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マントヴァーニ大好き、イタリアの甘く流麗な旋律大好きな私には、好きの二乗で、極め付きの愛聴盤。このレコードをかけると、たちまち真っ青に抜けるイタリアン・ブルーの空が浮かんでくるのです。
イージーリスニングというのが音楽の分け方の1つになってからどれくらい経つのでしょうか。それ以前は、ムードミュージックなどと言っていたようでした。
“イージー”とか“ムード”とかには、ひとこと文句をつけたくなりますが、呼び方はともかく、構えずに聴ける心地良い音楽というジャンル分けはアリだろうな、と思います。
FMの名番組「ジェットストリーム」は、そうした音楽の宝庫でした。ポール・モーリアにレーモン・ルフェーブル。これらの先駆ともいえるのがマントヴァーニです。
「シャルメーヌ」という、エレガントで美しい代表曲を持ち、その弦のうねりと重なりが滝が流れ落ちる様を連想させることから「カスケーティング・ストリングス」などと呼ばれています。(こちらの話題はオーディオの書庫でのちほど)
イタリアにルーツを持つ彼が、いわゆるムードミュージックと一線を画して、故郷への郷愁を1枚のアルバムにまとめたのがこの「ITALIA MIA」(私のイタリア)です。
美しい弦のアレンジはいつものマントヴァーニですが、弦をいくつかのグループにして、少しずつズラシながら音を重ねていく「カスケーティング」の手法は控え目で、マンドリンなどを入れながら、シンプルに演奏しています。
「帰れソレントへ」「カタリ」など、おなじみのナポリ民謡に加え、オペラの名アリア「誰も寝てはならぬ」も収録されています。イタリア人にしか書けない名旋律で素晴らしいのですが、トリノ・オリンピック以来、荒川静香さんの“イナバウワー!”という、キメの映像がダブるようになってしまったのには困りました。(笑)
左側のジャケットの端がボロボロになったのが、1961年ステレオ最初期に発売されたLPです。そして、ずっとずっと探し続けて、先日ようやく手に入れたのが、右下のCD。10年以上探して、あきらめていたのですが、これは2003年に出ていたのでした。最近の発達した通販状況のおかげで、ようやくめぐり合えたわけです。
LPは、マントヴァーニの活動の本拠地アメリカ・デッカから版権を買って日本のレコード会社がプレスしたものですが、今回のCDは、ドイツプレスのメイドイン・オーストリア、発売はイギリスというEU連合の商品です。さすがはEU、デジタル・リマスターの技術担当者、製作スタジオ(ラボ)などが明記されていて、クラシック並。いかにも信頼できるという印象で、実際の音も荒れのない緻密なものでした。
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