イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

変わったジャンルの音楽のメッセージで脳をマッサージ。

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Mahler Symphony No 2 Resurrection , Seiji Ozawa NJpo Nagasaki

       

病を得て後の、我が国が誇る指揮者・小澤征爾と音楽の造詣に深い小説家・村上春樹との対談『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(新潮社)を町の図書館で借り受けてきた。音楽ブログを綴ってきているほどに音楽数寄ではあるけれど小澤征爾の指揮するアルバムはほとんど聴いてこなかった(一般的な評価とはべつにわたしの肌に少し合わないということもあるけれど、現代音楽がわがテリトリーということもあって・・・)。我が文化勲章を授されるほどの指揮者なのだけれど。また、対するジャズ本を出すぐらい(のみならずジャズ喫茶も経営していた?とか)音楽数寄で、ノーベル文学賞にもっとも近いとその時期になると喧しいほどに世評高い村上春樹の小説にいたっては一冊も読んだことがない(概して小説はあまり読まないこともあるけれど)。斯くほど左様の不真面目、不適切な読者の読書といえるかも。小説家村上春樹はここでは鑑賞経験豊富、知識、一家言もつ評論家であるにたいし小澤征爾は、間口狭い、しかしひたすらな音楽職人といった趣で対話がなされている。

以下は、最近マーラーを比較的集中的に鑑賞し投稿綴ってきたということもあって、興味深く読み、意を得たりの対話のやりとり部分の引用。



 
村上「僕はいつもマーラーの長いシンフォニーを聴いていて思うんですが、ベートーヴェンとかブラームスとかだと、どういう構造になっているかだいたいわかるから、順番をつけて流れを覚えることはそんなに難しくないかもしれない。でもマーラーみたいなかなりややこしい成り立ちの音楽を、指揮者というのはすっと頭に収めることができるんですか?」

小澤「マーラーの場合はね、覚えるというよりは、その中に浸り込むことが大事なんです。それができないと、マーラーはできない。覚えることはね、そんなに大変じゃない。でも覚えた上でちゃんと入り込めるかどうか、それは難しいところですね」

村上「僕は順番がよくつかめないことが多いです。たとえば二番の第五楽章なんて、あっちいったり、こっちいったりというか、なんでここでこうなるんだろうと、途中で頭がぐしゃぐしゃしてきちゃうんですが」

小澤「あれ、まったく理屈がないからね」

村上「そうなんです。モーツァルトとかベートーヴェンとかだと、そんなことないんですが」

小澤「そこにはちゃんとフォームがあるから。でもね、マーラーの場合、そのフォームを崩すことに意味があったんでしょうね、意識的に。だから普通のソナタ形式なら『ここでこのメロディーに戻ってほしいな』というところに、ぜんぜん違うメロディーを持ってきちゃう。そういう意味ではもちろん覚えるのは難しいんだけど、それなりに勉強をしていると、そういう流れに浸っちゃうと、そんなに大変な曲じゃないですよ。そのかわり時間はかかりますよ、そこに行くまでには。ベートーヴェンやらブルックナーやらよりは、ずっと時間がかかります」

村上「マーラーを聴き始めた頃は、この人はひょっとして音楽の作り方を根本的に間違えているんじゃないかという気がしました。今でもそういう気がするときがたまにありますが。なんでこんなところで、こんな風になるんだ、と首をひねってしまう。でも時間が経つにつれて、そういうところがだんだん逆に快感になってくるんですね。最後にはカタルシスみたいなのがちゃんとやってくるんだけど、でも途中経過はむにゃむにゃとわけがわからないということが多いです」

小澤「とくにね、七番と三番がそうだな。このふたつはね、やっていてもね、相当集中してしっかりやらないと、途中で溺れちゃいます。一番はよし、二番もよし、四番もよし、五番もよし。六番がね、ちょっとあやしい。でもまあこれもいい。ところが七番がね、これ問題です。三番もあやしい。八番になると、あれはもう巨大だから、なんとかなる」

村上「九番となると、わけのわからないところはもちろんあるけど、なんかもうあれは別格みたいですね」

小澤「僕はね、三番と六番をやりながらヨーロッパ旅行をしたことがあるんです。ボストン・シンフォニーで」

村上「なんだか、渋い組み合わせですね」

小澤「その当時はボストン・シンフォニーのマーラーが評判になっていて、ヨーロッパから招かれたんです。マーラーをやってくれって。今から二十年くらい前のことだけど」

村上「当時のマーラー演奏っていうと、バーンスタイン、ショルティ、クーベリック、そのあたりの評価が高かったですよね。小澤さんのボストンも、それらとは少し違う風合いの違う演奏として評判が高かった」

小澤「マーラーを演奏したオーケストラとしては、僕らはわりに最初の方だったです。(果物を食べる)うん、これはおいしいね。マンゴ?」

村上「パパイヤです」




小説家村上春樹のマーラー音楽に対する困惑振り・・・おおいに共感したところです。といっても評価のほどは私とはチトすれ違いますが。それと、リヒャルト・シュトラウスとマーラーという両雄のドイツ音楽史的ポジションへの言及もおもしろく、納得するところがあった。

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村上さんの本はわりと好きで数冊読んでいますが、彼はジャズ喫茶をやっても成功するとご自身で言っていられますよね

文章のように、お話も伝わりやすいし、楽しめました

2012/4/9(月) 午前 6:28 poetryfish9

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そこそこの年代まで小説は読んでいたんですが、何の変化かトンと読まなくなってしまいました。

物語の世界へ、スーと入っていける何かが私には欠けているようです。

2012/4/9(月) 午後 11:33 緑の森

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森さんは充分読書家と思うけれど、それって、習慣を失っただけとは違うのでしょうか

私は、自分はまったく本を読まない人になっていると思いますので、こういうコメントはすべきじゃないんですけれど・・
読みやすい、好感が持てる会話だったので、つい・・・。

2012/4/11(水) 午前 5:43 poetryfish9

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ベストセラーを避ける。いやな性格。天邪鬼です。かといって見識あるわけではないのが難儀なところです。

2012/4/11(水) 午後 11:52 緑の森


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