ヒッチさんの映画鑑賞日誌

邦画のベスト1は「二十四の瞳」

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大阪の女/細雪

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 大阪の女
 平成23年2月6日(日)
 シネ・ヌーヴォ(無料)
 ☆3.5
 1958年
 監督:衣笠貞之助
 出演:京マチ子、中村鴈治郎 、船越英二、高松英郎、小夜福子、角梨枝子、小野道子、中村是好、平和ラッパ、山茶花究、浪花家芳子、丹阿弥谷津子


戦後の大阪の焼け残りにできた上方落語や漫才芸人たちの「芸人村」“天王寺ムラ”を舞台に描く、底抜けにお人よしの浪花女の一代記。大映カラーがとらえた大阪の歓楽街のにぎわいや、名優たちの芸が見もの。大挙出演の関西喜劇人にも要注目の名篇・・・。(あらすじはシネ・ヌーヴォのホームページより)


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 細雪
 平成23年2月12日(土)
 シネ・ヌーヴォ(1000円)
 ☆4.0
 1959年
 監督:島耕二
 出演:轟夕起子、京マチ子、山本富士子、叶順子、信欣三、山茶花究 、志摩多佳子、川崎敬三、菅原謙二、浦辺粂子、船越英二、三宅邦子


谷崎潤一郎の名作「細雪」二度目の映画化。大阪・船場の旧家・藤岡家の美しい四人姉妹が辿るそれぞれの運命を描いた絢爛豪華な作品。京マチ子が次女幸子、山本富士子が三女雪子を演じた。時代設定は戦後だが、鉄砲水など原作の山場もキチンと踏襲・・・。(あらすじはシネ・ヌーヴォのホームページより)




シネ・ヌーヴォの「浪花の映画の物語その1」より、今回2本を見に行ってきた。大阪を舞台にした映画はこれまでおよそ800本作られているという話を、映画評論家か学者先生か誰だか忘れたが聞いたことがある。例えば、「夫婦善哉」、「大阪物語」、「ぼんち」、「白い巨塔」、「泥の河」、「道頓堀川」、「ジョゼと虎と魚たち」「ボックス!」・・・など、ちょっと思いつくだけでもいくらでも挙げられる。今回の特集ではそういった浪花の町とそこに生きるバイタリティあふれる人々を描いた作品を集めてある。

まず1本目は衣笠貞之助監督による作品。タイトルもそのまんま「大阪の女」である。大阪天王寺の芸人村を舞台とした人情ドラマで、主人公の漫才師の娘は京マチ子が演じている。バカがつくほど正直でお人よしの女性像である。大阪だから、バカでなくてど阿呆といった方が正確かもしれない。ある種の一代記ものとも呼べそうな映画だ。高松英郎と京マチ子はお互いのことを慕いながらも、すれ違いで京マチ子は船越英二と結婚してしまう。ところが不慮の交通事故で船越英二に死なれてしまい、その保険金を巡ってすったもんだが繰り広げられるという展開。人情劇の裏側にお金が見え隠れするのがいかにも大阪らしいところ。

役者では京マチ子の父親役の中村鴈治郎と芸人たちの取りまとめ役の山茶花究がいい味を出している。大阪出身の俳優ばかりだから大阪弁も全く問題ない。ラストでは追善供養の芸人たちによる興行があって、かしまし娘やらミスハワイやら当時の本物の芸人たちのステージが見どころのひとつ。浪花の芸能史の1ページが記録されている映画でもあった。


2本目は島耕二監督による「細雪」である。谷崎潤一郎の小説は高校の時によく読んだのだが、この「細雪」は未読。なので原作小説と比較してどうだったかはよく分からない。ただ、市川崑監督の「細雪」(1984年)と比較すると、女優の絢爛豪華さでは全く引けを取っていない。四姉妹の上から順に、轟夕起子=岸恵子、京マチ子=佐久間良子、山本富士子=吉永小百合、叶順子=古手川祐子という具合に並べてみるとよく分かる。

市川版では三女の雪子(吉永小百合)の縁談にまつわる話がストーリーの中心だったのに対して、こちらの島版の方では、四女の“こいさん”こと妙子(叶順子)の恋愛にスポットをあてた作り方であった。全般的に市川版よりもこじんまりとまとまっている印象は山本富士子演じる三女雪子の性格設定のせいだろうか。旧家の凋落ぶりを背景に四姉妹の波乱万丈の生き様を描く。時代を経ても変わらないものと、現代的な恋愛の在り方と、家族の相関が、戦後大阪のモダンな生活文化の中で綴られる。「細雪」映画化第1作の阿部豊監督版(1950年、新東宝)は未見なので、こちらもいずれ比べてみたいと思った。
 

閉じる コメント(5)

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島耕二と言う監督さんは初めて知りました。
それにしても華やかで豪華な姉妹ですね(叶順子は知りませんが)。
市川版の姉妹も美人揃い。
その美しい人たちを見るだけでも、満足できそうです。

2011/2/16(水) 午後 8:22 alf's mom

衣笠貞之助ってこんな映画も撮っているんですね
有名どころすら観ていないので
いつかここまで辿り着きたいと思います
大阪まで

2011/2/16(水) 午後 9:03 [ HK ]

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alfmomさん、私も島作品は数本しか見たことがありませんので断定的には言えませんが、メロドラマや娯楽映画の印象が強いですね。「細雪」は監督よりも女優で見る作品と思います。旬の美しさが魅力です。今後も何度もリメイクされるんじゃないでしょうか。

2011/2/17(木) 午前 5:35 ヒッチさん

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HKさん、前衛的な作品から人情話まで衣笠貞之助の引き出しはずいぶん広いですね。なかなかスクリーンに乗る機会が少ないのが残念ですが、特に戦前の作品群に興味を持っています。

2011/2/17(木) 午前 5:43 ヒッチさん

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これでは、雪子は結婚しません。なぜでしょうか。
理由は、明確で、この年の前年に、前天皇の皇太子さまが、美智子様と婚約しているのです。
その時代に、華族の末裔との結婚は映画化できなかったと思うのです。
『細雪』は、3回作られていますが、一番良いのは市川崑のもので、吉永小百合の雪子でしょうね。

2019/5/30(木) 午前 7:23 [ sas*id*201* ]


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