中小企業診断士・FPの軌跡

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事業承継

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第15回は、民法特例の合意書の記載事項と必要手続です。
 
(1)民法特例の合意書の記載事項
<必ず記載しなければならない事項>
①合意が会社の経営の承継の円滑化を図ることを目的とすること
 
②後継者が経営者からの贈与により取得した自己株式について
・遺留分算定の基礎財産から除外する旨
・遺留分算定の基礎財産に算入すべき額を固定する旨
 
③次の場合に非後継者がとり得る措置
・後継者が②の合意の対象とした自社株式を処分した場合
・後継者が経営者の生存中に代表者を退任した場合
<具体例>
・非後継者は、合意を解除することができる。
・非後継者は、後継者に対し、対象株式を他に処分して得た金銭の一定割合に相当する額を支払うよう請求することができる。
・非後継者は、後継者に対し、一定の違約金、制裁金を請求することができる。
 
<必要に応じて記載する事項>
④後継者が経営者からの贈与等により取得した自社株式以外の財産(事業用資産)を遺留分算定の基礎財産から除外する旨
 
推定相続人間の衡平を図るための措置
<具体例>
・後継者は、非後継者に対し、一定額の金銭を支払う。
・後継者は、先代経営者に疾病が生じたときの医療費を負担する。
 
非後継者が経営者からの贈与等により取得した財産を遺留分算定の基礎財産から除外する旨
<具体例>
・非後継者が経営者からの贈与により取得した現預金や自宅不動産について遺留分算定の基礎財産から除外する。
 
(2)手続き
この民法特例に係る合意が効力を生じるには、
①これらの合意をしてから1ヶ月以内に、経済産業大臣の確認を申請しなければなりません。
②経済産業大臣の確認を受けてから1ヶ月以内に、家庭裁判所の許可の申立てをする必要があります。
 
実際の合意のときは、資産の内容や遺留分権利者の人数などの状況に十分配慮しながら、当事者間で話しあってまとめることが肝心です。
 
民法特例のための合意書の作成やその後の手続については、法律的な専門知識が必要となりますので、事業承継の専門家とよく相談しましょう。
 
(引用:中小企業事業承継ハンドブック)
 
以上、3回に渡り、民法特例について紹介しました。
 
事業承継対策の本質は、「生前の遺産分割協議」とも言えましょう。
生前に身内の間で「争族」にならないためにも、必要な知識を習得し、
事業承継の専門家を活用するなどして、慎重に進めることをおすすめします。
第14回は、民法特例を利用するための要件です。
 
経営承継円滑化法の民法特例を利用するための要件は、以下のとおりです。
 
(1)会社
民法特例を受けるためには、中小企業(※)であることが必要であり、
3年以上継続して事業を行っている非上場会社である必要があります。
(※中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第二条)
(※中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行令)
参照URL:中小企業庁ホームページ
 
(2)先代経営者
民法特例を受ける先代経営者は、
過去又は現在において、会社の代表者である必要があります。
また、先代経営者の推定相続人のうち、少なくとも一人に対して会社の株式を贈与していなければなりません。
 
(3)後継者
民法特例を受ける後継者は、
先代経営者の推定相続人であり、現在において、会社の代表者である必要があります。
また、先代経営者からの贈与により株式を取得して、会社の議決権の過半数を保有する必要があります。
 
また、合意をする際には、(4)合意の必要条件も満たす必要があります。
(4)合意の必要条件
民法特例に係る合意をする際には以下の条件をクリアしている必要があります。
当事者(先代経営者の遺留分を有する推定相続人)の合意
②合意の対象となる株式を除くと、後継者が議決権の過半数を確保することができないこと
③以下の場合に非後継者がとることができる措置の定めがあること
  ・後継者が合意対象の株式等を処分した場合
  ・先代経営者生存中に後継者が代表者でなくなった場合
 
(引用:中小企業事業承継ハンドブック)
 
以上のように、民法特例を適用するための各々要件がありますので、
計画的に、事業承継を進めていく必要があります。
 
次回は、民法特例の合意書の記載事項や、手続を記載します。
今回は、経営承継円滑化法の民法特例の内容です。
 
経営承継円滑化法の民法特例には、後継者を含む経営者の推定相続人全員の合意により、

経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、「除外特例」と「固定特例」があります。


(1)除外特例(=除外合意)
後継者と非後継者は、後継者が経営者から生前贈与等によって取得した自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入しない、という合意をすることができます。
 
この合意の対象とした自社株式については、遺留分減殺の対象から外れますので、相続に伴う株式分散を防止することが期待できます。
 
(2)固定特例(=固定合意)
後継者と非後継者は、後継者が経営者から生前贈与等によって取得した自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入する価額を合意時点の価額とすることを合意することができます。
 
これにより、後継者は、将来の価値上昇による遺留分の増大を心配することなく経営に専念することが可能となります。なお、合意する株式の価額は、その適正さを裏付けるために「合意の時における相当な価額」であることについて、弁護士、公認会計士、税理士の証明が必要となっています。
 
(3)その他
上記の除外特例又は固定特例に関する合意をする際には、非後継者が経営者からの生前贈与等によって取得した財産についても、遺留分算定の基礎財産に算入しないという合意をすることができます。これを活用して、後継者と非後継者の間のバランスをとって、相互に納得できる内容となるよう工夫をすることが重要です。
 
<除外特例と固定特例の関係>
除外特例と固定特例は、選択適用の関係にはなく、一部の自社株式を除外特例の対象とし、残りを固定特例の対象とするなど、併用することも可能であり、状況に合わせて色々な使い方ができます。
 
(引用:中小企業事業承継ハンドブック)


以上のように、事業承継を円滑に行うにあたって便利な特例ですので、上手く有効活用したいものです。
次回は、民法特例を利用するための主な要件を説明します。
今回は、遺留分による紛争や自社株式・事業用資産の分散を防止する方法です。
 
遺留分による紛争や自社株式・事業用資産の分散を防止する方法は、大きく以下の2点です。

(1)遺留分の事前放棄
後継者以外の相続人(非後継者)が経営者の生前に遺留分を放棄します。
<問題点>
・非後継者が家庭裁判所に申立てをして許可を受けなければならず、
 放棄のメリットのない非後継者にとっては大きな負担→非後継者の了解を得るのが難しい点
・家庭裁判所の審理は個々の申立てごとに行われるので、非後継者が複数いる場合には、
 その許可・不許可の判断がバラバラになる可能性→分散防止対策として不十分、かつ、不公平な点
 
(2)経営承継円滑化法の民法特例の活用(概要)
経営承継円滑化法(平成20年5月9日成立)の民法特例を活用します。
①除外特例
 経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、
 →遺留分算定基礎財産から除外することができます。
②固定特例
 経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、
 →基礎財産に算入する際の価額を固定することができます。
<留意点>
・除外合意も固定合意も後継者を含む現経営者の推定相続人全員の合意を前提とします。
・経済産業大臣の確認が必要です。
・家庭裁判所の許可が必要です。
・メリットを享受する後継者が単独で行うことができ、非後継者の手続的な負担が大きく軽減
 →遺留分の放棄に比べて非後継者の了解を得られ易い

(補足)
・平成21年度税制改正において、非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度が創設されました。
しかし、民法特例の制度と非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度には直接の関係はなく、
民法特例の制度を利用したからといって、必ず適用されるものではありません。
 
(引用:中小企業事業承継ハンドブック)

以上のように、経営承継円滑化法の民法特例の活用は、経営者の生前に円滑な事業承継を完了させるため、
有用な手段であり、次回以降でも、改めて詳細内容を説明していきます。
今回は、遺留分とは何か?です。
 
<定義>
遺留分は、
遺族の生活の安定や最低限度の相続人間の平等を確保するために、
民法上、相続人(兄弟姉妹を除く)に保障されている最低限相続できる権利です。
 
<遺留分減殺請求権>
遺留分が侵害された場合、例えば、
被相続人からの生前贈与や遺言などによって、他の人が過大な財産を取得したために、
自分の取得分が遺留分より少なくなってしまった場合には、
その人(遺留分権利者)が贈与された財産などを取り戻すことができます。

(1)遺留分の計算方法
①遺産+②相続前1年以内になされた贈与+③特別受益−④負債=⑤遺留分算定の「基礎財産」
 
⑤遺留分算定の「基礎財産」×遺留分比率(原則1/2・直系尊属のみが相続人の場合1/3)=⑥遺留分の総額
 
⑥遺留分の総額×個々の相続人の法定相続分=⑦個々の相続人の遺留分
 
※特別受益とは、相続人が被相続人から、婚姻や養子縁組のため、あるいは生計の資本として
  生前に受けた贈与などです。(=相続の前渡し分)

(2)自社株式などの後継者への集中と遺留分
①中小企業経営者の個人資産
 中小企業の経営者の場合、その個人資産の大部分が自社株式や事業用資産です。
 
②後継者へ集中して承継する場合の注意点
 相続人が複数いる場合、経営者が遺言や生前贈与によって後継者に自社株式や事業用資産を
 集中して承継させようとすると、他の相続人の遺留分を侵害してしまう可能性があります。
 
③もし、後継者への承継を強行した場合
 それでも強行しようとすると、遺留分を侵害された相続人から遺留分の減殺請求を受けて、
 相続紛争の原因となったり、結果として、自社株式や事業用資産が分散してしまうので、
 事業承継にとっては大きなマイナスとなります。

(3)生前贈与された自社株式の評価
①贈与の時期
 経営者から後継者に自社株式が生前贈与された場合、何年前になされたものであっても「特別受益」として
 遺留分算定の基礎財産に加えられます。
 
②基礎財産に加えられる金額
  その基礎財産に加えられる金額は、贈与された時点(贈与時の時価)ではなく、
 経営者の相続開始時点での評価(相続時の時価)によります。
 従って、例えば、贈与を受けてから相続開始時までの間に
 評価額が上昇していれば、上昇後の評価額が贈与を受けた額となって基礎財産に算入されるのです。
 
③問題点
 しかも、その評価額の上昇について、贈与を受けた後継者の貢献があったとしても考慮されません。
 このため、自社株式の贈与を受けた後、後継者が経営に尽力して会社の価値を上昇させればさせるほど、
 他の相続人の遺留分の額を増加させる、というジレンマに陥ることとなり、会社経営に対する後継者の意欲
 を削いでしまうおそれがあります。

遺留分は、事業承継を考える上で重要な問題であり、相続の問題だけでなく、遺留分も含めて
しっかり対策を講じておくことが円滑な事業承継の鍵となります。
 
(引用:中小企業事業承継ハンドブック)

事業承継により起こりうる問題点についてでしたが、
次回より、遺留分による紛争や自社株式・事業用資産の分散を防止する方法を掲載します。

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