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DALIのスピーカーを聴く〜その1 MENUET
手に入れたのは上のロッソ。
このほかにウォルナット、ブラックがある。
通常偶数のユニットの取り付けボルトが奇数になっているのは
負荷を分散して歪みを制御するためのDALIのこだわりだ。
「この演奏のサビの部分をもう少し明瞭に抜け切った高音で鳴らしたい」あるいは「もっと熱いパッションのほとばしりを!」などという欲求が、他の機器に目を向ける動機になるというのは、オーディオ好きに共通の困った(だけどちょっと嬉しい)習性だ。 かつてアナログディスクだけの時代には、カートリッジが比較的お手頃な投資でそうした欲求に応えてくれたものである。 CDが音源の主流になると、再生音の底上げが実現される一方で聴き手が音の変化に関与できる領域がぐっと狭くなり、オーディオの面白さを半減させたのは皮肉なことだ。オーディオ人口の減少はここから始まることになる。
私自身も一時期オーディオを離れ、たまに好きな音楽を流すだけの日常を送っていた。ところが、2000年代に入ると「リーズナブルで高音質の小型スピーカー」が海外からどっと流れ込んできた。
聴くだけのオーディオから、システムの音づくりに関与できるオーディオに復帰できそうだと感じたのはその頃である。ツールがカートリッジからスピーカーに変わったために、保管スペースが必要になったのは大いに困ったが。
自室にセットしたいくつかの製品を聴いてみるとメーカーごとの音の肌合いというのは確かにあって、CDの同じ個所が別物のように聴こえることも珍しくない。はじめにこちらのスピーカーで聴いたら、このCDをこんなに良いと思わなかったろうな、というケースだっていくつもある。
大型スピーカーを朗々と響かせる・・・というのは一つの究極であるが、一般の家庭ではなかなか実現し難いので、そちらはイベントやメーカー試聴室でのお楽しみとして、自宅では小型スピーカーならではの音場感や繊細な細部の表現の違いを楽しむことに主眼を置いてきた。
こうしたスタンスで多くのスピーカーを聴いてきたが、気になりながら未聴のメーカーも当然ある。そのひとつがデンマークのDALIである。ネット上には熱烈な支持者が少なくない。そこで、MENUETとIKON2mk2を手に入れて、聴きなれたディスクを鳴らしてみることにした。
まず、幾度ものモデルチェンジを重ねてきた最新のMENUETから。
取説には50時間程度のエージングの目安が書かれていたが、すでにその要件はクリヤしたのでこれがMENUETの音なのだろう。
各種の小型スピーカーを聴いてきて、個人的にはLS3/5Aの高さ30cmを下限と結論づけた。それ以下だとどうしてもチビが無理して鳴っている感じがつきまとうからだ。
MENUETは高さが25cmなので当然候補からはずれるのだが、「一度は聴いてみるべし」と、どこからか聴こえてくる天の声に従うことにした。
体積が4倍近いHLCompactの60Hz〜20kHzを上回る59Hz〜25kHzという周波数特性が誘因のひとつになったことも否定できない。こんな公表スペックはほとんど役に立たないことは承知しているつもりだが、メーカーの自信の表れと読めたのだ。
JBLのControl3よりわずかに大きい程度だが、
小型SP特有のシャカシャカ感はほとんどない。
実際の出音だが、色彩感に満ちた独特の空気感を展開する。高音の粒子がきらめきながら拡散する感じはとくに強く感じられ、部屋中に広がっていく。全体としてかなり演出された表現であると聴いた。「穏やかで品位が高い」という評価の多かったRoyalMenuetとはかなり違う印象。オーディオ的な面白さてんこ盛りで、使いこなしには手こずりそうである。
これはラックスのL-505uXでのインプレであり、L-503sやMFのA1.20SupecialLimitedなど少し前の時代のアンプにつなぐとじゃじゃ馬的な要素は静まるが、ふつうっぽくなって面白さも後退。 505uXにつないだMENUETでは、聴きなれたヴォーカルが第一級のスタイリストの手で撮影用にドレスアップされた女性タレントのようにあでやかに変身して、正直、まだ評価の落としどころに迷っている状態である。 低域に関してはたしかにドスンと来て公表スペックが誇大ではないことがわかるが、中型以上のスピーカーで聴ける質量を伴う重さとは異なるので、ポップス向きか。ジャズやクラシックでは物足りないかもしれない。 到着後そろそろ1ヵ月になるが、もうしばらく聴き込まないと本質がつかみきれないミステリアスなスピーカーだと言わざるを得ない。 その他、使いこなしの注意点として目新しかったのは、①内振りせず、壁面と正対した設置を勧めていること。 ②トーンコントロールは使わないことを推奨していること。の2点である。(いずれも取説に記載がある。)
①に関しては、20畳以上の広いリビングなら隅々まで音で満たすことにつながるだろうが、2m以内の近接リスニングでは少しだけ内振りにした方が(拙宅では15度程度)、定位や音の厚みに関して良好だった。また、②に関しては、小音量であってもトンコン不使用の方が自然なバランスで聴けた。小音量の場合、多くの小型スピーカーでは、低域を補ってはじめて声の太さなどリアリティが出るのだが、MENUETはそのままでそれが聴ける。 小さいのでデスクトップ用に検討したくなるが、むしろ距離のとれる広めの部屋で、大きめ音量で聴いてこそ魅力が発揮されるスピーカーのように感じている。
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メヌエット、良いSPですね。ダリも日本でこれだけ売れるとは思っていなかった様ですが。(^^;)
私もイコン1を使っていましたが、
AUDIXが来るまで二階のメインでした(^^)
[ le8t ]
2017/3/17(金) 午前 9:45
お早うございます。
アンプによって違いが出るというのは、多分、良いことなんでしょうね。内振りを薦めないというのも、ゾクッと来ました^^;。そんな事が書かれている説明書が欲しいくらいです(笑)
[ tom*do*ma*a ]
2017/3/17(金) 午前 10:57
le8tさん
>ダリも日本でこれだけ売れるとは思っていなかった様ですが。(^^;)
たしかに人気スピーカーのひとつですね。
ZensorやLektorなどのエントリー機も、価格帯の主要機種になっているようですし。
>私もイコン1を使っていましたが、
承知しております。当時は、ハイブリッドツィーターがジャズをくっきり描くのだろうなと思っておりました。
Ikon2は、(次回記事にしますが)ひと回り大きくなって低域も充実し、オールラウンドな好スピーカーになりました。(*^-^*)
2017/3/18(土) 午前 2:44
tom*do*ma*aさん
>アンプによって違いが出るというのは
かなり鋭敏なスピーカーのようです。あっさりほめているレポートが多いですが、みなさん鳴らすのがお上手なようです。
>内振りを薦めないというのも、ゾクッと来ました^^;。
これは・・・いかにものコメントですね〜。(笑)
そちらは近接・内振りの牙城ではありませんでしたっけ。(爆)
教科書どおりの正三角形、内振り60度だと妙な音場に吸い込まれそうになります。(*^-^*)
2017/3/18(土) 午前 2:50
こば さん
naimnacnap さん
altum さん
le8t さん
さくどう親父 さん
長谷川平蔵 さん
びーわん さん
tom*do*ma*a さん
だいくみや さん
ルビー さん
kico さん
みなさま、ナイスをありがとうございます。
古めの名機はいちおう卒業で、このところ新しい製品に目を向けております。
いくつか話題の廉価スピーカーをレポートしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2017/3/18(土) 午前 2:56
はじめまして、xb920で検索したらたどり着きました。私は5年前からroyal tower使ってます。内振り10゜です。時間があるとき0゜してみます。^^レポート楽しみにしてます。
[ ran***** ]
2017/3/26(日) 午後 8:50
ran***** さん
コメント、ありがとうございます。
royal towerをお使いとは羨ましい。
心ひかれるスピーカーのひとつです。
ところで、
>xb920で検索したらたどり着きました。
xb920って、いまはソニーのヘッドホンの型番として使い回されているようですね。(笑)
2017/3/27(月) 午前 5:26
> たっちんさん
ヘッドホンの型番とは可哀そうに。
先週XE-900を手に入れたので、色々調べてました。
20年使ってるlhh300bとの聞き比べ楽しいです。
ソニーこの値段で売ってたのかー と。
私の判定CDはアニソンのLiaと言う人です。
towerも、この人のために買い増ししました^^。
[ ran***** ]
2017/3/27(月) 午後 11:44
ran***** さん
>20年使ってるlhh300bとの聞き比べ楽しいです。
lhh300b!!
左側の書庫にある「記事中のオーディオ機器一覧」の通り、私も愛用しているプレーヤーのひとつです。へぇ〜そんな共通項が。
>私の判定CDはアニソンのLiaと言う人です。
アニソンは歌の上手な人が多く、優秀音源も多いみたいですね。(私はよく知りませんが)
その昔、知人の実力派クラシック歌手(女性)が、「銀河鉄道999」の挿入歌を依頼され、彼女の歌が流れるシーンを複雑な思いで眺めたことがあります。
>towerも、この人のために買い増ししました^^。
素敵なこだわりです。Liaさんの透明感のある歌声はDALIにマッチしそうですね。(*^-^*)
2017/3/28(火) 午前 1:13
私もアナログのカートリッジ交換ってこんな気分なんだろうと思いながら小型スピーカーを色々替えて聴いていますが、大きなカートリッジ、かさばるんですよね。(^^)
[ fe1***** ]
2017/4/16(日) 午後 4:21
fe1***** さん
>私もアナログのカートリッジ交換ってこんな気分
>なんだろうと思いながら
ということは、実際のアナログは経験されていない世代で、fe1***** さんはお若いということですね。
いろいろなスピーカーを聴こうとする方は、聴き比べの目的を「どちらが良いか」より「どう違うか」におき、その違いを味わう、さらには聴き分けられる自分の耳を確認する・・・と、そんなところがあるように思うのですが、違いますか。(*^-^*)
2017/4/17(月) 午前 9:45
ダリのメヌエットで検索したら、この記事に吸い込まれました。(笑)
たっちんさんのベタ褒めで、気持ちがかなり揺らいでます。
[ みどっち ]
2018/4/27(金) 午前 9:55
みどっちさん
コメント、どうもです。
ベタ褒めというより、まだメヌエットに振り回されている記事ですが。(^^;
その後、部屋のリニューアルに伴い機材を大整理しました。ダリはIKON2mk2かMENUETかどちらかを残す決断を迫られ、音の総合点では劣るもののミステリアスな魅力を秘めたMENUETを残して、大化けを目指しています。
>気持ちがかなり揺らいでます。
とは、購入を検討されているということでしょうか。たくさん売れたけれど使いこなしが簡単ではないので放出も多く、新品同様の中古品も豊富なようです。上手に手に入れられれば、いろいろと楽しませてくれる個性派スピーカーではないかと思います。(*^-^*)
2018/4/28(土) 午後 0:59
お店でメヌエットとオプティコン1.2とルビコンとセンソール聴きました。メヌエットが一番明確で解像度が高く感じました。
[ こうき ]
2018/11/5(月) 午後 8:00
書き忘れでした。エラック263も聴いて良かったのですが、コスパの良いメヌエットを買います。
[ こうき ]
2018/11/5(月) 午後 8:03
こうきさん
コメントありがとうございます。
>メヌエットが一番明確で解像度が高く感じました。
私も穏やかではなくきらめくような解像度を感じます。そのため、優等生のIKON2mk2の方を処分しました。
メヌエットはじゃじゃ馬ですが、使いこなし次第で素晴らしいパフォーマンスを発揮することと思います。(*^-^*)
2018/11/7(水) 午前 2:54
たっちんさん。おはようございます。
はじめまして😊
楽しく記事を拝見させていただきました。
以前、zensor1をしばらく使っていましたが煌びやかな音の世界に感動しました。聴いていて疲れない高域が素晴らしかったです。メヌエットとは格がだいぶ違いますが今まで聴いたことが無い音でした。
メヌエット大切になさって下さいね👌
[ takezo~ ]
2018/12/9(日) 午前 6:21