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小林啓孝『MBAビジネス金融工学 デリバティブとリアル・オプション』


はじめに

日本で市販されているリアルオプションに関する本の中に
価格が手頃で、なおかつ日本語で書かれている良書は少ないようです。
訳書などは1万円近くするものもあります。
この分野の本は、日本語ではあまり読まれていないのでしょう。

そして、残念なことに、
日本語で書かかれた本の多くが良書とは言いがいたいです。
リアルオプションの説明は定性的です。
数式を使うことなく説明を続けていきます。
しかし、それでは金融工学をきちんと理解することは難しいと思います。

そんな中で見つけたのがこの本です。
その前にリアルオプションとは何でしょうか?

どのような問題を取り扱うのか

TO社ではある新規プロジェクトを考えている。

<プロジェクト概要>
初期費用 6000万円(設備投資)
初年度期待収益 3600万円
2年度期待収益 3200万円
資本コスト 10%
ボラティリティ 30%
リスクフリーレート 4%

また、初年度の市場の動きいかんでは初年度末に増産や撤退することを視野に入れている。
初年度末で撤退する場合、
設備の売却価値は2400万円と見積もられている。
初年度末で増産する場合、
追加的に初年度末に1000万円の設備投資が必要で、
2年度末の追加的な期待収益は2000万円である。

当プロジェクトの価値はいくらだろうか?

リアルオプションではこのような問題を取り扱います。

感想

この本の説明は非常に丁寧です。
基本的な説明が省かれることも、説明の途中で論理が飛躍することもありません。
高校レベルの数学の力があれば、読み進めていけるように書かれています。
特に、付録を使って必要な数学の知識を補ってくれます。
おそらく、筆者は学部生がこの本を読むことを想定しているのでしょう。

間違いなく良書の部類に属する本だと思います。

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