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ブラックホール2(温暖化) 2007.6 フェルナンド
人類の有史は、高々7,000年程度である。46億年の地球の歴史から見ると、取るに足らない時間であるが、20世紀の100年間で人類が資源を大量に浪費したので、急速に地球の汚染が進んだ。最新の調査では、この10年間に極地で2−3度気温が上昇し、北極の氷域が10%減少した。人類の生存も22世紀まで正常な状態を保てるか疑問だと言う学者もいる。温暖化により、気象現象の激化が始っている。乾燥地帯の拡大の一方で、豪雨が集中的に起り、暴風強度と頻度が増加している。米国ニューオリンズを襲ったハリケーンやインド北部砂漠地帯に200年ぶりの大洪水が襲っている。有史以来無かったサイクロンが南米を襲った。先進国では人口減少しているが、後進国では人口増加が続き、農地開拓や燃料確保のために、炭酸ガスの吸収源である森林が消滅しつつある。森林を伐採し農地を拡大しても、元々農地であった地域の砂漠化や表土の流失が起こっている。
大気中の炭酸ガスの増加は、特に寒冷地の気温を上昇させ、極地や高地に蓄積した氷が融解することになる。地球温暖化の原因は、炭酸ガスだけではなく、メタンなどによっても引き起こされる。メタンの温暖化係数は炭酸ガスの21倍である。メタンは家庭ゴミなどの腐敗により大量に発生する。メタンは発電や家庭燃料に利用できるが、利用されているのは1%以下で、殆どが未利用のまま大気に放出されている。シベリアやカナダの凍土の中に大量にメタンが蓄積されているが、温暖化により徐々に凍土が融解し大気放出し始めている。
海の平均深度を2,500mと仮定し、海水温が平均して2度上昇すると、体積の膨張だけで海面は97.5cm上昇する。グリーンランドと南極の氷がすべて解けると海面上昇は、夫々7mと65mとなり合計すると72mとなる。5000年前の気温は、現在より1度高く、海水面も現在より2−3m高かったことも検証されている。21世紀末には気温が2度上昇すると国連IPCCは予測しており、海水温度の上昇による膨張と氷の融解により、海面上昇は最大約95cmと推算しているが、果たしてそんな小さな数字で収まるだろうか。
海面上昇よりも深刻な問題は、異常気象により農業生産が打撃を受けることである。風水害や旱魃などの被害が激化し、地域を限定せずに異常現象が発生する可能性があり、食糧生産量は激減し、全世界で食料の奪い合いになる。飢餓難民が食料を求めて激増する。21世紀末の世界人口を100億と推定しているが、大規模な飢饉や集団疾病が頻発し、現在よりも少ない40億に減少する可能性もある。日本の耕地可能面積をすべて利用して自給しても、現人口の半分約6,500万人分しか生産できないと言われている。
21世紀末の最悪事態に間に合うのか不明だが、核融合エネルギー技術開発に成功すれば、全ての問題が解決できる。海水中に無尽蔵に存在する重水素が原料だから、成功すれば安価なエネルギーが手に入る。ただし、核融合技術が成功しない可能性を指摘する科学者も多いことも忘れてはならない。
成功すれば、見向きもされなかった低品位の鉱物資源、海水中の有用資源を分離、食料生産も工業化される。安価な海水淡水化も実現でき、砂漠も農地や緑地に出来る。工業生産の殆どをロボットが担い、人類が関るのは開発と設計だけとなり、肉体労働から解放される。生活に対する心配が無くなると、宗教も紛争も少子化対策も不要になり、必然的に出生率が低下し、地球全体の人口が減少し、22世紀は人類にとってバラ色となる。
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