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文 化
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山の会の登山に参加した。三月も終わりというのに寒い日が続く。この日(17日)も天気予報は快晴だったが現地に着くと小雨が降っていた。
しっかり着こんで頂上を目指した。頂上近くでは雪が舞い、葉が楽ちつくした木々の小枝を包こんでいた。雪は灰色の木々を白銀の世界に変えながら冷たい風にあおられ、いたたまれずに仮の住まいを飛びたち、山登りに火照った顔を撫でた。
誰かがささやく。しーっ!耳をすませ、美しい音が、白銀の音が君の心の奥底に響くだろうと。 山は静かで浄く、人の心を和らげ、優しくした。
山頂の昼食休憩では、細身の毛穴に山風が浸み込み、一気に全身に拡大した。リーダーの作ってくれたコ−ヒ―が体の芯を温めた。白銀の木々の合間を下山する。手足の冷たさに逆らい、心は、雪ある山の別れを惜しんでいる。
山の底には、未練ある心にやさしく微笑むように、和紙の原料になる、みつまたの黄色い小花が、見上げる斜面に広々と群立していた。
これはすごい!誰となく歓声が湧く。自然をこよなく愛したイギリスの詩人ワーズワースを借りれば
山のほとり、木立の下に
黄金色に輝く一群の花
われ谷間にたたずみ
わが心、喜びに満ちあふれ
花とともに踊る
という心境になった。
三月十七日、感動の京都府和知町長老ヶ岳であった。
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丹波の虹は有名で、よく写真や絵になっている。この冬に私が遭遇した霧は特別だった。1月8日の金曜日、早朝、黒井へ宣伝活動に出かける道中のことだった。午前7時半ごろ私の家周辺(大路地区上三井庄)は、よく晴れ、朝日が輝いていた。家を出て下三井庄の大路小学校(西へ1.5km程)付近に来て、前方を見ると、西方の国領、黒井方面が真っ白い霧に包まれていた。それも地を這うように、西方に見える山々は、霧を包むまっ白い霧から突き出て、東の空に輝く朝日に照らされ、きれいに晴れていた。「きれいだなあ」と思い眺めていた私がさらに驚いたのは、里を包むまっ白い霧の最上部が色づいているのだ。紅や紫の虹の帯である。「オー」と驚嘆し、しばらく車を止めて、この自然が織りなす美形に見入っていた。 |

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