|
動物園に行きたいと言い出したのは母だった。 両親が伊豆の施設に引っ越してから30年。 お正月は伊豆で過ごすのが恒例になっていた。 遠くは下田や修善寺の自転車公園、近場ではグランパル公園やシャボテン公園。 特にグランパルはほぼ毎年通ったと言っても過言ではないほどだった。 どの辺りにどんな遊戯施設があるのか、どれが人気があるのか、時には世代交代をしてしまった遊戯施設があったりすると「お〜、新しい物が出来たんだね〜」とか「前のアレは無くなっちゃったんだね〜、楽しみにしてたのに」、駐車場の混み方を見ては「おや、今年はあまり混んでいないぞ」などなど、とにかく年に一度はそこで遊んでいた。 姪達がそんな物には興味を示さなくなってから10数年。 お正月に姪達が顔を出さなくなって数年。 今年は大晦日から姉夫婦と私は同じ電車で待ち合わせ、揃って母のところへ行った。 いつもなら初詣に行く程度でダラダラと過ごすのだが、今年は趣が違った。 それは姉夫婦と私が一日もずれる事なく、一緒に居た事もあるだろう。 去年の夏、姪に子供が生まれた事もあるだろう。 沢山ある伊豆高原の観光地のパンフレットを眺めながら「よくあちこちに行ったわね〜」と感慨深げにしていた母が「そう言えば、去年MY(下の姪)が来た時に、シャボテン公園に行きたいって言ったら、却下されちゃったのよ〜」と苦々しげに言った。 MYは動物の仕事をする程の動物好きだけれど、祖母を喜ばせる事にはまだまるで無頓着。 「行ってみようか? 久し振りにさ、動物見に!」 「行こう、行こう!」 行き先を告げられたタクシーの運転手は「大人だけで行くんですか〜?」と珍しい動物を見る様に私達に行ったけれど、動物園は大人だって楽しい。 特に珍しい動物がいる訳でもない動物園だけれど、温泉につかるカピバラや、半放し飼い状態の手足の長い小さなリスザルやクジャク達。 元旦には去年買った母用の熊手を返して「一年ありがとう」と手を合わせ、又今年一年を無事に過ごせる様にお願いをして来た。 恒例のセルフタイマーでの記念写真は、ベストショットが撮れる迄のドタバタはお約束。 去年被災し、未だに大変な生活を送っている人達や、年末に体調を崩して寝正月になってしまった友人達には、申し訳ない程の幸せなお正月を過ごさせてもらいました。 どうか皆様の今年が無事で、穏やかな日々のつながりであります様に。 |

- >
- 生活と文化
- >
- 祝日、記念日、年中行事
- >
- 正月



