ヒッチさんの映画鑑賞日誌

邦画のベスト1は「二十四の瞳」

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シザーハンズ

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平成23年2月12日(土)
TOHOシネマズなんば(1000円)
☆3.0
1990年
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト、アンソニー・マイケル・ホール、キャシー・ベイカー、ヴィンセント・プライス、アラン・アーキン

街から見える山の上の屋敷には、年老いた発明家が住んでいた。彼は人造人間を作り出したものの、両手がハサミの不完全な身体であった。街に住むボッグス一家の母ペグは、化粧品のセールスにと山の上の屋敷を訪れ、その両手がハサミの青年エドワード(J・デップ)を気に入り、家に連れて帰った。エドワードはそのハサミを使って植木や奥さんたちの髪の毛をおしゃれにカットし、一躍人気者に。最初はエドワードを毛嫌いしていたペグの娘キム(W.ライダー)も、彼の優しさに次第に惹かれるようになるが……。(あらすじは「午前十時の映画祭」ホームページより)

2度目の鑑賞である。今回見返してよかった。昔見たときにはあまり好きになれなかった映画である。ジョニー・デップはとてもいい役者だと思う。こういう少し変わった主人公を現実離れした仕草と表情を巧みに交えながらもごく自然に演じ切っている。また、ティム・バートンの独特の色彩感覚や映像表現の演出力は水準以上だと思う。氷の彫刻で粉雪を降らせるシーンの何とも美しいこと。

それでも、この映画のことを好きになれなかったのは、ファンタジーな物語のうちに残酷なシーンがところどころに出てくるせいだ。エドワードのハサミは人を傷つけてしまう。切れ味抜群だ。こどもにけがを負わせ、挙句の果てにジムを殺してしまう。個人的には寓話やおとぎ話に残虐な場面は不必要だと思っている。たとえ悪人であっても殺してしまってはいけない。死ではなく別の制裁手段で懲らしめ更生させててもらいたかった。私は根っからの悪人の登場しない映画が好きだ。

ただ、決してこういうのが悪いとか低レベルであるといっているのではない。あくまで好みの問題なのだ。グリム童話の原作には私たちの知っている絵本の世界と異なって、悪者に対する残忍な制裁の場面がいくつもでてくる。もともと、寓話やファンタジーの裏側は残酷と隣り合わせなのであって、ティム・バートンはそれを忠実に映像化したにすぎない。だから、残虐なシーンがそのまま作品のクオリティを低下させているというわけではなく、単に私の好みに合わないというそれだけのことなのである。

ということで、この映画のせいで、ティム・バートン×ジョニー・デップとはこれまでずいぶん相性が悪かった。なかなか好きになれなかった。今回「午前十時の映画祭」でせっかく劇場鑑賞できるのだから、そんな苦手意識を払拭してしまえればと考えて、できるだけ先入観を捨てて客観的に鑑賞するようにした。そして、あらためて残酷な映画だと思った。でも、同時に明るく楽しくてハートフルな映画だとも思った。

博士はなぜエドワードの手にこんなハサミをつけたんだろう。まさかバカボンパパのような植木職人に仕立て上げることが目的ではあるまい。純粋無垢なゆえに他人を傷つけてしまう残酷さ。恋をして抱きしめたくとも抱きしめられないもどかしさ。そんな不思議で切ない感覚が美しい粉雪の中に見え隠れするところがこの映画の魅力だと思う。雪の降る夜は全てが静かで美しい。20世紀フォックスのトレードマークにまでしんしんと雪は降り続いていた・・・。
 

閉じる コメント(14)

ヒッチさんのお人柄が感じられる記事ですね
でも最近は根っからの悪人が登場することが多いです

2011/2/19(土) 午前 10:24 [ HK ]

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HKさんと同じく↑、ヒッチさんのお人柄を感じながら記事を読みました。
そうですね、書かれているようにファンタジックな物語なのに残酷さを含んでいます。
「たとえ悪人であっても殺してしまってはいけない」。同感です。
ですから、ラストに向かっての展開は少しガッカリする所もありました。
でも、その点を除けば、哀しいファンタジーではあるけれど、
美しい場面がたくさん心に残っている、私にとっては色々な思い出のある、大好きな作品です。

一度コメントいただいていますが、TBさせて下さい。

2011/2/19(土) 午後 8:13 alf's mom

これは、かなり前(20年か〜)に観ましたが、まさか主演がJデップとは知りませんでした。

2011/2/19(土) 午後 11:39 kattenisirou

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HKさん、ジャンルが違えば根っからの悪人が登場しても全然かまわないんです。魅力的なキャラクターの悪人映画はけっこう好きですよ。ただ、こどもが見ることもあるようなおとぎ話やファンタジーには似つかわしくないと思っています。

2011/2/20(日) 午前 8:40 ヒッチさん

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alfmomさん、TBどうもありがとうございました。alfmomさんの記事へのコメントと今回のレビューでと多少矛盾しているようですが、好きな面と好きになれない面の両方が存在する映画でした。今回は記憶の曖昧さが整理され、その好きな面を確認することができたので再鑑賞正解だったと思います。

2011/2/20(日) 午前 8:49 ヒッチさん

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勝手新四朗さん、ジョニー・デップは本当にいい役者ですね。こういう個性的なキャラクターをやらせると特に上手いと感じます。これは文字通りの代表作でした。

2011/2/20(日) 午前 8:50 ヒッチさん

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未見で「午前10時」で観ようと思っているので、ほとんどレビューは読んでいません。☆3.0ですか。合わなかったようですね。観てからまたお邪魔しますね。

2011/2/20(日) 午後 10:22 シーラカンス

この作品はファンタジックで美しい映像とウィノナ・ライダーの可憐さが印象に残っています。
でも、たしかにあのハサミは最初ドキッとしますし、残酷なシーンもありましたね。

2011/2/20(日) 午後 10:45 メロディ

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シーラカンスさん、合わなかったところもあり、今回観直してよかったところもあり、そのどちらも両立しているという映画でした。ご感想楽しみにしています。

2011/2/21(月) 午後 9:31 ヒッチさん

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メロディさん、ティム・バートンの映像の美しさや色彩感覚は本当に独特ですね。ウィノナ・ライダーは最近はあまり見かけませんが、この映画では綺麗でした。今何してるんでしょう?

2011/2/21(月) 午後 9:36 ヒッチさん

私も最初に観たときには残酷描写に驚いて、あれなくてもいいのになぁと思いました。
それでもやっぱり好きなのは、エドワードの孤独や哀しみが心に沁みるのと、雪のシーンの美しさ故でしょうか。
残酷さと美しさが同居するバートンらしい作品でしたね。

2011/2/24(木) 午前 8:23 pu-ko

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バートン、ディップコンビの金字塔!
「おばあちゃんなぜ雪が降るの・・」
「それにはハサミの話から始めないと・・(確かこんな始まり)」
導入部からしていいですよね〜

2011/2/24(木) 午後 9:43 [ きらきらくん ]

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pu−koさん、もしかすると毒気のない単に綺麗なだけのファンタジーだとそれほど心に残らなかったのかもしれないですね。今回2度目の鑑賞でこの映画の美しさを前回以上に感じることができました。

2011/2/25(金) 午前 5:49 ヒッチさん

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くろさわさん、しんしんと雪の降る夜にキムおばあちゃんが孫娘に昔話を語り出す。少しものさびしげな語り口で・・・。綺麗な導入部でした。

2011/2/25(金) 午前 5:56 ヒッチさん

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