未婚の未亡人、泣いたり笑ったり

今は亡き同居人○Tと、未婚の未亡人の珍道中人生

as a ベランダー

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都会人の植物観察日記です。
いとうせいこうの造語、ガーデニングならぬ、ベランダで植物を楽しむ、ベランディングをする人=ベランダーとしての日記です。

2000年頃に友人に作ってもらっていたH.P.もご覧下さいませ。
「その後のボタニカル」
http://shibuya.cool.ne.jp/botanical/index.html
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この半年程ほとんど新しい植物を投入していない我が家である。
それは、仕事の忙しさあるけれど、もう場所も鉢もほとんど飽和状態で、これ以上の植物を増やす決心がつかないからである。

それでも誰かに「これ、要らない?」とか「これ、あげる」等と言われると、ほいほいともらってしまうのが私の悪い癖である。

もらってから、はて?どの鉢に植えようか?
どこに置こうか?と考える。

植物には、それほど手のかからず、植える鉢も何でも良いや、と言うお気楽な物もあれば、時には鉢を選ぶご大層な物もいる。
私が自分で選ぶのは、大抵はそんなご大層な輩ではなく、どこででも大抵は機嫌良くしていてくれる植物なのだが、こやつは違った。

夏頃に我が家へやって来たネリネの球根・・・
あまり聞かない名前だが、彼岸花の親戚と思って頂ければほぼ間違いない。

私は一度だけ、この類いの球根を買った事がある。
それは大きくて立派な球根で、なんと一つが数百円!もして、その値段に怖じ気づいたものだった。
それでも、どうしても欲しくて清水の舞台から飛び降りた気分で買ってみた。
そして、見事に清水の舞台から落ちて頭をかち割ったのだった。

彼岸花の親戚とあって、葉よりも先に花茎が出て来るはずだったのが、一年目にしてなんと葉だけが現れ、2年目も同じだった。
「何年かしないと咲かないのかもしれないよ」と師匠には諭されたが、3年目には退場願った。

そんな苦い思い出のネリネを、再び師匠が私にプレゼントをしてくれたのだ。
「大丈夫かな〜?」と言った私に師匠は「今年はダメかもしれないけどね」とうふふと笑いながら言った。
しかも、よく見る 花屋のしおりにはご丁寧に「植えた年には咲かないかもしれない」等と最初からお断りまで印刷してあった。

それにしてもその球根はかなり深く植える必要があった様だが、その時の我が家には深い鉢はもう一つも残ってはいなかった。
一度失敗したその種類の球根も、植えた時にかなり浅植えにしてしまったのも咲かなかった原因かもしれないと思っていた私だったが、球根を貰ってからその後、鉢を買いに行く時間が取れず、とりあえず、我が家にある鉢に植えておいた。
「どうせ今年は咲く気はないんでしょ?」そんな気持ちだった。

ところが、その後、その球根は花が咲かないどころか、うんともすんとも言わず、まるで何事も起きなかった。
いくら何でも葉っぱ位出るのが普通でしょ〜と呆れて眺める事ほぼ二ヶ月。
諦めかけた頃、と言うよりも、もう忘れかけた頃になって葉っぱが登場。

なんだ・・・とりあえずやる気はあるんだな・・・私は花が咲かないと知っている球根にせっせと水をやっていた。
流石彼岸花の親戚筋だけあって、スラリと細長いヘラ状の姿は2年目にして咲かなくなってしまった裏庭に出ている彼岸花の葉とそっくりである。
全く何が悲しくて葉っぱを育てているのか?と時々やるせなくなるが、見知った花の見知らぬ葉っぱを見るとそれはそれで面白かったりもするのがベランダーなのだ。


私の住むアパートは3階建ての小さな物で、しかも2階と3階はこの建物の持ち主の会社の社宅になっている。
そのせいで、皆がほぼ顔見知り、3階に住む一家族と私は親しく話しをする間柄。
特に奥さんの方が植物好きで、時々玄関で植物の話もする。

今年の夏、玄関先で空豆が出来た時、ご主人と二人で「あれは何がなっているんだろう?」と話題になっていたと言う。
「空豆ですよ」と私が言うと「え〜! そうだったんですか〜! 主人は『枝豆じゃないか?』って言っていたけど、そうだったんですか〜! 言っておこうっと」と笑っていた。

3階から見ると、我が家の裏庭も丸見えで、メダカの入った水鉢は1歳のY太君には大受けだし、秋に白い萩が咲いた時にも「あの白いのは何ですか〜?」と玄関先で声を掛けられ、裏庭にもご招待した。

さて、花の咲かない球根をその家族がなんと見ていたか・・・
私はちっとも知らなかったのだが、葉が出てからずっと楽しみにしていたらしい。

今月に入ったばかりの頃、故郷から送って来たリンゴだと言ってお裾分けを持って来てくれた彼女はその鉢を見て言った。
「これは何が咲くんですか? いつ咲くんですか?」
ハタと気づいた。
花が咲かないと知っていたのは私だけだった。

訳を話すと、彼女は残念そうに「そうなんですか〜、主人と二人で『又見た事のない葉っぱが出てるけど、何が咲くんだろう?』って楽しみにしていたんですよ〜」と言いながら笑ってしまった。

ごめんなさーい!

カレンダー12月号

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今年最後のカレンダーは白のオキザリス。
オキザリスと言えば、雑草の一味カタバミの親戚である。

カタバミと言えば、日当り好きが当たり前なのだが、普通のオキザリスも例外ではなく、良く見かける黄色のオキザリスは我が家では育たない。
それが、この白のオキザリスだけは、直射が当たらなくてもちゃんと咲く。
そこが気に入って我が家にこの白のオキザリスがやって来たのは、もう10年以上も前の事である。

こんなに可愛らしく、手間のかからないオキザリスなのに、滅多に花屋で見かけないのは、桜や紫陽花などの様にその季節を代表する様な花でもなく、花の時期があいまいで、一度咲き始めるとそれはもうあきれる程長く咲いている事もその一因であろう。

それに加えて、小さな球根でいとも簡単に増えて行くのを見ていると、とてもじゃないが、花屋で商売になるほどの値打ちがあるとも思えない。

増えていく球根は上へ上へと、開ききらない松ぼっくりの様な形で、大きさと言ったら赤ちゃんの指ほどしかない。
そんな物が鉢の土の上にポコポコと顔を出したのを初めて見た時にはビックリだった。

それはいとも簡単にポキンと折れて、私はそのひとかけらをぐいっと又別の鉢に差し込んだらあら不思議。
又そこには新しい芽を出したのだった。

あまりにも簡単に増え、そして咲くこのオキザリスは、ものぐさベランダーにはうってつけの花なのだ。

それにしても、そのあまりの簡単さに実は私にさえすっかり「咲いて当たり前」扱いにされている事に、最近気づいた。
この時期でも咲いているこのオキザリスが一体今年はいつ咲き始めたのかさえ、覚えてはいないのだ。
ああ可哀想なオキザリス・・・

そこで、罪滅ぼしのつもりでの今月のカレンダーに決定!

もうすぐクリスマスも来ることだし、真っ白のオキザリスでホワイトクリスマス気分をどうぞ。





 

イクラの実

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あまりにも長い事一緒にいるものだから、そこにいるのが当たり前で、季節が来れば咲くのが当たり前で、花が終わったから言って寂しいとか、そんな事も感じる事もなくなっている植物が、我が家にはわんさかある。

それは年季の入った夫婦の様な家族の様なもので、居て当たり前、時々どこかへ行っても必ず帰って来るのが当たり前の関係で、あたかも、相手の事を全て理解している様な気になっているものだ。

ところが、ある日、その長年連れ添った相方が、それまで考えもしなかった行動を取る事がある。
自分が想像もしなかった相手の行動に驚き、呆れるか、はたまた見直すか、それは相手の行動次第、自分次第。

さて、そんなほぼマンネリ化した付き合いだった玄関先の植物に小さなオレンジ色の実がついた。

イメージ 2大きさと言えば、ほぼイクラの様な大きさで、見かけもほぼイクラ。

それ、幾ら?等と誰かが言いそうではあるが、どう見てもイクラ。

イメージ 3茎の先にポツンとイクラ。

秋の日差しにほんの少し透けて輝くオレンジのイクラ。


イメージ 4はてさて、その正体とは・・・、もう10年は一緒に暮らしているであろう、初夏になるとクルリンと派手なピンクのリバーシブルの手袋をひっくり返して陽気に咲くツキヌキニンドウであった。

長年連れ添って見飽きた女房を、ちょいと見直したダメ夫な気分である。
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以前に書いた様に、玄関先のハゲチョロケの手すりを隠そうと、アベリアと紫陽花に希望を託した私だったが、良い所まで行っているが、未だにハゲチョロケは目立っている。
それでもいつか、目立たない程度にまでなるだろうと、長期戦の構えでいる。
企みが企みのまま終わったとしても、企てて、それを眺めている事自体がもしかしたら楽しみなのかもしれない。

さて、もう1つ、お気楽ベランダーの私が企てていたのが、裏庭の地面に小さなヒメツルソバをびっしりと咲かせる事だった。
何度か登場しているヒメツルソバは、花屋で売ってはいるが、ほぼ雑草扱いで、一株あれば、土ではない所にでも這って出る。
這う以外にも、あちこちに種を飛ばし、大して土のない所からでもワイワイと生えて来る。

時々邪魔になり、私はそれを引きちぎって捨ててしまう。
特に、花の無い頃には、バリバリー!と引っ張ってはポイっと捨てる。

一部をポイッと捨てられた位でヒメツルソバは全く動じない。
あっと言う間に元通り、いや、それ以上に復活して来る。

敷いた砂利の上を味気のない葉っぱに被われるのはイヤなのだが、もし、それが花の季節だったらきっとピンクのカーペットの様で良い感じになるだろう、と密かに思っていた。

夏の間に放置をすると、とにかくあっと言う間に敷石の上にまで這って出てしまうし、かと言って、手間を掛けてバリバリと引きちぎり過ぎても、花の頃にピンクのカーペットになる程の面積を確保出来ない。

イメージ 2今年はどうやら良い具合に、私は裏庭を放置したらしい。

その結果、今、我が裏庭はほぼ一面に渡ってピンクの小さな花で埋め尽くされている。

イメージ 3先週、偶然訪ねて来たベランダー友達に、私は鼻息も荒く自慢したのは勿論の事である。

小さな黒いポットで時々売られているヒメツルソバは、大抵100円。
イメージ 4「1000円以上にはなるね〜」と、二人で笑った。
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そろそろ紅葉の季節だと言うのに、まだまだやる気のランタナです。

元々ランタナは、南の島でお気楽にいつだって咲いている植物で、真冬の沖縄でもハイビスカスと一緒に「南の島へいらっしゃいませ〜」と迎えてくれる。
実際に真冬の沖縄に行った事はないのだけれど、私のベランダー友達が真冬の沖縄に出かけた時に「やっぱり咲いてた・・・」とのレポートを送ってくれたから、きっと確かなのだろう。

ハイビスカスは放っておくと東京の真冬を越す事は出来ないのに比べて、ランタナは放っておいても冬を越す事が出来るのは、寒さに応じて、本来は常緑の葉を落として冬をやり過ごす知恵を持っているからなのだ。

紅葉するでもなく、寒さにつれて動きが鈍くなり、次の花芽を用意したまま、ある所でピタリと動きを止める。
さほど寒くない冬だと、葉を落とす事もしないで、そのまま冬を越す事もあれば、きれいに丸坊主になる冬もある。

今年の冬はどうなのだろう?

我が家ではこれが今年最後のランタナの花。
写真に撮ろうと近づいて覗き込んだら、なにやら紅葉の様に見えて来た。
空から見た全山紅葉、などと言ったら言い過ぎか。


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