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2007年2月18日(日)
酸素+1.5
雨が降っていたので、「雨だね」とメールを入れると、かなりご機嫌な(?)返事が返って来ました。
8:09
「江戸っ子だよ なんだ、なんだ、この寒さは いやだ。 まだ飯おわずけ(注:”おあずけ”です)なのだ。 はらへったモスバーガーかえないしな まあ いいか」
何故”おわずけ”になっていたのかはわからないのですが、ここの病院は割と朝食は遅い様でした。
そして、何故いきなりモスバーガーになったのかも、私にはわからなかったのですが、とにかく○Tは、それを食べたい様でした。
どこにあるんだったっけ?とメールで聞くと
「○鳥神社の交差点」
そうでした、そうでした。 毎日私はそこを通っているのにすっかり忘れていました。
それなら通り道だけど、今日は雨だからタクシーで行くつもりなんだけどな〜・・・タクシー待たせてモスバーガーでお買い物って言うのもな〜・・・と思って返事をすると、
「雨で大変だからいいよ 今日はな」
”今日はな”と言う事は、明日あたりには食べたいのでしょう。
朝食が終わると、○Tはシャワーを浴びに行きました。
ところで、シャワーを浴びている間は酸素はどうしているのか?と心配になりました。
○Tの病室の酸素は、○Tが動き回る様になってからは、かなり長い物にしてもらっていましたが、まさか、そのまま行ってるんじゃ・・・・
想像したら、ちょっと笑えましたが・・・
「うざいからさ〜、それ位の間は大丈夫なんだよ〜。 でも、シャワー室にちゃんと酸素出る所があるんだよね。 こないだ入ろうとしたら、看護婦さんに『大丈夫ですか?!』って言われちゃったんだ。 『入る時には声掛けて下さいね!』って慌ててるの、シャワー位の間は大丈夫なのにな〜」
○Tは、へらへらと笑いながら話していました。
「でもさ〜、中で酸欠で倒れたらシャレになんないでしょ〜? 知らないよ〜、も〜!」
私はシャワー室へ酸素をしないで入って行く○Tをみつけた看護師さんの動揺を察して、ちょっときつめに叱っておきました。
「ところでさ〜、シャンプー買って来ておいてよ」
「へ? シャンプー入れてあったでしょ? もうないの?」
「違うよ、体洗う奴だよ」
「こないだの入院の時に買ったのあるじゃん」
「あるけど、あれ泡立ち悪いんだよ」
「ちょっと待ってよ〜、放射線やってる間ってゴシゴシ洗わないでって言われてなかった?」
「だから、泡がフワフワってなる奴が欲しいの」
「ふ〜ん・・・泡がフワフワね〜〜、探してみるよ」
私は仕事に出る前に、いつも行くドラッグストアに顔を出し、「泡がフワフワって出るボディーシャンプー下さい」と言うと、「あの奥に赤ちゃん用のがあるよ」と教えてくれたので、それを買いました。
お見舞いには、お兄さんのKIさん、姪のCちゃん、奥さんのMちゃんと娘のNっちが来てくれていました。
朝私が病室を出る時に「唐揚げも食いたいな〜」と言っていたので、いつもの「リクエスト承りメール」で「唐揚げだっけ?」と聞くと、「もう食った 腹一杯だ いらないや」と返事をして来ました。
私の友達が届けてくれたブリ大根も「これ、Uが作ったの? 美味いね」と病院食以外にも食べていました。
食事の後は、お約束の(?)UNOタイムでした。
バレンタインにあちこちからもらったチョコレートをつまみながらだったのですが、○Tはブランデー入りのチョコを食べました。
チョコレートは何も入っていない物しか食べず、アーモンド入りなどは「これ、種入りじゃん」と言っていた位の○Tがブランデー入りなんて珍しかったです。
そして、なんとこの日は9時には眠くなって来てしまっていました。
「どうしたんだろうね? さっきのブランデーで酔ったんじゃないの??」と私達が言っている間に、すでに暴睡モードでした。
水薬のモルヒネ、オプソなんかなくてもこれならお酒でも良いのかも?と思った位でした。
すやすやと気持ち良さそうに眠ってしまった○Tに「おやすみ〜」と言って、私達は病院を出て来ました。
元気になって来た○Tとのこの時間は、私には実は本当に楽しい時間でした。
けれども、この頃、息子のDは本当に厳しい時間を過ごしていた様です。
これは本当に後になってDが話してくれた事なのですが、Dは一人で事務所で厳しい冬を耐えていたみたいです。
新入社員も辞めて行ったばかりで、事務所にはDだけになり、11月に突然親父が倒れてから、その頃に決まっていた仕事はこなせても、新しい仕事が入って来ませんでした。
現場に出ていただけでなく、営業もしていた親父の穴埋めを、おいそれとDが出来る訳もありませんでした。
経理をやっている私も、この時の売上を見て内心「う〜ん・・・来月と再来月はどうするんだ?」と実は頭を抱えてはいました。
それでもDは、あちこちに電話をしては仕事を貰おうと必死だったと言っていました。
「親父に仕事と金の心配はさせたくない」一心でした。
「あの頃、俺、一番辛かったんだ〜」と言われた時、私は○Tの事ばかりでDの事にまで頭が回っていなかった事に初めて気づきました。
「そうか〜、そうだったよね・・・ごめんね、私は親父に夢中だったんだよ」
そう言って私が謝ると「いや、それは仕方ないんだよ、ただ辛かったな〜って思っただけ」と、今や二人の社員とお局の私に給料を出すほど成長した二代目は苦笑いしていました。
いつもより早めに家に帰って来た私は、パソコンで丸山ワクチンを検索し、承諾書等を用意しました。
今度こそ、早めに手を打たなければ!
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