未婚の未亡人、泣いたり笑ったり

今は亡き同居人○Tと、未婚の未亡人の珍道中人生

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2014年07月

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今年のお盆はいつもと違った。
いつもなら、1週間前には○Tの友人達にメールをし、何人かでお迎え火を焚き、何人かで送り火を炊いた。

それが今年はどうしても無理だと思ったのは、全くもって私の勝手である。
仕事場が遠くになってしまい、帰宅時間も遅ければ、次の日の朝も早い。
それに加えて、実はお迎え火の日にはなんと○Tの友人から海へのお誘いが来てしまったのだ!

そんな訳で、年に一度のお盆の集いよりも海を選んだ私を、どうか許して下さーい!と思いつつ、海へ出掛けたのだった。
イメージ 1

お迎え火は、私を迎えに来た海の相棒TKが、朝っぱらから花を持ってドアを開けた途端に「焚かないの?焚かないの?お迎え火でしょ?」と大騒ぎで二人で焚いた。
このTK、家にはお盆の風習がなく、東京で育ったくせに、子供の頃、この時期になるとあちこちの玄関先で焚かれるおがらを見て「良い大人が、玄関先で何火遊びしているんだろう?」と思っていた人物。
故に、ここでお迎え火を焚く事は初めてだったと推察する。
勿論おがらをまじまじと見るのも初めてで、「割り箸みたいだ」と宣わった。
言われてみれば、そんな感じもしないでもない。

新聞紙を敷いて点けてもらった火は盛大に燃え上がった。
これが、又、今迄見た事のないほどの炎になり、おがらから出る細く白い煙と言うよりも赤い炎でお出迎え。
しかも、その後には海が待っていると思えば、煙りが消えた後の火を消すのも慌ただしく・・・そう、水を掛けた途端にもう7年も使っていた受け皿がぱりんと割れた。
イメージ 2

海は寒かった。
時より薄日が射せばあっと言う間に暑くなったが、それもものの10分も持たない。
駐車場に車を止めて、海岸へと歩き出しても出ている手足が冷たいほどで、去年買ったテントは日よけと言うよりは、風よけ。

しばらくは二人して買って来たお弁当を食べたり、寝転んだり、海の様子を見ているだけだった。

海を見ているだけでも、ウロウロしているだけでも充分だった。
海の色、風、匂い、空気。
穏やかな心。

ごろごろごろごろ海岸で寝そべって、周りの家族連れや小さな子供が水の冷たさにキャーキャー言いながらでも海に入って行くのを眺めている。

「俺ら二人ってさ〜」
「他人から見たらさ〜」

「きっと夫婦に見えているんだろうね〜」
「多分。 それも随分年季が入ってトウノタッタ」


この日は大潮、干潮は11:40。

私はゴロゴロして海にぷかぷか浮ければそれだけでも幸せ。
でも奴には野心がある。

その時間よりも少し前に、水が冷たいのを我慢してでも海へ入りたい野心が。
私はそれに付き合う様ににして、まあ、せっかく来たのだし、私もちょうど”自然に呼ばれて”もいたので、水へ入る決心をした。

いや、冷たいこと冷たいこと。
ウェット地の半パンに長袖ラッシュガード、手袋にマスク、フィン、全てを装着して腰まで水に漬かるまで10分はかかっただろう。

「ひやー! 冷たいー!! ダメだー! これ以上入ったら心臓マヒ起こすー!」等々、散々悪態をついては、波打ち際にいた親子連れに笑われていた。

一度入ってしまうと、そうでもなく、1年振りの海はやっぱり気持ち良い。
波は上から見ているよりもずっと強く、特に水中では体ごと持って行かれそうなほどうねっている事がわかると、入った事を少しだけ後悔したが、もう入ってしまったものは仕方ないと言うか、せっかくなのだからと泳ぎ出したが、びびりの私は途中の岩で止まった。
TKは、と言えば、野心満々なのか、アホなのか、次の岩まで行ってしまった。

しばらくして、もう一人で岸へ戻ってしまおうかと思っていたら、TKも戻り始めた。

水に漬かるまでに10分、水中に10分ほどだっただろうか。

普段ならもう1回は入る所だが、やはり寒過ぎた。
雲行きも怪しければ、風が冷たくなり始めた頃にはそそくさと海岸を離れた。

前の晩「お盆だから明日の夜に行くね」と言ってくれていたYっちゃんが仕事帰りに家に寄り、TKの置き土産に舌鼓を打ち、○Tの事はそっちのけで、遅くまで話込んだ。

イメージ 3


送り火の前の晩、友人MUとラインで話しているうちに、以前から行って見たいと思っていたSZ池の灯籠流しに行こうと盛り上がった。

大急ぎで会社を出て、着いた時にはもう始まっていたが、遠くから見ていてもそれはきれいで幻想的だった。

沢山の火の灯った灯籠が静かに池に浮かんでいる。
穏やかな流れにゆらゆらと乗った灯籠。

近くに寄れば、灯籠の柄、そしてそこに書かれた一人一人の名前まで灯りではっきりと見える。

「あ、お父さんのだ!」イメージ 4
「どこどこ?」

「あれがおじいちゃんの!」イメージ 5
数えきれないほどの同じ柄の灯籠の中から、自分の流した灯籠を見つけ出せる人達がいるのだ。
もし、この中に○Tの物があったら、私は探し出せるだろうか。

イメージ 6


「もうこれで、○Tも送った事にしちゃおうかな〜」などと不謹慎な事も思いつつ帰宅したが、焚かないで捨てるおがらも勿体なくて、ケチな私は一人で火を点けた。

又しても、ぼうぼうと燃えるおがらを見て、「こりゃまさに大人の火遊びだな〜」と思った。
通りに面している我が家の玄関だから、時には人が通りかかる。
本当に今年のおがらは良く燃える。
火をじっと見つめてしゃがみ込んだ私を見たら、ひょっとしたら本気で放火と思われかねない。

最後の煙を見送って、これ又そそくさと火の始末をしようと水を掛けたのがいけなかった。
2枚目のお皿までパリンと割れた。

来年は、新しい皿を買おう!
何とか言う名前の、それ専用の素焼きの皿があるではないか!

もうそろそろ梅雨も明けるだろう。

来週の日曜も、海へ行って参ります。

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