未婚の未亡人、泣いたり笑ったり

今は亡き同居人○Tと、未婚の未亡人の珍道中人生

as a ベランダー

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都会人の植物観察日記です。
いとうせいこうの造語、ガーデニングならぬ、ベランダで植物を楽しむ、ベランディングをする人=ベランダーとしての日記です。

2000年頃に友人に作ってもらっていたH.P.もご覧下さいませ。
「その後のボタニカル」
http://shibuya.cool.ne.jp/botanical/index.html
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誰の仕業だ?!

イメージ 1


先週の雪が降る前、窓の外に洗濯物を干していた私は靴下が片方ない事に気がついた。
おや? 

こんな事は良くある事で、私は慌てもせずにもう一度洗濯物を運んだ籠の中を覗き込んだ。
ん?

そんな時には、洗濯機に決まっている。
洗濯機の蓋を開け、覗き込む。
お?

そうか、やっぱり籠の中か、もう一度見てみよう。
おや??

それでは、洗濯機周りをもう一度。
んー・・・

そうか、それなら最初から片方は洗濯機に入れていなかったのかも。
洗濯物入れを開けて首を突っ込む。
その日に洗濯をするつもりではなかったいくつかの洗濯物の中に、紛れている事もある事なのだ。
何しろ、小さな靴下一足、大きな洗濯物の中に紛れ込んでいる事など当たり前に考えられる。

うー・・・・ない。

洗濯機の中、洗濯機の足元、洗濯物を運ぶ籠、洗濯物を放り込む場所、狭いアパートの廊下まで、小さな靴下片方を探す為に何度往復しただろう。

「ねえ、知らない?」
あるはずの物が見当たらないと、必ず○Tに聞く。
いてもいなくても、これは今でも同じである。

その後、その靴下は、いつか出て来ると信じて洗濯ハンガーにピンチで留めたまま1週間が過ぎようとしていた。

先週の雪で裏庭では、いくつかの植物が倒れ、折れ曲がり、中にはポキリと折れると言う被害があったばかり。
少しは救出してやらなければ、と裏庭に降りて、一番被害の大きかったアメジストセージの折れた枝を整理し、咲き始めていた花のついた枝を部屋へ飾るつもりだった。

暖冬だと言われる今年の冬を象徴するかの様に、葉を落とす前からポツポツとフライング咲きしてしまっている雪柳は、あの重い雪にも見事に枝をしならせ全く被害は見受けられない。

去年から少し勢いが衰えて来ていたアジュガも、今年は又少しやる気を出しているのか、ペタリと地面に葉を広げ春を待っている。

一つ一つの植物を一通り眺め終わった頃、洗濯竿のそばの道具箱の脇に何やら見覚えのある柄を発見した。

え?
ここ?

そう言えば、前にも一度すっかり諦めた靴下をここで発見した事を思い出した。
あの時は、待てど暮らせど発見出来ずに遂に諦めてしまい、忘れた頃に、と言うより忘れていた事すら忘れていた程だった。

そうか〜、ここだったのか〜。

アジュガも雪柳も、アメジストセージも、目の前で私が靴下を落とす所を見ていたであろう枯れたふりをしているクレマチスや、秋に葉っぱを虫に喰われてスカスカした枝の先に新しい葉っぱを出して、何やら不格好になってしまっているクチナシ、暮に植えてまだ5ミリ程した芽が出ていないチューリップ達。

一言教えてくれたって良いではないか。
ああ、きっと奴らは笑っていたに違いない。
なんとなく悔しい気がした昨日は曇天、○Tの誕生日。
イメージ 2

アマリリス様

イメージ 1
遂にそれがやって来てしまったのは、3月だった。
母が久し振りに上京して我が家へ2泊して行った一週間後だった。

近所の友達と夕飯を食べている時にそれが運ばれて来た。

ああ、アマリリス・・・・遂にアマリリス・・・・・
私が敬愛する(?)このベランダーと言う名の生みの親、いとうせいこう氏が絶賛(?)をしていたアマリリスである。

但し、私の本来の好物は、小さな花達である。
楚々として、地味な、雑草まがいの花達が私の好みである。
故に我が家ではほぼ白か青、紫の花を咲かせるものがほとんどで、例外で派手な赤で大きな花を咲かせるのは、○Tが持って帰って来てそのまま居座っている玄関のペラルゴニウムのみなのだ。

私はこれが咲くと必ず切って○Tに供える。
派手でちっとも私好みではないけれど、○Tとの生活がぎゅっと、ぎゅぎゅっと詰まった大切な花なのだ。

で、アマリリスである。 いや、この豪華な花はアマリリス様と言っていいだろう。
しかも、箱には「赤」と書いてある。
贈り主が「赤と白、どっちが良い?」と聞いて来てくれた時に、「白」と言っておけば良かったと後悔が頭をよぎった。

一緒に夕飯を食べていたMAは、「へえええ〜、凄いじゃん! 豪華なのが咲くんだよ〜、楽しみだねぇ」と自分の事の様に面白がった。

さすがアマリリス様である。
ご丁寧に"取説"がついていて、曰く「良く日の当たる窓辺で育てて下さい」
いや、これが我が家には全くもって存在しない。
ごちゃごちゃと家が密集して建つ都会の隅っこのアパートの1階。
日の光など昼間の数時間明るくなるだけで、入って来る事はほとんどない。
しかも昼間は留守なのだから、真っ暗である。
唯一置けるとしたらトイレの窓か? と思ったが、これも北向き。
しかもアマリリス様をトイレに置くなんぞ罰が当たりそうである。

で、結局あれこれと注意書きを読んだ後の私の解釈は以下の通り。
「日が当たる外で良し。 但し雨が嫌いなので軒下。 凍らなければ冬越し可」

小さなプラスチックの鉢には、アマリリス様の球根を守る為と思われる、土の上に水が通る蓋、底には受け皿までセットされていた。
それらを撤去し、唯一ある我が家の玄関の軒下に転倒防止用にカゴに入れ、アマリリス様は我が家の仲間入りを果たしたのだ。
ようこそ! 我が家へ! アマリリス様!

「1週間に一度、コップ1杯の水をやって下さい。 やり過ぎると根腐れを起こします。」の注意書き等まるで無視して、毎朝せっせと水をやった。
なんたって、もう外にいて、受け皿もないのだからそんな心配をする必要はないのだ。
「水をやり始めたら、外に出さないで下さい」
霜も降りない都内では、凍る心配などする必要もなかった。

乱暴な水やりで中の土がはねて飛んだ時には、少しビビった。
何しろタマネギクラスの大きな球根がピッタリで収まる鉢だから、土などろくに入っていないのだ。
ほんの少し土が飛んだだけで、アマリリス様の球根の肩がちらりと見える様になってしまった。
「おお、申し訳ない」と小さく謝った私をアマリリス様は鷹揚に許してくれた。

それにしても、このアマリリスと言う植物、タマネギの先を切った様な切り口をそのまま残してあるのが奇妙だった。
まあ、アマリリス様さえ機嫌が良ければそれで良いのだが、色々な球根を見て来たつもりだったが、切り口が見え見えの球根と言うものに初めてお目にかかった気がする。

そして、せっせと水やりをしていたある日、気づくとヘラの様な新芽が生えて来た。
「おお〜、いらっしゃいませ〜」
ここで改めてアマリリス様にご挨拶。

その後はどんどんとヘラ状の葉っぱが大きくなり増えて行き、ついに花芽を思われるものがその葉の外側から上がって来た。
花芽そのものは、水仙、もしくはネギ坊主で良く見かける皮を被ったものであったが、
花は真ん中から出るものと思っていた私には、これは又衝撃的であった。
一番外側の葉っぱにへばりつくように、ぷっくりと膨れたもの、これが花芽だったのだ。
しかも、葉っぱにへばりついていたものだから、ぷっくりは外側だけで、内側は平である。

アマリリス様、面白過ぎます。

次に、膨らんだ花芽は、少しずつ葉っぱから離れて行った。
発射台にセットされたロケットが、秒読み状態に入っている所を想像してもらえばきっとわかりやすい。

花芽は少しずつ葉っぱからはなれ、馬鹿でかい水仙の様な蕾は膨らみ、背も高くなり、ついには発射台の葉っぱの高さを越した。
でも、相変わらず内側と外側の膨らみ加減は違ったままだった。

やがて、外側の皮をびりびりと破く様にして蕾がおでましになった。
よくぞ、まあ、こんな狭い皮の中に閉じこもっていたもんだと思う位の大きな蕾は次にその首を折り、ラッパの様に花びらを広げ始めたのだった。

イメージ 2肉厚のビロードの様な深紅の花びらは、まさにアマリリス様と呼ぶに相応しかった。
思わず触ってみた花びらのぽってりとした感触は、同じくぽってりとした花びらを持つクチナシのより数段上であった。

う〜ん、これは球根界の女王と言っても良いかもしれない。
切り花にしてもきっと見事であろう。

と、ここで3本上がった花茎の咲き始めた2本の行き先を決めた。

1本は勿論、「花」と言えば、派手で明るい花しか思い浮かべなかった○Tの為に、そしてもう1本は、1週間遅れの母の日のプレゼントに元私の雇い主へ。

その人も本来は紫好きで、去年も今頃咲いたクレマチス等を花束にして届けたがこのアマリリス様は喜んで貰えるだろうか?
さっそく電話をしてお昼を一緒に食べようと誘い、アマリリス1本と少しのクレマチスや裏庭の花達を包んで出かけて来た。

今年90歳になるはずの彼女は、包んだ新聞紙からはみ出したアマリリスを見て「わー!! 凄い! こんなのが咲いたの? 素敵!」といつも以上に喜んでくれた。

3つ目の花はまだ発射台から離れたばかりで、最後だからなのか小振りの様だ。
ひょっとしてアマリリス様は、”餌”をご所望なのかもしれない。

自分では決して選ばない花でも、育ててみると愛おしく思えて来てしまうのは何故なんだろう。
愛おしいと言うよりは、情が湧くと言った感じに似ているかもしれない。

イメージ 3

進化するランタナ

小さな紫陽花の様だが、暑けりゃいつでも咲くこの花との付き合いは、相当長い。

初めて見たのは今から20年以上前の南の島で、その後都内でも売り出され、あっと言う間に夏の花の人気者になった。
なんたって、あの暑い最中にどんどん咲く。
暑いのが好きだからと言って、涼しくなって来てもまだ咲く。
涼しいのを通り越して来ると流石に速度は落とすものの一度ついた花芽は、ゆーっくりと動く。
時には葉を全部落とす事もあるが、死んだ訳ではない。
花芽もある日ピタリと動きを止め、そのまま冬を越す。

連続ドラマで言えば「つづく」と言う文字が画面の隅にちらりと見える感じである。
「つづく」で終わったドラマは、暖かくなると又始まるのだ。
それが私の知る限りのランタナでの定番の冬越し方法だった。

ところが今朝、MY公園のロウバイの塩梅を見た帰り、玄関の鉢に水をやっていて気がついた。

寒さと乾燥で触ればパリパリっと壊れそうな葉っぱに、一度は動きを止めたと思われた花芽が動いているのだった。
いや、明らかに花を開いているのだ。
咲く気なのか?ランタナ? こんな真冬に?
「つづく」でおあずけにした筈の花を咲かせるつもりなのか?
イメージ 1

南の島から移住して来たランタナは、東京での生活に適応しようと又新たな試みを始めた様である。

雨宿りの樹

しとしと降る雨の公園

樹の下のベンチに座っている青年

傘もささず、雨が降っている事すら知らないかのように

樹の下に入り、私も傘を畳む

一滴の雨粒も滴らせない落羽松

樹の外は雨

雲間草の咲く季節

イメージ 6

花屋で売っている鉢植えの花達が、必ずしもその季節に咲く物とは限らない事は、「冬の鉢物の女王」、シクラメンが本来は冬に咲く物ではないと言う事でも明らかである。

勿論シクラメンは、夏には眠ってしまうけれど、だからと言って冬に咲くものではないのだ。
一度でもシクラメンを夏越しさせた事のある人にはおわかりだろうが、あれは何も本人が好き好んで冬に咲く訳ではないのだ。

但し、店先に並ぶシクラメンは早くから咲き始め、次から次へと花芽をあげて来るから長く楽しむ事が出来る。
それが、夏越しをして二年目になると寒い頃には花芽は上がって来てもなかなかその蕾をほどこうとはしない。
それどころか、私の経験では長い事葉っぱの下でその蕾は時を待ち、暖かくなるや否や、一斉に葉っぱの上に蕾を持ち上げ、一斉に蕾をほどいた。

狙いすました様に一斉に咲いたシクラメンに、私は舌を蒔いた。

去年の冬、私は一鉢の雲間草を買った。
春を待つまでの一時、玄関先でその小さな鉢は濃いピンクの小さな花で私の帰りを待っていた。
その時はそれだけで嬉しかった。

でも実はそれだけではなく、その鉢の隣には小さなスノードロップがあり、私はそれが万が一夏を越したら、翌年にはスノードロップとの競演を狙っていたのだ。

春に先駆けて咲く小さな白いスノードロップと濃いピンクの小さな雲間草のカップリングなんざ、かなりイケテルはずだった。
まあ、「万が一、夏を越せたら」と言う、全く当てににもならない予想ではあったが。

私が買う花の苗や鉢物は、大抵は100円や200円そこらであるが、雲間草は少々値が張った事を考えても、育てるのはかなり難しいと踏んでいたから、それほど期待していた訳でもなかったが、それでもどうでも良い「万が一」に掛けてみるのがお気楽ベランダーである。

夏になり、それが小汚く葉っぱを茶色に変色させて半ば枯れかけて来た時には「まあ、仕方ないか」と思っていたが、夏が終わりかけてもまだ緑の部分を残していた事に、私の期待は膨らんだ。

でも、まだ浮かれる訳には行かなかった。
涼しくなりかけた頃、それまで踏ん張っていた体力を一気に消耗してダメになる事は良くある事で、寒くなるまでは安心出来なかった。

冬になり、茶色くなるのが止まると、どうやら雲間草はそのまま春を待つ体勢に入った様だった。
ここまで来れば大丈夫、後は花を待つばかり。

かなり不格好にはなってしまったが、それでも上手に夏を越した私の雲間草を褒めてやりたかった。

やがて、隣のスノードロップが小さな芽を吹き、花を咲かせた。
が、しかし、待てど暮らせど雲間草には花芽が見えて来なかった。

イメージ 1どうしたのだ? 肥料でも足りなかったのか?
それとも咲く気はないのだろうか?
さすが100円やそこらで売っている訳ではない、手間のかかる植物であるだけの事はある、などと変に感心したほどだった。

感心しながら私は動き出した小さな芽の先を返す返す眺めた。
毎日眺めた。

だめだったか・・・
諦めかけて、いや、ほとんど諦めた。

イメージ 2何しろ裏庭では雪柳が盛大に咲き、ヒヤシンスも咲いた。
木瓜も咲いて、やがて雪柳は散った。

桜も咲き、季節は八重桜へ。 そしてそれも終わりに近づいたある朝、緑の渦巻きの真ん中に濃いピンクの点を発見した。

イメージ 3来たー!!!

イメージ 4ゴマの様に小さな濃いピンクは日に日に大きくなり、小さめの待ち針の頭ほどの大きさになった頃、ポンっと花が開いた。

裏庭は年季もののアジュガの青と白い鈴蘭。

イメージ 5雲間草は春を告げるのはなく、初夏を告げるのだと初めて知った。

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