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イスラム見聞録

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2006.09.11 フェルナンド

イスラム社会では、欧米・極東アジアと比べ、宗教色が濃い。これらの国でも、教養を身に着けた豊な階級になると、宗教色は薄まり、女性の地位も改善されている。
40年前のクウェートでさえ、デパートに買物に行くと、西欧と同じ服装でパーマをかけたアラブ人の若い女性が接客していた。まだ独身だったので、若いアラブ人女性といえども興味を持っていたので、何か買う振りして話しかけたりした。しかし、当時街頭では、頭から爪先まで黒い布で覆った女性しかお目にかかれなかった。殆どの女性は顔や体つきを覗き見ることも出来ないほど黒いベールで被っていた。それでも、顔の部分が多少透けて見える女性は人並みで、顔に自信があるように思えた。
男たちは、国際線の飛行機に乗り込んだ途端に、教義を忘れたかのようにスコッチやブランデーを煽り、ヨーロッパに到着するまで、正体を失うまで呑んでいた御仁もいた。勿論、教義の上では、アルコールは一切ご法度である。何故ご法度なのか、過酷な砂漠の中で生活してみればすぐに判る。二日酔いで50度を越える炎天下に出てみると、心臓に負担が掛かり生命の危険まで感じる。今では、豊な階級の人たちは、年中冷暖房の効いた部屋で過ごせるので、炎天下で作業するようなことはない。家庭内を覘いたことは無いが、豊になった階層では、こっそりビールくらいは呑んでいるのだろうと想像する。
教義上では、4人まで妻を持てることになっているが、平等に扱うのが原則なので、体力と資力に自信がなければ、現実的ではない。私の出会った複数のアラブ人は、体力的な理由で、とても複数の妻を持てないと言っていた。豊なクエートの街では、旦那様が運転するアメリカ製大型車に4人の黒いベールの女性を乗せるのがステータスシンボルのようで、40年前の一般的な光景だった。
豚肉については、不浄だからとか寄生虫がいるから、などと後から取って付たような理由を並べているが、コーランには豚肉を禁止する理由など書いてないようだ。あるアラブ人が、「豚肉は傷み易いから食べない」のだと、我々文明人に納得のゆく説明してくれた。コーランが書かれた7世紀には、肉の保管方法にも、遊牧民が暮らした気温の高い中近東では大きな問題であった。ユダヤ教でも理由は異なるが、ひづめが割れていて反芻しない動物(豚)の肉を禁止している。一方、中世ヨーロッパでは、家庭から出る生ゴミや汚物を街頭に放置していたが、豚はこれらを食べてくれたので沢山飼育し、ハムやソーセージなどで、塩漬け燻製など保管方法も一般に知れ渡っていた。ただし、街頭には、豚の糞が撒き散らされていたので、街頭はひどい悪臭に悩まされていた。
ジャカルタでは、朝5時にコーランの大音響で叩き起される。夜の遅い我々先進国の人間には、睡眠不足となる。早朝のコーランはジャカルタだけではないが、モスクの高い塔頂に大型スピーカーを取付け、ボリュームを目いっぱい上げるので、ホテルの分厚いガラス窓も役に立たない。これも3日ほど経つと何とか慣れるのだが、目覚まし時計代わりにしては早すぎる。多分「早寝・早起きして勤勉に働きなさい」という意味もあるようだ。これも半世紀前には、スピーカーも無かったので、塔頂で僧侶が肉声だけのコーランだった。今では、僧侶が塔頂に登る必要もなくモスクでマイクを使ってるのではと思う。

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