平成22年10月28日(木)BS ☆2.5 2003年 監督:ドゥニ・アルカン 出演:レミ・ジラール、ステファン・ルソー、マリー=ジョゼ・クローズ、マリナ・ハンズ、ドロテ・ベリマン、ジョアンヌ=マリー・トランブレイ ロンドンで証券マンとして働くセバスチャンは、父親、レミの病気を知り、カナダに帰国する。女好きで身勝手なレミを反面教師として育ったセバスチャンだが、母に頼まれ、レミの幸せな最期を演出することに。頑固で憎まれ口ばかり叩くレミだが、世界中から集まった友人たちに会い、笑顔を取り戻す。痛みを和らげるため、医者に秘密でヘロイン治療を始めたレミだが、病状は次第に悪化し、セバスチャンは、レミを湖畔の別荘に移すことに。そして遂に、別れの時がやってきた・・・。(あらすじはgoo映画より) 2003年のアカデミー外国語映画賞、カンヌ脚本賞・女優賞(マリ=ジョゼ・クローズ)などを獲得している作品である。Jさんのブログのレビューで一筋縄ではいかない映画だと紹介されてあった。末期ガンの父親を家族や友人たちが集まって励まし温かく見送るという物語。好きな場所で親しい人たちに看取られながらの安楽死。そういった死への向き合い方をテーマにしているし、「みなさん、さようなら」というほのぼのとした邦題からは、感動のヒューマンドラマといった印象を持つ。 ところが、なるほど一筋縄ではいかないのである。末期ガンのレミは女癖の悪くわがまま放題の社会主義崇拝者。家族をさんざん泣かせてきた人間的に尊敬できないようなへ理屈ばかりの嫌なオヤジである。そんな父親と考え方は異なり、お金でなんでも解決しようとする合理主義の息子のセバスチャン。集まってくる友人や愛人たちもクセのある者ばかり。 セバスチャンは病院を買収して個室を改造したり、鎮痛のためにヘロインを入手したり、日本の感覚ではあり得ない行動を次から次へと実行する。父親への愛情があるのかないのかよく分からない。父親のレミもそんな息子の行動を、文句をつけながらも受け入れる。これまで好き放題に生きてきた老人が、死に瀕してたったひとつやり残したことは息子との和解だった。しかし、下品なジョークとブラックで皮肉たっぷりのエピソードを絡めながら、父親と息子との距離感が終始不明なまま映画は進んでいくのである。 お金さえあれば安楽死は手に入るのか。親孝行の形とは何なのか。いろんなメッセージを込めているのだろうが、少し捻くり過ぎ。父親と息子との関係の対比が少々不鮮明である。セバスチャンの妹は遠洋をヨットで冒険旅行中。時折ビデオメッセージをパソコンを通じて送ってくる映像と、文句も言わず父親に尽くす母親の姿が救いだった。それでも、ラストは静かにほのぼの収束する。ヘロイン中毒の娘も更生させてしまう。 ここまで捻くるのなら、ラストもシニカルさを貫いた方がよかったかも。全般的にはいい映画だとは思うが、バランスの悪さは否めない。これが現代的なやや斜めからみた「死」への向き合い方なのだろうか。そういう点で考えさせられる作品だったということは間違いない。
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かなり感動しました。
「お前と同じ息子をつくれ」と言って息子と抱き合うシーンはグッときましたねー、参りました。
ヘロインの意味が医療と麻薬が同列になっている現実も意味深です。
なかなか深い映画ですね。
2010/11/3(水) 午後 3:57 [ dalichoko ]
そんな捻った話だとは思ってもいず
完全にスルーでした
逆に観たいです(笑)
2010/11/3(水) 午後 5:01 [ HK ]
セバスチャンの行動は倉本聰の脚本で似たようなのがあったかも・・・・
2010/11/3(水) 午後 5:23 [ esu**i123 ]
マイページに表示されていたヒッチさんの更新記事のタイトルを見てビビリましたよ!いきなりさよならって・・・映画のタイトルだったとは参りました(^_^;
2010/11/3(水) 午後 6:11 [ てんなん ]
↑てんなんさんと同感です。
最初表示されたタイトルだけ見た時は、「えっ!」と思いました。
一昨日は、同じ記事に、作品に対すると言うより、
映画そのものに対するコメントを再び書き込んで頂いていましたので
余計に、「不安」を感じてしまったのでした。
でも、この言葉、「映画のタイトルだったような…」と思い直して
訪問して、やはりそうでしたので、安心しました。
状況設定を読むと、見てみたいなと言う気持ちになります。
現代的に捉えた「死」。アンバランスな流れの中でも、
触れてみたいです。
2010/11/4(木) 午前 5:31
chokoboさん、ラストのまとめ方はやはりこれしかなかったんでしょうか。レミにとっては幸せな死に方だったはず。息子と和解し、友人に囲まれ、ジャンキー娘を更生させる。意味深長な作品でしたね。
2010/11/4(木) 午前 5:39
HKさん、筋立て自体は極めてシンプルなのですが、主要登場人物の人物像が捻くっている印象でした。人によって好き嫌いが出そうな作品です。
2010/11/4(木) 午前 5:42
esupai123さん、すぐにタイトルが思い出せませんので、その倉本聰のドラマはおそらく未見です。観てみたいですね。
2010/11/4(木) 午前 5:46
てんなんさん、そうなのです。映画のタイトルでした。少々紛らわしいタイトルで大変失礼いたしました(笑)
2010/11/4(木) 午前 5:48
alfmomさん、この映画の原題は「蛮族(未開人・野蛮人)の侵入」ということらしいです。かなり皮肉たっぷりでブラックユーモアにあふれた内容でした。ある意味、日本語タイトルは紛らわしいですね。
2010/11/4(木) 午前 5:57
あの個室はホテル並みですごく豪華でしたよね〜
お金、安楽死、家族の関係など色々描かれていて
見ごたえある作品でした。
すごく昔の記事で申し訳ありませんがTBさせてくださいね。
2010/11/4(木) 午後 2:40
Cartoucheさん、お金にものを言わせた豪華な個室で過ごすのが果たして幸せなのか、友人や愛人たちとの関係、安楽死とは。そんな様々なテーマが込められた作品でした。もう少し素直に描いた方がよかったかもです。TBありがとうございます。
2010/11/5(金) 午前 5:49
すごいなあ〜
ヒッチ殿の文章力には脱帽です。『確かに言えてる』と思いながら読まさせていただきました。
2010/11/11(木) 午前 5:14
かわしりさん、いつもありがとうございます。「死にざま」について考えさせられる映画でした。一筋縄ではいかなかったです。
2010/11/11(木) 午前 5:44