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人のおおくの事どもが堆積し生のふくらみが増す。ゆったりとした時間の流れに人間の一生のさまざまな事どもが昇華し時間のかなたへ愛のまなざしと祈りと共に静かに消え行くような、まるで人間の人生を穏やかに讃歌しているかのようだ。同じことの反復繰り返しを耐えることの人の真実は静穏な精神・心にこそあるのだと言わんばかりの作品だ。退屈というより、ゆったりと反復演奏されるゆえにより一層メロディーの美しが際立ってそして聞き入る。どれほどの深みで人は、さまざまな人生の出来事を救い上げることが出来るのだろうか。穏やかに、激することなく、物語らずに愛すること、受容すること、そうした想念が作品を聴く中で醸成されるかのようだ。ギャビン・ブライヤーズ(Gavin bryars)の作品集「THE SINKING OF THE TITANIC」『タイタニック号の沈没』では、賛美歌「オータム」の美しいメロディーが反復演奏され、「JESUS’BLOOD NEVER FAILD ME YET」でもまた賛美歌『イエスの血は決して私を見捨てたことはない』の歌のフレーズを延々と反復し、背景で美しいメロディがオーケストレイションで緩やかに奏でられ且つじょじょに膨らみと厚みををましてやがて小さく消え入るように終わる。穏やかさが美しい、こんな音の世界もあるのだ。 |
アンビエント
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