未婚の未亡人、泣いたり笑ったり

今は亡き同居人○Tと、未婚の未亡人の珍道中人生

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今日の事、感じた事、ちょっと考えている事など。
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今年のお盆はいつもと違った。
いつもなら、1週間前には○Tの友人達にメールをし、何人かでお迎え火を焚き、何人かで送り火を炊いた。

それが今年はどうしても無理だと思ったのは、全くもって私の勝手である。
仕事場が遠くになってしまい、帰宅時間も遅ければ、次の日の朝も早い。
それに加えて、実はお迎え火の日にはなんと○Tの友人から海へのお誘いが来てしまったのだ!

そんな訳で、年に一度のお盆の集いよりも海を選んだ私を、どうか許して下さーい!と思いつつ、海へ出掛けたのだった。
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お迎え火は、私を迎えに来た海の相棒TKが、朝っぱらから花を持ってドアを開けた途端に「焚かないの?焚かないの?お迎え火でしょ?」と大騒ぎで二人で焚いた。
このTK、家にはお盆の風習がなく、東京で育ったくせに、子供の頃、この時期になるとあちこちの玄関先で焚かれるおがらを見て「良い大人が、玄関先で何火遊びしているんだろう?」と思っていた人物。
故に、ここでお迎え火を焚く事は初めてだったと推察する。
勿論おがらをまじまじと見るのも初めてで、「割り箸みたいだ」と宣わった。
言われてみれば、そんな感じもしないでもない。

新聞紙を敷いて点けてもらった火は盛大に燃え上がった。
これが、又、今迄見た事のないほどの炎になり、おがらから出る細く白い煙と言うよりも赤い炎でお出迎え。
しかも、その後には海が待っていると思えば、煙りが消えた後の火を消すのも慌ただしく・・・そう、水を掛けた途端にもう7年も使っていた受け皿がぱりんと割れた。
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海は寒かった。
時より薄日が射せばあっと言う間に暑くなったが、それもものの10分も持たない。
駐車場に車を止めて、海岸へと歩き出しても出ている手足が冷たいほどで、去年買ったテントは日よけと言うよりは、風よけ。

しばらくは二人して買って来たお弁当を食べたり、寝転んだり、海の様子を見ているだけだった。

海を見ているだけでも、ウロウロしているだけでも充分だった。
海の色、風、匂い、空気。
穏やかな心。

ごろごろごろごろ海岸で寝そべって、周りの家族連れや小さな子供が水の冷たさにキャーキャー言いながらでも海に入って行くのを眺めている。

「俺ら二人ってさ〜」
「他人から見たらさ〜」

「きっと夫婦に見えているんだろうね〜」
「多分。 それも随分年季が入ってトウノタッタ」


この日は大潮、干潮は11:40。

私はゴロゴロして海にぷかぷか浮ければそれだけでも幸せ。
でも奴には野心がある。

その時間よりも少し前に、水が冷たいのを我慢してでも海へ入りたい野心が。
私はそれに付き合う様ににして、まあ、せっかく来たのだし、私もちょうど”自然に呼ばれて”もいたので、水へ入る決心をした。

いや、冷たいこと冷たいこと。
ウェット地の半パンに長袖ラッシュガード、手袋にマスク、フィン、全てを装着して腰まで水に漬かるまで10分はかかっただろう。

「ひやー! 冷たいー!! ダメだー! これ以上入ったら心臓マヒ起こすー!」等々、散々悪態をついては、波打ち際にいた親子連れに笑われていた。

一度入ってしまうと、そうでもなく、1年振りの海はやっぱり気持ち良い。
波は上から見ているよりもずっと強く、特に水中では体ごと持って行かれそうなほどうねっている事がわかると、入った事を少しだけ後悔したが、もう入ってしまったものは仕方ないと言うか、せっかくなのだからと泳ぎ出したが、びびりの私は途中の岩で止まった。
TKは、と言えば、野心満々なのか、アホなのか、次の岩まで行ってしまった。

しばらくして、もう一人で岸へ戻ってしまおうかと思っていたら、TKも戻り始めた。

水に漬かるまでに10分、水中に10分ほどだっただろうか。

普段ならもう1回は入る所だが、やはり寒過ぎた。
雲行きも怪しければ、風が冷たくなり始めた頃にはそそくさと海岸を離れた。

前の晩「お盆だから明日の夜に行くね」と言ってくれていたYっちゃんが仕事帰りに家に寄り、TKの置き土産に舌鼓を打ち、○Tの事はそっちのけで、遅くまで話込んだ。

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送り火の前の晩、友人MUとラインで話しているうちに、以前から行って見たいと思っていたSZ池の灯籠流しに行こうと盛り上がった。

大急ぎで会社を出て、着いた時にはもう始まっていたが、遠くから見ていてもそれはきれいで幻想的だった。

沢山の火の灯った灯籠が静かに池に浮かんでいる。
穏やかな流れにゆらゆらと乗った灯籠。

近くに寄れば、灯籠の柄、そしてそこに書かれた一人一人の名前まで灯りではっきりと見える。

「あ、お父さんのだ!」イメージ 4
「どこどこ?」

「あれがおじいちゃんの!」イメージ 5
数えきれないほどの同じ柄の灯籠の中から、自分の流した灯籠を見つけ出せる人達がいるのだ。
もし、この中に○Tの物があったら、私は探し出せるだろうか。

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「もうこれで、○Tも送った事にしちゃおうかな〜」などと不謹慎な事も思いつつ帰宅したが、焚かないで捨てるおがらも勿体なくて、ケチな私は一人で火を点けた。

又しても、ぼうぼうと燃えるおがらを見て、「こりゃまさに大人の火遊びだな〜」と思った。
通りに面している我が家の玄関だから、時には人が通りかかる。
本当に今年のおがらは良く燃える。
火をじっと見つめてしゃがみ込んだ私を見たら、ひょっとしたら本気で放火と思われかねない。

最後の煙を見送って、これ又そそくさと火の始末をしようと水を掛けたのがいけなかった。
2枚目のお皿までパリンと割れた。

来年は、新しい皿を買おう!
何とか言う名前の、それ専用の素焼きの皿があるではないか!

もうそろそろ梅雨も明けるだろう。

来週の日曜も、海へ行って参ります。

霜柱

土の下に溶けていたはずの哀しみが
冬の朝、ふいに土を持ち上げ顔を出す

子供の頃のように、それをざくざくと踏んでみようか

放っておいても、それはいつか朝日に溶け
空へと帰る


土の中で眠っていた哀しみが
幾千の人々の涙が凍って土を持ち上げる



最近私の住む所では滅多にお目にかかれない盛大な霜柱を、通勤途中でみつけました。
今日は○Tの誕生日でもあります。
HAPPY BIRTHDAY ○T!!
忙しくて、恒例のハヤシライスを作ってないけど、良いよね。
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皆様、明けましておめでとうございます。
フツーのサラリーマン生活に入って早3回目の年末年始は何と豪華9連休。

1日は仕事が終わらず泣く泣く出社したものの、11月に入社したばかりのyuちゃんがとっととっとと仕事を片付け、夕方には完了し、3年目にして始めての年末の5時退社で8連休を確保した次第。
全くサラリーマンとは良く休むものです。
(そうじゃないサラリーマンの方、ゴメンナサイ)

ほっとしつつ、年末に友人と徒歩圏内でランチをしたあと、二人してふらりと電車に乗って買い物に行った先で新しい眼鏡(勿論老眼鏡)を作ったら、なんとまあ良く見える事!
仕事用に作った老眼鏡の見え方がどうも怪しいと思い、思い切って乱視のレンズも入れてもらったものだから、今迄見えていなかったあれやこれやがハッキリと。

大掃除なんぞ全く無視していたのに、家の中の埃が見える事と言ったら呆れる程だった。
あまりの惨状に、仕方なく掃除を始めたが、早々に切り上げたのは、やってもやってもキリがなさそうだったからと、あまり真剣になるとあとで身体に響くから。
そして、当然ながら、私のいい加減な性格からである。

笑っちゃう程見えたのは、部屋だけではなく、勿論自分の顔を皺やシミ。
ひゃ〜、こんなに皺があったのだ〜と、鏡の前でも笑いが出た。

その眼鏡を掛けて出掛けた大晦日に、母の顔を見て、「ひゃ〜、お母さん!、いっぱい皺があるんだね〜」と開口一番言ったら、とてもイヤな顔をされてしまった。
思った事がつい口に出てしまう娘を持った事を後悔しているだろう。

思った事をつい口にしてしまうのは会社でも同じで、暮に起こった「粗大ゴミ事件」では10人の事務所の中の常務に腹を立て電話をガシャリと切ってしまい、もう既に事務所の中では「怖いオバサン」になっている。
いや、それは別にその時に始まった事ではなく、理不尽な取引先からの売られた喧嘩を買ってしまったり、あまりの膨大な仕事量に仕事中に「ガルルル〜...」と小声で唸ってみたりするものだから、事務所内では皆私に遠慮がちになっている事位、既にオバサンにはわかっているのだ。

だから、本当は両端の尖った意地悪そうな眼鏡にしようかと思った位だった。

さて、大晦日から恒例のホテルでの3泊は、姉夫婦達は珍しく年が明けてからの合流で、その晩は母と二人で過ごした。

母が恒例の「これが最後だからね」を口にする前に私が先に言った。「これが最後なんだよね〜、お母さん」。
そう言い始めたのは、父が亡くなってからだから、もう既に13年目に入る。

母と二人だけの夕食の時、いつものレストランのボーイさんが尋ねた。
「今年一番良かった事は何でしたか?」
思いもしなかった質問に、一瞬戸惑ったが、私の口をついて出たのは、
「又、ここに来られた事です。」だった。
ボーイさんは大層感激した様子で「そうですか〜」と言った。

1年経って無事で居られた事が、どれほど大事で大切で切ないほど幸せな事かを私は7年前からずっとずっと感じているのだ。
ボーイさんの「そうですか〜」の嬉しそうな声を聞きながら、「相変わらずです」と言える事がどれほど幸せな事かを、私はそれを失ってみて始めてわかった程のウスラトンカチで間抜けだったと、母の顔を見ながら照れ笑いをした。

年が明けて姉夫婦がやって来た。
初詣はいつもの所。
いつもの様に姉夫婦と三人で出掛け、帰りがけにお土産屋で義兄がサザエのつぼ焼きと姉妹は烏賊焼きを食べるのがお約束。
母にはお土産で烏賊焼きを持って帰る。
去年は隣で焼き芋を買って帰ったのが母には不評で、私達は全く気づいていなかったが、母は大の烏賊好きであった事も学習している。

「温泉に入って来ようかな〜」
年をまたいでまで温泉につかっていた私なのに、その日も夕飯前に姉を誘った。
「行く行く」
姉も支度をし、母と義兄を置き去りにして姉と私はお風呂場へ向かった。

温泉につかりながら、姉は「この事はお母さんには内緒だよ」と話し始めた。

いつだっただろう。
上の姪が今の旦那と付き合い始めた頃にも、姉が私に打ち明けたのは、こんな風に温泉につかりながらだった。
けれども、それは母に内緒にする事でもなく、むしろ私が一番最後に知らされた位で、姉にしてもとりあえず叔母馬鹿にも一応報告しておこうか、程度だった。

それが、今回は義兄の体調に関する話は深刻だった。
勿論、○Tの様な深刻さはないけれど、母が聞けばどれほど動揺するかは想像出来た。
母よりも先に義兄が逝く等とはあってはならないのだ。

部屋に入る前に、姉はもう一度私に釘を刺した。
「絶対に言わないでよ!!」

「へいへい」
二つしか違わない姉のビシャリとした物言いには、会社の「怖いオバサン」も形無しである。

2日は前日から決めていた三度の大人だけの動物園。
今迄で一番遠いが、これが又ホワイトタイガーは居るわ、キリンに餌をやれるわ、針ネズミを抱けるわで、大満足。
オマケに観覧車にまで乗って子供顔負けのはしゃぎっぷりだった。

3日には日帰りで下の姪が来て、我が家のお正月は頂点を迎えた。
ホテルは引き払ったものの、父の誕生日でもあり、母の部屋に全員でなだれ込んだ。
娘達にも箝口令をしいた姉のお陰もあり、母には知られる事なく病み上がりのはずの義兄はモリモリと食べ、ガハハと笑い、いつもなら暗くなる前に帰るのに、下の姪に付き合って遅くまで私達と過ごした。

もう1日母と過ごした私は、母が姉夫婦に荷物を出してから姉に電話をして「旦那はもう仕事に行っているの?」と聞いているのを知らん顔して聞いていた。

今年の日の出は三が日通して、いつもよりも真っ赤で、大きな朝日だった。
そして恒例の三人の初詣でのおみくじは、吉、小吉、中吉とそろい踏み。

「今年が最後よ〜」と言う母の言葉に、いつ終わっても良い様な覚悟だけはしておくつもりだが、まだもう少し、あと少し、少しでも長く、こんな幸せなお正月を過ごしたいのが本音です。

そんな思いも吹っ飛ぶ程、又明日からてんてこ舞いの毎日を過ごします。
まずは、朝、寝坊しないで起きられます様に・・・・・ってかなり小さな望みですが、私は真剣です。

皆様の1年が穏やかで喜びに満ちた日々であリます様に。
晴れやかな日ばかりでなくとも、最後に笑って終われる一年である事を心から祈ります。

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バスの窓から

今年の5月に、私の勤める会社が横浜の港北方面に引越をした。
これで私は初めての電車&バス通勤になった。

方向は下りなので、電車もバスもほぼ座って行ける。

電車を降りてバスに乗ると、そこから先の景色は今迄私が普段見て来た景色はまるで違っている。

バスがやっとすれ違うだけの道幅の商店街を抜けると、その場だけの様な住宅街を抜け、川にかかる橋を渡る。
渡った先に大きな園芸センターがあり、その先に新しく出来た地下鉄の駅が何故か高架になっている。

そこを過ぎると、切り通しの道を抜け、大きな工場や倉庫が並ぶ広い道に出て行く。

バスを降りて信号を渡る時に、横断歩道のほぼ真ん中辺りから、天気が良ければ富士山が正面に見えるのだ。

5月に引っ越したばかりの頃は、切り通しの道の崖の上に並んだ紫陽花を発見し、梅雨の季節を楽しみにした。
もちろん、季節にはとてもきれいな紫陽花が見事に咲いていた。

川の両側は堤防の一番上が舗装された道になっていて、近くの学生達が自転車や徒歩で学校へ行くのが見える。
まさに学園ドラマの通学路。
その下の舗装された所にも、ちらほらと歩く人やジョギングの人もいたりする。

秋になり、川の先にあるお寺の境内への道の両側には真っ赤な彼岸花がずらりと咲いた。

そして、今、商店街を抜けた先のわずかばかりの住宅街の一件のお宅には、なんと皇帝ダリアが堂々と咲いているのだ。
このブログを始めてから知った皇帝ダリア。
先日お会いしたべこにあさんと、まだお会いした事はない空さんのブログで知った皇帝ダリア。

二階の高さにまでなると言うその花を、私は一度も見た事がなかった。

私が見た皇帝ダリアは、二階建ての青い屋根のおうちの前にすっくと立ち、もうすでに二階の軒にかかろうとかと言う程の高さに、薄いピンクの花を沢山つけて今咲いている。

本物を見てみたいと思っていた皇帝ダリアが、こんな所で見られるなんて、バス通勤も捨てたものじゃない。

蛍の光、母の腕

「蛍狩りをやっているらしいよ」
いつもより遅く母の所へ到着するなり、私は言った。

「へ〜、どこで?」
「大川だって、電車の吊り広告に書いてあったの。」

「行ってみても良いわよ」
「私は見た事がないから、行ってみたいな〜」
「そうか〜、貴女は見た事がなかったのか〜、良いわよ。じゃあ、ネットででもちゃんと調べてみてよ。」
母自慢のタブレットを渡された私は老眼鏡を出してさっそく調べた。

前から一度は見てみたいと思っていた蛍を、こんな風に簡単に見るチャンスが巡って来るなんて思ってもみなかった。

早々に夕飯を食べに出掛け、その足で隣駅の大川まで出掛けて行った。
地元の観光協会が主催し、大川の駅から送迎バスまで出ていて、小学生の協力で育てていると言う蛍だから、十中八九見られるのだろうと思ってはいたが、
「ホントに見れるのかなぁ」二人とも半信半疑だった。
もし見られなくても、それはそれでも仕方ないし、一匹でもチラリと飛ぶ光る蛍が見られたらと思うと、それはそれはわくわくだった。

暗くなり始めた山道を沢山の客を乗せたマイクロバスは登って行った。
「小さいお子さんは足元が危ないので、手を引いて下さい。」
バスの中で注意され、母はバスを降りると私にしがみついた。

「小さいお婆さんもだね」
苦笑いしながら、人の流れに沿って公園内に入った。

夏至が近い。
暗くなりきらない池には、沢山のミズスマシの波紋が広がっていた。
こんな沢山のミズスマシを見るのも初めてだった私には、それすらも面白くて暗くなるまでの間も飽きる事がなかった。

暗くなり始めてほんの少し経った辺りで、いきなりふわりと、私の近くで光が舞った。

「え? これ? ねえ、光ってるよ。」
池の向こうの遠くの暗がりに見えるものだとばかり思っていた私は、いきなりの青白い小さな光が光った事に心底驚いた。
思っていた以上に明るくて、大きくて、それははっきりと見えた。

母が「そうよ、それそれ」と言ってくれなければ、私は見間違えかと思っただろう。

一匹が飛び始めて、5分ほども経つと、遠くにもふわふわといくつもの光が飛び始めた。

「星が降って来ているみたい」
そう言ったのは、隣にいたアベックの女の子だった。
その子は、そんな台詞を吐いた自分にちょっと照れている風に「ふふ」と笑ったけれど、年寄り親子の私達にだってそんな風に見えた。

くるりんと宙返りする光、枝に止まってじーっと光り、そのうちそれに飽きたかの様にふっと光を消した。
消したかと思うと、又ふーっと光らせる。

どんどん増える光を見ていると、まるで飽きる事がない。

「あっちにも」
「ほら、あそこにも」

「あ、ここにも」
「ホント、きれい」

本当に綺麗できれいで、綺麗だった。

公園をあとにすると、グループに一つずつ貸してくれる提灯を頼りに、暗い道を下って行く。
母と私は腕を組んで坂道を下る。

途中の下り坂でも、川のそばでは木の間を蛍が舞っていた。
うんと高い位置で光る蛍を眺めながら、「あんなに高い所にも飛んでいるなんて〜」と母は言い、言ったそばから「あんまり上ばかり見ていると転ぶわよ」と私の腕にぶら下がっているくせに、私をたしなめた。

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