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pierre henry のっけからロックリズムが飛び出し、驚きを誘う。もちろんロック音楽ではない。ピエール・アンリ(pierre henry)のアーティフィッシャルなセンスの光る電子音がそのロックリズムに乗ってリアリゼーションされる。今回の彼のアルバムのタイトルは『Machine Danse』(1973)である。 ロックグループのスプーキートゥースとの共演アルバム「セレモニー」も話題を呼んだらしいけれど、今回のこのアルバムはモダンダンス・ミュージックのための作品であり、モーリス・ベジャールのダンス音楽(ミュージックコンクレート)を数多く手がけて傑作を残している得意分野でもある。 これだけのイマジネーションがどこから湧いてくるのかと思うほどの多彩さである。このようなミュージックコンクレートを伴うモダンダンスとはいかばかりだろうと思わせる。さぞかし創造性に満ち満ちた面白い舞であることだろうと思い巡らすことである。まことに音に遊ぶとはピエール・アンリにふさわしい。 まさにピエール・アンリの天性のアーティフィッシャルな音へのセンスこそは「神のみが遊ぶ」境域であることは確かなことと私には思われる。 ここまで徹底してからピエール・アンリの半世紀以上に亘るメカニカルマシンミュージック、機械派の何たるかを論ずるべきである。昨今のシンセサイザーなど足元にも及ばぬその人工機械感覚の天才を聴くべきである。 ミュージック・コンクレート創成期の、テープを切って貼っての膨大なすさまじい作業を、その鋭敏なアーティフィッシャル感性研ぎ澄まし、狂気に遊んだピエール・アンリあってのマシーン・ダンスミュージックである。 Jean Tinguely - Méta-Harmonie II 『・・・うなりをあげる自動車は、<<サモトラケのニケ>>よりも美しい。・・・』(未来派宣言(1909年)より)。 ≪原始古代では調律されていない騒音や雑音が主体であった音楽は次第に平均律の構造にむかい、近代においてすっかり騒音を駆除し終わったところへ、再び騒音の復権が持ち出されてきたという結構をみることができる。「騒音から楽音へ」という古代から近代への流れは、1950年前後のミュージックコンクレートと電子音楽によって大軌道転回を迎え、再び「楽音から騒音へ」の正念場を経験させられるわけです。≫(秋山邦晴) 右写真、自滅する機械「ニューヨーク賛歌」(1960) この動く廃物(機械)彫刻を、ニューヨーク近代美術館
中庭にて自滅するように制作。その破片に ティンゲリーと署名したダダの記念碑的作品?。 |
ピエール・アンリ
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