未婚の未亡人、泣いたり笑ったり

今は亡き同居人○Tと、未婚の未亡人の珍道中人生

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黄金色に輝く道の角

イメージ 1私がその花を初めて見たのも、その角だった。

ある年の冬の日、店のお使いで、その角に差し掛かると、まるでそこだけ春が来たかの様な明るさだった。

そこにそれだけの高さの木がある事すら、何度も通っていた筈なのに、春や夏や秋には全く気づいていなかった。

初めて見たその花に、私はあんぐりと口を開け、仰ぎ見た。
他の木々が寒さに身を硬くしている真冬の最中に、その花だけは、寒さを謳歌しているかの様に、実に楽しそうに咲いていた。

なんじゃ?この花は・・・いつからここに生えていたんだ?

でも、この「いつから」は、かなり前からだったと気づいたのは、その木の根の辺りに目をやった時だった。

都会の町の中、その木の根元だけを残して、後は全て舗装され、根元近くまでほぼすっかりコンクリートに被われていた。

私が気づかなかっただけで、その木はもうずっと以前からそこに植えらていたに違いなかった。


はじめまして・・・冬の花・・・

とりあえず挨拶だけはしたけれど、それがどこのどいつなのか、私には見当もつかなかった。
それまで、冬の木の花と言えば、サザンカや椿しか知らなかった私の頭は混乱した。

そうゆう時には、師匠に聞くに限る。
私は、さっそく師匠に訪ねた。

今なら写メで見せるだろうが、その当時には、そんな便利な物はなかったから「黄色い梅みたいな花」・・・多分そんな風に説明をしたと思う。

師匠はすぐにそれがロウバイと言う物だと教えてくれた。


あれから、一体何度冬を越しただろうか。
イメージ 4

店からのお使いの用がなければ、滅多にそこを通る事はないので、年によっては気づいた時には春になっていて、花に出会えない事もあった。

今年は、ある方のブログでロウバイの写真を見て、思い出した。

昨日、私はわざとその道を通る用事を作った。

イメージ 2その角の向かいでは、今、家の立て替えが始まっていた。
一瞬あのロウバイのお宅が無くなったかとヒヤリをしたが、ロウバイは無事だった。イメージ 3


落としきらない枯れ葉の色まで花に合わせ、黄金色に輝くなんざ、ちょいとした洒落者のロウバイである。

寒さに震える私を尻目に、ロウバイは冬の日を浴びて木ごと黄金色に輝いていた。


イメージ 5

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