イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

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ブーレーズ

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≪初期には怒れるブーレーズと恐れられ、1940-50年代には「オペラ座を爆破せよ」「シェーンベルクは死んだ」などの過激な発言を繰り返した。(前者の発言では、2001年、スイス警察により一時拘留された。音楽界の常識として見れば半世紀前の論文中の比喩表現であり、まったくの誤認である。)
シェーンベルクを否定し、ヴェーベルンの極小セリー形式から出発する一方、後にはドビュッシーやストラヴィンスキーの再評価に務めた。詩人では最初にルネ・シャールを取り上げるが後にはステファヌ・マラルメによる作品を書き、また指揮活動としても徐々に前の時代の作曲家へと遡って評価する姿勢が見られる。≫(WIKIPEDIA)
それにしても、音楽史的にも傑作である二作品の素晴らしいピエール・ブーレーズの演奏である。素人の私がなにもえらそうに知ったかぶりして屋上屋を架すがごとく云う必要もないのだけれど。≪メシアンについてパリ音楽院で勉強した後、そこを卒業すると、間もなく、名優ジャン=ルイ・バロー、マドレーヌ・ルノー夫妻の主宰する劇団の音楽係として働き、そのうち、バロー夫妻に才能を認められ、彼らの庇護のもとに≫フランスの現代音楽活性のため催されたのが<ドメーヌ・ミュージカル(音楽の領域)>であり、他国の現代音楽祭に伍すものとしてそこで多くの現代音楽がピエール・ブーレーズの指揮のもと演奏された。
そのうちのまず当のピエール・ブーレーズ(1925)の、シュルレアリズム詩人で第2次世界大戦抵抗詩人でもあったルネ・シャール(1907)の詩による『ル・マルトー・サン・メートル(Le Marteau Sans Maitre・主のない槌)』(1953-55)。
くっきりとした硬質な透明感のあるリズミックな音の世界、もちろんビブラフォン、マリンバ、種々の打楽器の見事なまでの表情あふれる使用がその印象を深くしているのだろう。空間を明確に定位するそれら打楽器の響きは、いっそうクリヤーさを際立たせる。わずか女声・アルトのソロと6人の楽器奏者の室内楽とは思えないぐらいの厳しく豊かな響き。これだけ巧みな打楽器の使用で、きらめく響きの世界を最後まで引き締まって持続、聴かせるのも天与の才ということなのだろう。セリーの極限の美、それも柔軟な感性ゆえのというべきなのだろうか。
≪「ブーレーズはあのころいつもながめていたんです。〈マルトー・サン・メートル〉はとってもいいな。あれが出てきたとき、とってもショックだった。簡単にいうと表現派じゃないってところだな。〈マルトー〉にすごく魅せられた世代というのがあるでしょう?ショックを受けた世代というのが。それの一番最後につらなっているのが僕たちじゃないかしら。・・・そういった影響は完全にありますね」≫と、きらめく錯乱の甘美な美を遺し46歳で夭逝した八村義夫はいった。たぶんこのセリーの厳格が後景に退くも、かくまで魅力的な響きの音色世界がありえるのだとの驚きは少なからずの衝撃であったと思われる。
さて次なるアーノルト・シェーンベルク(1874)の『ピエロ・リュネール・Pierrot Lunaire(月に憑かれたピエロ)』(1912)無調作風にながれる濃密な表現世界には、やはり魅き込まれる。大げさでないコンパクトな世界の美。≪この曲(1899作の弦楽六重奏曲「淨夜 op.4」)はドイツにおける象徴派の詩人リヒャールト・デーメルの「女と世界」という詩集からとられた詩による標題音楽で、後期ロマン派風のむせかえるような官能美の世界を描いています。詩の内容は、月光のもと、冬枯れの木立の中を歩む男女、やがて女は男に向かって、孕んでいる子供は他の男のである、と自分の不実を告白しますが、男はそれを許し、愛の口づけを交わすという情緒こまやかな官能的な世界です≫(柴田南雄)。
まことに、ささやき、語り、朗読するような歌唱≪Recitation、Sprechstimme、Sprechmelodie、レツィタツィオン、シュプレッヒシュティンメン、シュプレッヒメロディ)などと呼ばれる、いわば朗読と歌の合いの子≫(柴田南雄)はこうした内面心理表現にふさわしいものであり、それゆえに無調情緒世界を見事に演出表現する。現代に、人間の(存在の)内面表現手法を獲得した無調は斯くも美しい情緒ある響きを、作品を提示した。この記念碑的な革新ときわだつ感性の美の二作品をピエール・ブーレーズの演奏で聴く至福。是非味わってほしいものである。

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柴田さんからの引用、浄夜の解説と混ざってますよ?

2008/10/11(土) 午前 10:02 [ mik*kun*5 ]

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ご指摘ありがとうございます。解説書読み直しましたところ、というより「デーメルの詩」とくれば「浄夜」ですよね。“エエ加減なこと”です。まったくその通りです。引用タイピングするのに気をとられていたのかも。つながりがなく変な文章となりますが投稿記事中の「この曲」部分のみに注記してありがたく修正させていただきます。

2008/10/11(土) 午前 11:46 緑の森


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