|
http://jp.youtube.com/watch?v=iJRrM4TpXSQ Xenakis: "Hibiki Hana Ma" 1/2 Iannis Xenakis("Hibiki Hana Ma" (1969-70). An electro-acoustic work for 8-channel tape.)
http://www.youtube.com/watch?v=bvmQ5kl94AU&feature=related Xenakis: "Hibiki Hana Ma" 2/2
ここには自信に満ちた武満がいる。武満トーンは確信に満ちている。当年40才。70年大阪万博鉄鋼会館「スペースシアター」での上演用に創られたもので、そのパビリオンはさまざまな色の光線の交錯と、「最高24チャンネルが同期するマルチトラックの録音・再生機、千余個の天井・床下を埋めるスピーカー、これを自動的に音像移動を行うスイッチングシステムなど、最新の電気音響システムがセットされた一種の超立体音楽堂」であり、あらゆる方向からの音に包まれるという音響空間の実現創造であった。もちろんレコードでの音は2チャンネルステレオでしかないわけで、残念ながら私は実際の上演、流された音は聴いたことが無い。興味深さは募るけれども、この当時の録音技術の粋を凝らしたレコードでいくぶんかの想像体験なりとも出来るのではと自らを納得させるほか仕方が無い。武満の芳醇かつ引き締まった音がより拡がりと動きをもってさぞかし迫ってきたことだろう。時代が生み出した技術の粋と場所の提供にさぞかし音響創造意欲を掻き立てられたことであろう。生き生きとした魅力的な武満サウンドがここに聞ける。ここではオーケストラ曲「クロッシング第一部」が収められている。次なるクセナキスの作品「ヒビキ・ハナ・マ」(音・反響・、花・美しさ・動きの優雅さ、距離・空間と時間の感激)は12チャンネル800のスピーカーのための電子音響作品で70年万博の鉄鋼会館のパビリオンのために特に作曲されたそうである。さまざまな打楽器音や騒音等の電子変容された具体音の数々の重層が時空間のうねりを励起し、存在が場所と共に創造されるさまを沸々と喚起する。弦が軋るように上昇下降するグリッサンドとホワイトノイズがとりわけ感性の動きを加速させる。なんと厚みを持った加速する騒音であることだろう。この膨らみをもつ優れて喚起力のある音どもの洪水は、やはりクセナキスだと言いたくなる。薄っぺらな細い貧相な電子音響に呆れて好きになれない人には是非クセナキスのこの作品をお奨めします
|