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だいぶ前に≪菊地雅章・日野皓正クインテット『カウンターカレント』(2007)。過剰を廃し削ぎ落とした音の少なさの魅力。ポツポツと寡黙に音を紡いでゆく余裕と落ち着きはらったジャズ。日本の!熟成のジャズ。≫とタイトルして投稿した、その寡黙をして<間(ま)>の特異な魅力を放つジャズピアニスト菊地雅章(きくち まさぶみ、1939-)の初のソロピアノアルバム『ATTACHED』(1989)がネット図書館に所蔵されていたので借り受け鑑賞した。とことん歌うことを、いや、あたり前にスイングし乗ることを拒否しているのだ。これにはちょいと驚かされた。内面の歌をとことん寡黙にぽつぽつと唸り声とともに歌い上げるこの奇異さは特筆のソロピアノアルバムといっていい。これだけの音でじゅうぶんだとばかりに、表層に流され歌うことを拒否したピアノソロで埋め尽くしたアルバムもめずらしい。この音の数の少なさに張りつめる静謐な世界。凛として骨格のみを歌うよせつけぬ剄さ。音への研ぎ澄まされたこの感覚。ピアノとともに己の世界へと沈滞する、ピアノがすべて、ピアノいのちのピアノに淫するピアノソロ。あたり前のジャズピアノパフォーマンスからこれほどみごとに肩すかしを喰らわせたソロアルバムははじめてだ。愉しむどころか<間(ま)>の絶妙とともに音をじっくり聴くことの集中力を要求する。ココロがなけりゃスイングしないよとばかりに・・・。 菊地雅章『ピアノ・ソロ ATTACHED』 1. サッド・ソングSAD SONG 2. ピース PEACE 3. アイーブ AiYB 4. ムード・インディゴ MOOD INDIGO 5. パノニカ PANONICA 6. インターミッション・ミュージック INTERMISSION MUSIC 7. ラヴ・バードの蘇生 RE-INCARNATION OF A LOVE BIRD 8. イエスター・ブルー YESTER-BLUE 9. ア・ショート・ピース A SHORT PIECE 菊地雅章、関連投稿記事―― http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/33468326.html 静寂の雪景色に幽韻纏綿の尺八がジャズトリオとコラボする、山本邦山の名品 『銀界』(1970) http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/37225994.html 節度と余情のパフォーマンス。ゲイリー・ピーコックと菊地雅章『VOICES』(1971) http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/39024817.html <和>を奏でるデュオパフォーマンス。富樫雅彦『Song for Myself』(1974) MASABUMI KIKUCHI - Out of Bounds
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