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韓国の現代自動車グループの会長が会社資金の横領、背任容疑で3年の実刑判決を受けました。しかし保釈決定は取り消されず身柄拘束はされないとのことです。
現代自動車は2000年ごろから目覚しい製品の品質改善とコスト削減によって北米市場を中心として大きく販売台数を伸ばし、急速に日本車の競合相手としてのプレゼンスを拡大してきていました。ところが昨今のウォン高という逆風はあるにせよ長期に及ぶストライキや原材料高によりここにきて大きく業績を低迷させています。2006年の決算は売上高こそ0.2%減の273350億ウォンでしたが純利益は35%減の15260億ウォンと好調な日本車メーカーと比べて失速感を免れません。
現代自動車グループは年間販売台数250万台にも迫る韓国一の自動車メーカーで日本で言えばトヨタにあたる業界のリーダーです。そのグループの会長が逮捕、実刑判決を受けるということはトヨタの会長が逮捕されるに等しいインパクトがあるはずです。韓国司法がそんな地位にある人間に対しても実刑判決を躊躇しなかったということはそれだけ透明性が確保されていると言うことなのかもしれません。しかし、企業レベルで見れば業界のリーディングカンパニーであってもそのトップが横領、背任の罪を犯すことができるほど内部統制が取れていないということを示しているのです。
韓国では業界を代表する大企業と言えども、財閥系のグループがマジョリティーでそのトップをファミリーの構成メンバーが占める構図が未だに温存されているようです。日本でもこうした構図がないわけではありませんが業界を代表する公開会社でそのトップがファミリーによって占められているケースは少なくなっていると思います。ファミリーメンバーが国家や企業の中枢を占めて、彼らの支配する割合の高い社会、経済をクローニングエコノミー(親戚経済)といって先進度の低い経済体制と看做しますが、今回の現代自工の一件を見ていても韓国の産業社会にはまだまだ透明度を上げる余地が多分に残っているように見えます。
日本でもJ-SOX法の施行が年内に始まりますが急速に経済活動の国境が消えている現状を見るに世界の経済活動の主要プレーヤーには一国も早く共通の企業統治の透明性を確保してもらいたいものだと思います。
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