ピエール・アンリ『バベルの塔・Une tour de Babel』(1999)ほか。さもありなんとの安易さとは次元の違うイマジネイティブでアーティフィッシャルなコンポジットのノイズ・コンクレート感覚。
Pierre Henry : Apocalypse de Jeanそれにしても、このミュージック・コンクレートの雄ピエール・アンリの頭の中はどのような音で充たされているのだろう。よくもこんなにイマジネイティブなコンクレートノイズで楽曲?作品が生み出されるものだと感嘆のほかない。このアーティフィッシャルなノイズ感覚は尋常ではない。なにより、ラジオドラマでよく使われるようなさもありなんといったような音の処理でないところが凄いのだ。意想外のノイズが使われコンポジットされているゆえに、聴く者により一層イマジネーションをかきたてるのだ。半世紀以上に亘るノイズ、具体音へのこだわり、専心探求に培われたノイズ感覚は常人のそれではなく、たぶん作曲家が音符を並べる書法を体得して作曲するように、ノイズ音がおのずと組み立てられているようにしか思えないのだ。散漫な弛緩したノイズの羅列なんかではないことから、そうとしか思えない。クラシックを聴いていても俗流と天才、いや一流と二、三流との違いは大体そこらあたりにあるとかねがね私は思っているのだけれど。大体が二、三流の作品は、精神の緊張を保てず、展開力、構想力の希薄な、盛り上がりそうで盛り上がらずダラダラした曲が多い。つまりは継ぎはぎの感覚だ。整理するだけの統合能力が弱いのだろう。このピエール・アンリにあっては楽曲を音符に従って作曲するように、ノイズ、具体音が全き感受性において湧き出でるように配置されているのだろう。この壮大な具体音、ノイズの世界は追随を許さぬ見事さだ。きょう取り上げるアルバ ディスク:1 1. Une tour de Babel 2. Tokyo 2002 ディスク:2 1. Apocalypse de Jean ディスク:3 1. Apocalypse de Jean ディスク:4 1. Messe de Liverpool 2. Fantaisie Messe pour le temps present ディスク:5 1. Granulometrie 1. Symphonie Pour Un Homme Seul
2. Le Voyage 3. Mouvement-Rythme-Etude 4. Le Livre Des Morts Egyptien 5. Investigations |




