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クリスチーヌ、あるいはクリスチーネ。欧米には、少なくない名前で、個人的にはなんとなく深窓の令嬢的なイメージが重なりますねぇ。中学時代に読んだゲーテとかシュトルムなどドイツの青春小説に登場していたせいかもしれません。
今日は、そんな名前にまつわる女優さんのお話です。
その映画を見たのは私が10歳くらいのころ。叔母に連れられて、市内にある洋画専門の映画館に行きました。映画に登場したヒロインがあまりに可愛いので、いや、10歳の坊主の目ですから、“きれい”とか“素敵”という表現の方が適当なのかもしれませんが、ともかく、クラスメートにこんな娘はいないと(あたりまえダ!!)強い印象を受けました。名前を覚えたくて帰り際にウィンドウに飾られているスチール写真を見直して、「クリスチーネ・○○○」であることを頭に入れました。
映画のタイトルは『恋愛候補生』で、主役はパット・ブーン。映画の挿入歌「アイル・リメンバー・トゥナイト」は、彼のアルバムにも納められそこそこ知られるようになりました。しかし、女優さんに関してはわからないまま。今とちがってWeb検索などありませんから、こういうことを調べるのも簡単ではなかったのです。
その後、書店などで外国女優名鑑のたぐいを目にするたびに「クリスチーネ」で調べてみるのですが、それらしい人は見当たりません。 時は流れて、高校生になると「クリスチーネ・カウフマンは、可愛いよな〜」などと、映画通を気取るクラスメイトがちらほら登場します。なに?クリスチーネ!!
そいつの持ってきた雑誌の切抜きを見ると、なるほど清純可憐な少女が。「ポンペイ最後の日」で注目された美しい女優さんです。 一時期は、そうかもしれないと思ったものの、イメージが完全には重なりません。カウフマン嬢が名鑑などに載り、出演作品が紹介されるようになると、すぐに別人であることが明らかになりました。
結局、その女優さんが誰なのかが謎のまま、数十年が経過しました。ビデオの時代を通して、さらにはDVDが発売されるようになってからも『恋愛候補生』が発売されることはありませんでした。オークションで映像作品を時々検索してみるものの、ヒットなし。発売がないのですから出品などされるはずもありませんが、もしや海外ものが、という期待も捨てきれなかったのです。
ところが、先月のこと、ヤフオクを散策中、オーディオ機器の検索にも飽きたので、いつものように惰性で『恋愛候補生』を打ち込むと・・・・なんと、映画のパンフレットがヒットしたのです。それが、冒頭の写真にある、色あせた印刷物です。もちろん、速攻で手に入れました。こんなレアなものにライバルがいるはずもなく、あっさり落札。届いてみると、紙はすっかり黄ばみ、まさにタイムトンネルをくぐってきたアイテムそのもので、そこには「総天然色」という時代を感じさせる文字が(笑)。
表紙に若い女性が映っています。これが、幻のクリスチーネ嬢というわけです。うーむ、印象ではもっときれいなはずだったんですが、10歳では審美眼も育っていなかったのか。少なくとも、私の好みからは少しはずれるタイプです。しかし、ずっと霧の中にかすんでいた名前が「クリスチーネ・カレル」であることが、ようやくわかりました。50年ぶりに胸のつかえが降りた思いです。
少し冷静になってからネット上で彼女の画像をチェックすると、無名の女優さんというわけではなく、よく知られた映画への出演もある方でした。きっと、スクリーンの中で動く姿は魅力にあふれ、少年だった私の心をとらえたに違いありません。その証拠に、下の写真の彼女は十分美しいです。
こうして、小さな、しかし私にとっては大きな疑問が半世紀ぶりに解けたことになります。クリスチーネとは誰だったのかということにこだわり続け、「もういいや」と、疑問を放棄しなかったからこその検索ヒット。あきらめない、ということは何らかの結果につながるという真理を確認したように思える結末でした。
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