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今年1月にそれまで残価設定型のローンを使って使用していた日産エクストレイル20GTのローン期間が満了したため次の車を探していました。エクストレイルは日本市場ではパジェロに次ぐポスト新長期規制をクリアした所謂クリーンディーゼルを搭載したモデルでした。AT仕様だったためかディーゼル特有の低回転でのトルク感はそれほどではありませんでしたが、ストローク感のあるサスペンションのもたらす乗り心地や簡素な内装は道具感が際立っており、フルモデルチェンジした後にどうしてディーゼルモデルを残さなかったのか残念です。(旧型ボディでの生産は継続してはいますが)
という訳で日常生活の足に加えて成田空港近くの圏央道沿いにあるセカンドハウスへのクルーザーとしての役割を担ってくれる後継車を探していました。発売以来大好評を博しているマツダアテンザのディーゼルワゴンと8月に大規模リコールを終えて販売を再開した三菱のアウトランダーPHEVを予算に収まる候補としてピックアップしました。日本で実質的に量販されるレンジエクステンダー付きのEVというコンセプトに大きな技術的な興味をひかれたことと、たまたま私が社会人としての第一歩を踏み出した勤務先が三菱系の会社でそこで当時三菱車の輸出業務を担当していたことから、かつての同僚にコンタクトを取った所、熱心に勧められたことで結局アウトランダーPHEVに決定しました。
近くの三菱販社に赴き話を切り出したところ、契約時期が昨年11月ではその時点ではかなりの予約注文がたまっており、生産はうまくすれば12月生産に入るが納車は1月にずれ込むということでエクストレイルの期間満了には間に合わない可能性が高いと知らされました。とは言ってもアテンザに戻る気にもならず、間に合わなければ代車提供を受けらける条件で、契約しました。補助金を受けられる条件の5年保有をクリアするため、今回は5年満期の残価設定ローンを組みました。この時点で提示された5年後の残価が新車価格の40%とかなり良い条件でもあったためです。
当然EVなので取得税、重量税は免税、更に東京都の措置で5年間の自動車税も免除という条件に加えて、最大35万円の補助金も交付されるということで実質的な総コストはかなり安く抑えることができました。しかし本体価格の値引きは一切なくオプションが多少値引きになる程度で三菱としては相当に強気な商売という印象ではありました。しかし一方では35万円の補助金を受けるためには車両本体の値引きは受けるべきではなく、これで大体計算が合うことになりました。
オプションは急速充電コンセントと100Vの外部機器使用が可能となる外部電源は当然として、三菱自慢の延長保証、ボディーコーティング、パーキングセンサーに加え家内の希望でアルミ調パネルに代えてピアノブラックのパネルを追加しました。
契約時に懸念したとおり生産は12月23日に組み込まれましたが、主にその後の内航船(名古屋ー東京間)スケジュールが合わないという理由のため結局納車は1月中旬までずれ込むこととなりました。ここで約1週間余りタイ生産のミラージュを代車として使う事となりましたが、これもまたそれなりに使い勝手の良い車でアイドルストップのちょっとした違和感を除けば日常の足としては充分ではないかとの感を持ちました。もちろんゴルフにある、揺るぎない剛性感やアクアの高い燃費性能は望めませんが車に多くを求めない層にはもっと浸透しても良い車ではないかとの思いを持ったモデルでした。
アウトランダーPHEV納車から早1ヶ月弱となりますがその間に、実に多くの事を学ぶことができました。印象の第一は前後に配したツインモーターが駆動する4輪駆動のレスポンスの良いことです。プロペラシャフトやビスカスカップリングを介さない駆動系は電気モーターならではの細かい4輪の独立制御と相まって異次元のレスポンス感を提供してくれます。また、内燃機関がコンディションによっては駆動を補助するパラレルハイブリッド的な側面も組み込まれた設計のためか純粋EVである日産リーフのような超ダイレクトな駆動レスポンスは得られないものの、それでもEVらしい良好なダイレクト感を味わうことができるのもこの車の美点です。勿論重量物である駆動用の二次電池が床下に設えられているEVの利点である低重心からくるステアリングレスポンスもSUVとしては異次元のものです。
一方、やはりEVとしての弱点もやはり完全には克服できていないと思うこともままあります。内燃機関をレンジエクステンダーとして使用しており純粋のEVのように常に電池の残量を気にして走るという精神的な圧迫感はないもののやはりこの車の本領であるEVの走行距離がフル充電をしても実質的には40Km程度でしかないのはやはりちょっと物足りない感じがします。もちろん回生電力をフル利用すべく回生段階を最大にしても(このPHEVには回生のかかり具合を調整できる機構がありステアリングパドルでこれをコントロールできる)充電残量がみるみる減って行くのを見るとちょっとがっかりします。
ただ、寒さの厳しい現在シートヒーターだけでは寒さを凌げず暖房を駆動すると自動的にエンジンが起動するのでその際にセーブモードとチャージモードをオンにするとエンジン駆動の発電機はなかなか優秀と見えてかなりのスピードで充電量の回復を見せるのは救いです。
先週末に続き今週末も降雪に見舞われた首都圏で、この車の持つSUVの持つ本来的な優秀さを見せてくれたのは嬉しい経験でした。雪道の運転をあまり苦手としない私でも夏タイヤのままで高めの車高を利しての走破性は絶大な安心感をもたらしてくれます。もちろんS-AWCを始めとした駆動系の電子制御機構がうまく設えられていることも大きな理由なのでしょう。
納車1ヶ月で約1000Kmを走った印象は総じて好印象です。三菱自動車はあのリコール隠し以来、三菱グループに全面的にサポートされ漸く優先株の処理も済んで約10年かけて企業としての再スタートの準備が整いつつあります。とは言っても現在の商品ラインアップ、ブランドイメージ、OEM供給モデルの多さなど少なくとも国内市場ではライバルに比べて多くのハンディを抱えているように思います。更に年産150万台余りの規模ではメーカーとして将来のサバイバル競争に勝ち残って行くのは難しいでしょう。
しかしこのアウトランダーPHEV のような特色あるモデルを本当の意味での企業再生の嚆矢して、今後この路線を量、質共に充実させて行けば力強い再生も大いに可能だと思います。その意味で昨年の東京モーターショーに参考出品されていたモデルが何れもPHEV、または電動化を強く意識したものであったことは心強い動きです。就任以来9年を迎える三菱商事出身の現社長も交代を決め、プロダクト畑出身の新社長が新たな三菱自工の舵取りをして行くことも発表されました。世の趨勢として車の電動化、特にレンジエクステンダーを搭載したEVは完全EV社会へ移行するまでの間のつなぎとして今後一時的ではあったも大きく成長する可能性を持っています。その意味でこの路線にいち早く歩を進めた三菱に大いに期待するものです。
ただ、レクサスを除いて日本メーカーの国内市場向けのマーケティング活動が殆ど行われていないのは、三菱とて例外ではなく、ショールームの余りのチープさ、展示車の色気のなさなどこの点ではやるべきことが沢山あるように思います。特にPHEVのように充電などオーナーが購入後も販売店を訪問する機会の多い車では労せずしてオーナー達をショールームに立ち寄らせることができるのだから、少なくとも彼らに対するコミュニケーション活動やカスタマーリレーション活動など様々な活動が開拓可能になるはずです。一人の三菱車オーナーとして三菱の取り扱い商品に匹敵するマーケティング活動を強く期待します。
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2014年02月15日
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