお花見のシーズンだって。 見逃しちゃったのは、今年もカルガモが来ていたかどうかとか、ヒナが孵ったのかどうか。 キンクロハジロがいつ帰って行ってしまったのかとかって事。 気がついたら、季節はするするーっと変わっていたんだ。 ここに引っ越して来て今年で4年目、こんな事は初めてだったよ。 自分でもビックリしてる。 でもね、本当はそんな風に季節をするりと駆け抜けてみたかったんだ。 少し勿体ない気もするけど、もうヘンゼルとグレーテルが帰り道の道標に小石を置いて、いつでもあの時に戻れる様な事はしなくなったんだ。 一日一日は大切にしてるよ。 なんたって、時間は有限なのだから。 一日の終わりに、今日も無事に終わったぞ〜って思いながら布団に入る事が癖になっている位。 仕事に追われて、空を見上げる時間やあなたに会いに行く時間は減ってしまったけど、今ね、ちゃんと生きてる充実感があるんだ。 こんな風に生きてみたいと思っていた生活になって来ている。 仕事に謀殺されて、会社でもキーキー言っているけど、不思議だけど、そんな生活が実は全然イヤじゃないんだよ。 料理もすっかり冷凍食品と仲良しだし、疲れて果てて帰って来て、バタンキューの日だってある。 口では「あ〜、全くも〜」と愚痴っても、おかしいかもしれないけど、今はそれすら新鮮なものなんだ。 今日、久し振りにあなたに会いに行ったら、又新しいあなたを発見したよ。 雨上がりでぐちゃぐちゃになった公園の中で、何か良い香りがしてたね。 今の季節ならクチナシの匂いでもおかしくないけど、残念ながらそこにはクチナシはなくて、キョロキョロしていたら、大きなネズミモチの木に房になって白い花が咲いてた。 それがパラパラと落ちて来るのは、まるで雪みたいだったし、匂っていたのは、ネズミモチだったのだろうと私は思った。 それから、墨田の花火とか言う名前の紫陽花が、雨に濡れて下を向いている様が、まさに花火の様だった。 今迄ちっとも気づかなかったよ。 しかもちゃんと青いから、やっぱり我が家の紫陽花も本当は青なんだろうと確信したよ。 大丈夫、あまりあなたの所へ行かなくなっても、私はちっとも変わっていないから。 むしろ、本当に今が面白くて仕方ないんだ。 前に言っていたでしょ? 「今しか出来ない事がある」って私が気づいた事。 その「今」が少し変わっただけなんだよ。 |

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