as a ベランダー
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いとうせいこうの造語、ガーデニングならぬ、ベランダで植物を楽しむ、ベランディングをする人=ベランダーとしての日記です。
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その日は朝起きて窓を開けたら外が白かった。 |
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去年はたったの一粒だけしか咲かなかった雪柳が気になっていた。 ほんの一ひらだけ咲いた雪柳だった。 あんなに沢山の芽を吹いたのに、ほぼ全部が葉っぱで、たったの一ひら・・・ 今年はどうかと近づいた。 勿論細い枝には無数の芽が吹いている。 長く付き合った植物だと、大抵はどれが花芽だかわかるものだが、まだ雪柳との付き合いの短い私には、どうにも区別がつかない。 すぐそばにあるボケなどは、これはどう見ても、見紛う事なく、ふっくらと膨らんだものが花芽である。 さて、今年の雪柳は如何に?と思いつつカメラを持って近づいたり離れたり、ただでさえ、葉と花芽の区別もつかない新しい芽を、老眼も甚だしい目でモニターとにらめっこ。 肉眼で見ている分には、まだまだそれらしき物も見えなければ、全身緑色の新芽達は、どう見ても葉っぱにしか見えない。 小さな全身緑の芽をモニターごしに見ていたその時だった。 私の目に信じられない光景が、思い切りズームにしてあったモニターに映った。 どう見ても、全身緑のはずだったものが、白く浮き上がった。 驚いてシャッターを切り、肉眼でそれを探した。 でも、そこにはただの緑の新芽達が並んだ枝がわさわさとあるだけだった。 それでも、やっぱり肉眼では探せない。 一体どこに、その一枝があるのだ? 幻を見てるのか? 早く見たいと思っている雪柳の小さな花への思いが強過ぎて、ついに、幻覚まで見える様になってしまったのか?? そんな風に待ち焦がれている雪柳の精霊でも降りて来たのか? 私は慌てた。 大いに慌てた。 そんな事が現実にある筈はないと思っても、かなり慌てた。 |


