ヒッチさんの映画鑑賞日誌

邦画のベスト1は「二十四の瞳」

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忍びの者
平成23年2月3日(木)BS
☆3.5
1962年
監督:山本薩夫
出演:市川雷蔵、藤村志保、伊藤雄之助、城健三朗、西村晃、岸田今日子、小林勝彦、丹羽又三郎、沢村宗之助、加藤嘉

戦国末期。伊賀の国には高技術を誇る忍者が輩出した。その中に石川村の五右衛門(市川雷蔵)がいた。彼は三太夫(伊藤雄之助)の配下に属する下忍(最下級の忍者)だった。その頃、全国制覇の野望に燃える織田信長(城健三朗)は宗門め掃討を続けた。そんな信長に対し、天台、新言修験僧の流れをくむ忍者の頭領、三太夫は激しい敵意を持ち下忍達に信長暗殺を命じた。一方、三太夫と対立中の藤林長門守も信長暗殺を命令していた。・・・。(あらすじはgoo映画より)


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続・忍びの者
平成23年2月4日(金)BS
☆3.5
1963年
監督:山本薩夫
出演:市川雷蔵、藤村志保、城健三朗、山村聰、東野英治郎、坪内ミキ子、永井智雄、石黒達也、須賀不二男、山本圭

一時は平和な生活を得た五右衛門(市川雷蔵)とマキ(藤村志保)も、信長(城健三朗)の執拗な忍者狩りに追いつめられ愛児を火中に失った。かくて復讐の鬼と化した五右衛門は信長暗殺の期をうかがうべく、マキの故郷の雑賀に身をかくし、土地の郷士鈴木孫一を頭とする反信長の雑賀党に参加し忍者復活を宣言した。そこに服部半蔵(天地茂)が家康(永井智雄)の使者として来て、信長を倒すには秀吉(東野英治郎)に追い越されて焦っている明智光秀(山村聰)を利用することを教えた・・・。(あらすじはgoo映画より)




石川五右衛門が大泥棒でなくて伊賀の忍者百地三太夫の弟子だったという新解釈で描いた村山和義の同名小説を社会派山本薩夫が監督。これまでの荒唐無稽な忍者映画とは異なり反骨精神に満ちたリアルな演出で大ヒットしたという。忍者ブームを引き起こし、全8作も作られることになった市川雷蔵主演の大人気時代劇シリーズ。

雷蔵の時代劇では、「眠狂四郎シリーズ」や「大菩薩峠シリーズ」と並んで、当時の大映のドル箱シリーズである。今回見たのはその1作目と2作目で、どちらも山本監督の手によるもの。主人公は石川五右衛門。4作目からは主人公が霧隠才蔵に変わるが主役が雷蔵なのは変わらない。

さて、火薬をふんだんに使い多彩なアクションシーンを織り交ぜながらも、忍者の単純な冒険活劇に収まっていない。興味深いのはこの五右衛門の性格設定であり、人間的に決して強くない存在であるということ。1作目では頭領の女房(岸田今日子)に色目を使われていとも簡単によろめいてしまうし、2作目ではマイホームパパで仕事と家庭を秤にかけて迷わず家庭をとるような主人公なのである。この五右衛門は苦悩する。忍者という職業は必ずしも英雄でも怪傑でもなく、時の権力に左右されながら弱い日蔭者として描かれているところにリアリティがある。決してクールで非道な忍者ではないのだ。

その五右衛門が、命を狙うのが信長(城健三朗)である。叡山焼き打ちや一向一揆での残忍な殺戮を引き合いに出しながらこの信長を徹底的に悪役として描いているという点も特徴的である。2作目では、光秀をそそのかして本能寺の変を仕掛け、その信長を五右衛門が殺してしまうし、家康や秀吉の権謀術数がしたたかに展開される。

好みの問題かもしれないが、娯楽に徹している感じのする2作目よりも、忍者の悲哀の色合いがより強く出ている1作目の方が個人的には面白かった。忍者ものというより哀愁のスパイ映画といった趣きである。役者では、1作目の百地三太夫に扮した伊藤雄之助の怪演と、2作目の光秀に扮した山村聰の役作りが特に見事だった。
 

閉じる コメント(8)

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原作の小説は赤旗に連載されていたようですね。今、朝日文庫で読めますが、3冊くらい読んで放棄してしまいました。村山の社会主義への楽天的見解に辟易したからです。映画は原作と少し設定が異なっているようです。忍術の種明かしがいいですし、1作目の忍者首領の老獪さや2作目の大名たちの政治的かけひきなどは山本監督らしいです。弊ブログにも取り上げておりますので、良かったら見てやってください。

2011/2/10(木) 午前 7:57 [ SL-Mania ]

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市川雷蔵と藤村志保、美しい組み合わせですよね。
子どもの頃見ていた記憶はあるのですが、それが「何」だったのか
思い出せません。
まだ、ブログを始めて、一作も市川映画を見ていませんので、いつか…と思っているのですが、
斬り合いのシーンがあることを思うと少し抵抗があります。

2011/2/11(金) 午前 9:00 alf's mom

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1作目しか観ていないですが、山本薩夫監督が素直に娯楽映画を撮ったことに驚きですね。市川雷蔵と藤村志保もよかったですが、伊藤雄之助の二役の怪演が強烈でした。TBさせてくださいね。

2011/2/11(金) 午前 10:49 シーラカンス

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伊賀の国(の隣り町)在住でございます。百地三太夫はうちの町の出自らしいのですが、あまり地元でも知られていないようでございます。石川五右衛門が三太夫の弟子という設定はスゴイと思いました。

2011/2/11(金) 午後 1:13 [ てんなん ]

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SL-Maniaさん、原作の方は政治思想的な色合いが強いんでしょうか。社会主義や共産主義に傾注していた山本薩夫だからこれを映画化したという風にも特に感じませんでした。SL-Maniaさんの記事も拝見させてもらいます。

2011/2/12(土) 午前 5:53 ヒッチさん

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alfmomさん、市川雷蔵と藤村志保の共演作は、山本富士子や若尾文子と同じくらいたくさんありますので、どの映画だったか思い出すには相当見ないといけないでしょうね。斬り合いシーンのあるベスト(大傑作!!)は「薄桜記」で、無いものでは「ぼんち」「炎上」「婦系図」「濡れ髪シリーズ」などがおすすめです。

2011/2/12(土) 午前 6:08 ヒッチさん

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シーラカンスさん、3作目では釜ゆでになったはずの五右衛門が実は服部半蔵に助けられていたという強引な設定で、4作目以降は霧隠才蔵という当時の映画シリーズらしく何本も作られました。私も全部は見てないですけど、この1作目の出来が良くて人気が出たからこそシリーズ化したんでしょうね。

2011/2/12(土) 午前 6:16 ヒッチさん

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てんなんさん、百地三太夫の同郷!!!おらが町の有名人でちょっと自慢できますね。
この映画の石川五右衛門は、明智光秀をそそのかしたり、歴史の裏側で信長や秀吉や家康を殺害したりと大活躍(?)でした。娯楽映画らしい設定です。

2011/2/12(土) 午前 6:21 ヒッチさん

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