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税制改革論議が一応の決着を見ましたが、自動車関連に関しては2014年4月からの取得税軽減、2015年10月からの消費税10%に伴い取得税の廃止が決定しました。しかし、この税収の穴を埋めるために軽自動車の保有税の大幅アップに加え二輪車の保有税のアップもほぼ決定しています。そして保有期間の長い、古い、環境負荷の大きいとされるものには付加的な税額を課す、更に燃費見合いの保有税の新体系も議論されており、結局は自動車関連税収は現在よりも多くなることが予想されています。
なぜ、自動車関連の減収は自動車関連でこれをカバーしなければならないと考えるのでしょうか。ただでさえ複雑で、重税感の強い自動車関連税体系を他の先進国並みに単純化し、軽減することを考えないのでしょうか。特に古い、即ち環境負荷の高いと言う発想には殆ど納得できません。なぜなら古い車を大切に長く使うことは資源の有効活用をしていることになり、頻繁に車を買い替えるより商品のライフサイクルから見た環境負荷(LCA)、つまりトータルとしての環境負荷は低いと考えられるからです。
確かに古い車の排気ガスの排出基準は緩く、燃費も悪くその限りにおいては環境負荷は高いかもしれません。しかしここではLCAの観点から見た環境負荷を見て欲しいと思うのです。ところで、欧州を中心として所謂、ヒストリックカー或いはビンテージカーなどと称される非常に古いしかし、その車が担ってきた文化的、歴史的価値の高いとみなされるものに対しては、大きな優遇税制が適用されるのはほぼ常識となっています。
特に英国やドイツなどでは古い車を大切に保存して、例えば年数回のパレードやサーキットイベントに出場させてその歴史的、文化的価値を長く保つことは一つの意義ある文化活動として認識されています。もちろんこうした車は日常の足として使用すると言うよりはその保存自体が大きな意味を持ち、それ故安い保有税が適用される代わりに極めて低い年間走行距離しか認められていません。
私は日本の自動車文化を涵養するためにも、是非同様の特別税制を認めて欲しいと思っています。例えばそれを希望する向きには生産から40年を経過した車に対しては年間の走行距離を例えば3000Km以下に制限する代わりにほぼ無税で保有し続けられる等という制度です。日本も戦後独自の自動車生産を始めてほぼ60年の歴史を育んできました。その中には歴史的、文化的に大きな意味を持った車や、二輪車も数多く登場しました。これらを文化的な工業遺産として後世に伝えるためにも、愛情を以てこれらをメインテナンスし、保有し続けられるためにも是非、政府には特段の配慮を求めたいと思います。
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