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女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者 : P.D.ジェイムズ
出版社:早川書房
発売日:1987-09


コーデリア・グレイは駆け出しの私立探偵。
共同経営者がある朝オフィスで自殺し、持ち込まれた事件を自分一人で対処することになる。
はじめての依頼は高名な微生物学者からのもので、息子の自殺の動機を調べること。
亡きパートナーの教えを頼りに調査を始めたが、不審な事実が次第に明らかになり…。

登場人物表の2番目に書かれている人(おそらく重要人物)が、いきなり1ページ目から亡きものとなってるところに思わずうなった。
うーん、つかみが巧い。

ケンブリッジを舞台とした細かな描写…キングズ・カレッジ・チャペル、書店、ポークパイ、ケム河でのパンティング、自転車向きの田舎道をミニでドライブ…なども個人的にツボ♪

主人公コーデリアは若さあふれる真面目さと冷静さを持つ、度胸の据わった22歳の女性。
話し方がすっきりしていて好感が持てる(訳がいいのかも)。
初めて自分で手がけることになった事件。
手探り状態ながらも、自分の判断とパートナーの教えを信じて、着々と調査を進める姿がすがすがしい。
でも、さすがに自殺した青年の住んでいたコテージ(首吊りの遺体があった部屋)に住み始めたときには、おいおいやめときな!っと突っ込みを入れたくなってしまった。
肝が据わっているというか、すごい度胸。

地道な聞き込みだけじゃなく、スリルとアクションもある。
一人きりで泊まりこんだコテージの暗闇の中で、首つり枕を仕掛けられて脅かされ何者かに警告を受けたり、井戸に放り込まれて傷だらけになりながらレンガを這い上ったり、車で追いかけたりというハードな探偵っぷりを発揮する場面は活動的な見せ場で、もちろん楽しい。

だが、気持ちをつかまれたのは、コーデリアがかつて進学をあきらめたケンブリッジに事件の調査とはいえ奇妙な巡り合わせによって、とうとうケンブリッジにやってきた!という束の間の感激を現す場面。
また、事件後パートナーの上司だったダルグリッシュ警視に対して冷静さや緊張の糸が切れ、感情のまま抗議をぶちまけた場面にこそ、心を動かされる面白さがある。
(ちなみにこの警視は別シリーズの名探偵役)。

「女には向かない職業」…最後まで読んで初めて納得できるタイトル。
いい読書時間を過ごせる傑作だ。

An Unsuitable Job for a Woman/Phyllis Dorothy James White/1972

閉じる コメント(9)

この本はタイトルと内容がバチッと決まってましたよね。しかもこれはコーデリアという女私立探偵だからなせる業だと思いましたし^^ルグリッシュの方はまだ読み進めてませんが、そろそろ皮膚の〜分厚さに負けずに読もっかな^^。TBさせてくださいー。

2009/5/6(水) 午前 1:00 チルネコ

チルネコさんの仰るとおり、原題も邦題も両方ともタイトルと内容のマッチングが良い傑作でしたね。
ダルグリッシュ警視のほうも近々読める予定です。「皮膚の下〜」は未入手なので、チルネコさんの感想楽しみにしてます。
TBありがとうございました♪

2009/5/6(水) 午前 11:00 TEA♪

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この作品、読んでみたいと思っているのですが、ハードボイルドぽい感じですか?^^

2009/5/7(木) 午前 7:12 ゆきあや

ゆきあやさんもチェックされてたんですね〜^^
私はどうも翻訳ハードボイルドは肌に合わないのですが、この作品はとってもよかったですよ〜♪…ってことはこれはハードボイルドではないのかしら?
ハードボイルドの定義がいまいち分からなくて、なんだかおかしな返答に…ごめんなさい<(_ _)>

2009/5/7(木) 午後 6:48 TEA♪

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自分が勝手に思うハードボイルドというのは、主人公が孤独で(独身かバツイチ)、ラストで銃撃戦が始まったりイライラする大人の恋愛要素が含まれていたりするやつです(笑)あと、主人公は必ずお酒が好きでバーにいます。

2009/5/8(金) 午前 0:40 ゆきあや

なるほど〜。この作品の主人公コーデリアは22歳の女性ですが、探偵事務所のパートナーを亡くして孤独(独身)ってところだけは当てはまります。
あんまり言っちゃうとネタバレになるかもしれませんが…
激しい銃撃戦やイライラ恋愛要素は皆無です。あ、バーもでてきませんね。というわけで、ハードボイルドではないようです。

2009/5/9(土) 午後 0:16 TEA♪

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読ませていただきました^^
好みとはちょっと違う感じではあるのですが、意外にもとても熱く読めました。最後の警部への叫びはやはりグッと来ますね。シリーズキャラだったんですね〜。

2010/2/2(火) 午前 0:26 ゆきあや

ゆきあやさん、こんにちは〜♪
おぉ!お読みになられましたか!うーん、ちょっと好みとずれてたようで…面目ない^^;それでも最後のあのシーンはよかったですよね。それまでのコーデリアの冷静さが決壊した感じで。
コーデリア主人公の作品はあと1作しかないのです(T_T)。でもまだ出会えず未読。ダルグリッシュ警部ものはシリーズになっていて何作品もありますよ。
TBありがとうございます♪

2010/2/2(火) 午前 9:36 TEA♪

ふ〜〜んチルネコさんのブログから辿って参りましたが、
皆さん、コーデリアが好きなんですね。なんかこのヒロイン私好みではなく私の喰い付きが悪いんですかね。
作品としては面白いけどその犯罪自体もあざといといおうかげんなりさせられるものがある。この作家はそういうのが、げんなりテーストがお好きなんでしょうね。そこにこそ意味があるのかも。犯罪を嘲っている。

2015/12/19(土) 午前 2:17 [ milafill ]

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