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けさ新聞記事、それもごく片隅に小さく掲載されており、また出勤途上の車中でのラジオニュースでも聞くに及んだ高松宮殿下記念世界文化賞(たかまつのみやでんかきねんせかいぶんかしょう、Praemium Imperiale)今年度の受賞者にスティーヴ・ライヒの名があった。絵画部門では草間弥生に授与されているとあった。WIKIPEDIAで生年等確認のため記事覗いていたところ、さっそくというか、すでに今年度高松宮殿下記念世界文化賞受賞と書き加えられているではないか。これには正直驚いた。この賞は1988年に財団法人日本美術協会により創設され「絵画」・「彫刻」・「建築」・「音楽」・「演劇・映像」の5部門で世界的に顕著な業績を上げた芸術家に毎年授与されるとのことである。過去の受賞者一覧を見てみるとブーレーズ、リゲティ、ベリオなど音楽史に名を残すであろう作曲家たちがみえる。 そうした位置づけをもつ賞に、ミニマルミュージックの創始者の一人でアメリカの作曲家スティーヴ・ライヒSteve Reich(1936- )の名が加えられた。彼もはや70才、古希をむかえたということになる。別に自慢するわけではもちろんないが、現代音楽ファンとして、そうした音楽の新潮流と時代を共にしたということはやはり感慨がなくはない。最小の音楽要素で単に持続反復するだけの単純極まりない音楽様式。同一パターンの位相のズレがこれほど豊穣な音楽世界をつくりだすとは誰が思っただろう。もちろんそこにはガムラン音楽などの歴史民俗的先例があるとはいえ、民族楽器などを生に使うわけではなく、ほとんどが既製の西洋音楽に使われている楽器を使用している。そのせいか変に泥臭くなく、からっとして親しめる普遍性を獲得している。世界の民族(俗)音楽のリズムパターンを深く考究してのスティーヴ・ライヒの反復音楽は私たちに鮮烈な印象と発見を与えた。演奏中での偶然ともいえるズレが垣間見せる、一閃する変化の新鮮な驚き。同じパタンの反復に、ハッとするような変化が一層の<生動>をその音楽の流れに付加する。これが、こうしたミニマルミュージックのもたらしたいっとう優れたことといえるだろうか。多種多様なミニマルミュージックを実験的に開発推進して新鮮な驚きをつねにもたらしているのは、やはりこのスティーヴ・ライヒだろう。演奏は単純な反復ゆえに極度の緊張を強いられ難しいらしいが、奏でられる反復音楽はポップミュージックのようにリズミカルで楽しく明るいものである。単純な原理、様式の徹底がこのような豊穣をもたらすとは驚き以外のものではない。器が違うということだろうか、エポックメイキングとしてやはり受賞に値したのだろう。取り上げた音盤はスティーヴライヒのミニマルミュージックの紹介普及を目した、代表作の抜粋で構成された『ライヒ・ベスト』(1999)である。LP時代以降遠音盤からも、またライヒからも遠ざかったこともあり、未聴作品のさわりだけでもと思い購入したものである。受賞を機に取り出した次第。 |
ミニマル
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はじめまして。ライヒ受賞のニュースは驚きました。 トラバ+お気に入り登録をさせていただきました!
2006/9/9(土) 午後 3:00
返事コメント遅れました。申し訳ないです。本当に音楽好きと見えますね、カンチェリを目にしましたがどんな経緯だったんでしょうか。それにサッカー。いいですね。ゆっくり読ましていただきます。
2006/9/12(火) 午前 9:42
オペラシティのコンポージアムでも来日しそうです。http://www.operacity.jp/concert/award/schedule/08_reich.php#01
2006/9/23(土) 午前 4:05 [ salonen2010 ]
グーグル検索でも気がつかなかったです。ためになるネット情報の紹介ありがとうございます。
2006/9/23(土) 午前 10:03