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昨年末は、近年翻訳出版されたジェフリー・ディーヴァーの作品「バーニング・ワイヤー」「追撃の森」「007 白紙委任状」の3作をまとめて読みました。
3作品の中で、一番最初に入手していたのは「007」でしたが、下の感想にも書いたように途中で気分が乗らなくてしばらく寝かせてました。続いて「追撃の森」も出版されたのだけど、ディーヴァー本を積読しているというファンとしてはあるまじき行為をしている後ろめたさから読むのを躊躇して…そうこうしているうちにリンカーン・ライムものの新作が出て、これはもう我慢できない!とばかりに一気に読んでしまい、その勢いで他の2作も立て続けに読むという、まさにディーヴァー祭りのような贅沢な状態でした。結局、読んだ順に面白かったという結果になってしまったのが、少しもったいなかったかな。間をあけて読めばもっとありがたみが増したのかも(苦笑)。 ジェフリー・ディーヴァー三昧!
やっぱりライムは鉄板!不動の面白さ!
「バーニング・ワイヤー」★★★★★
本 / 文藝春秋 / 477ページ / 2012年10月11日発売
マンハッタン内の変電所で電気による爆発ー“アークフラッシュ”ーが発生し、付近に停車中だったバスの乗客らに複数の死傷者が出た。何者かによる故意に起こされた事故だった。犯人の狙いは、個人か、電力会社か、それともアースデイに合わせた環境テロか?NY市警はリンカーン・ライムに捜査の指揮を要請した。ライムは、過去に取り逃がした殺し屋ウォッチメイカーをメキシコ警察と連携して追跡中だったが要請を受けた。だが現場から採取した物的証拠から手掛かりが殆ど見つからず、さらに犯人から次の犯行を予告した脅迫状が届く…。
リンカーン・ライムシリーズ第9作。やっぱり大満足です!一気に読まずにはいられないほど面白いけど、翻訳を待ち望んでようやく出たんだから一気に読むのはもったいない、そんな心地よいジレンマに陥りました。
「人間の心臓を止めるにはたった100mA、ヘアドライヤーの消費電力の百分の一の電力で足りる。」
“電気”が今回の厄介な敵の武器。あまりにも身近な武器。
アークフラッシュの被害が恐ろしげで、様々な悲惨な現場をくぐり抜けて来たサックスまで怯えさせる。電気という、その脅威を忘れて便利さだけで身の回りに溢れているものを、ここまで上手く使いシリーズ史上でも強烈な印象を残したディーヴァーに拍手! クラウドゾーンの捜査など従来とは違った手法も交えながら、擦れたシリーズ愛読者の予想や期待の斜め上をいくtwistedな展開も見事。なかなかライムお得意の科学捜査が活かせなくてヤキモキさせられるんだけど、終盤にはスカッと爽快感が得られる結末。犯人とライムの会話は分かり合える者同士のシンパシーで溢れていて、常識的に被害者たちのことを考えたらあり得ないんだけど、いい雰囲気になっちゃったのはご愛嬌。 さらにシリーズファンは、最終章の8ページに一番衝撃を受けたのでは?うーん、これで次の新作も目が離せない。 そしてこのシリーズの醍醐味であるリンカーン・ライムチームの面々の活躍ぶりも、惰性に陥ることなく存分に堪能出来た。 このシリーズの新作を読む時は、巻頭の登場人物表にじっくり目を通して誰が出てくるのかをチェックするのも楽しみのひとつ。今回は自分がお気に入りの、2丁拳銃のアノ人が載ってなかったので若干ガッカリしてたんだけど…チラッと要所で登場してくれたのでラッキー。 今回の登場人物の中ではプラスキーが不運続き。今までもかなり貧乏くじを引いてきたけど…あまりにも可哀想でディーヴァーは彼を虐めるのを楽しんでるんじゃないかと疑う程。まぁ、例の被害者の身元が分かってからのルーキーの態度は感心できないけど。ライムの叱咤が効いてくれるといいなぁ。 FBIの覆面捜査官デルレイの巻き返しは、彼の本領発揮であっぱれ。というかむしろ、一旦落ち込んだ彼の尻を叩いた人がよかった! あぁ、なんだか、プラスキーの初登場やらウォッチメイカーやら、そもそも初期のライムやライムチームが出来ていく過程をもう一度読み返したくなった! The Burning Wire/2010/Jeffery Deaver ノンシリーズならではの楽しみ♪
本 / 文藝春秋/ 572ページ / 2012年06月08日発売
人里離れた湖畔の別荘から警察への緊急電話。女性警官ブリンがひとりで様子を見にいくと夫婦の死体があり、犯人二人組の男達に狙われ追われてしまう。彼らから逃げる夫婦の友人と途中で合流し、森の中を逃げることに…。
逃げるブリン達女性二人組と、追撃する男性二人組との駆け引きにハラハラさせられ通し。
読みどころはいろいろあるけれど、一番の醍醐味は、タフで知恵者のブリンと、職人気質な犯人ハートとの、騙し合い。
正義と悪、警察と犯人という相入れない二人が、相通ずる思考回路で分かりあってしまうところなんか、まるでリンカーンライムとウォッチメイカーみたいじゃないの!なんて、ディーヴァーファンなら思うのでは。
ラストが若干物足りない(というか、ある人の結末が呆気ない)気もするけど、このボリュームで飽きさせないのはさすが。
ノンシリーズものでは「獣たちの庭園」が一番好きなんだけど、それを上回るほどではなかったかな。惜しい。
The Bodies Left Behind/Jeffery Deaver/2008 JB×JDは吉と出るか?
「007 白紙委任状」★★★ 本 / 文藝春秋/ 456ページ / 2011年10月13日発売
世界一有名なスパイ、ジェームズ・ボンドをあのジェフリー・ディーヴァーが描いた!
英国政府通信本部が傍受したメールが示唆する大規模な攻撃計画。その期日まであと1週間足らず。計画の内容を探りそれを阻止すべく、英国諜報界が指令を出したのはジェームズボンド、暗号名007。謎の男「アイリッシュマン」を追ってセルビアに飛んだボンドは手がかりをわずかにつかんだものの逃してしまう…。はたしてアイリッシュマンの関わる計画とは何か? は〜。最近のディーヴァーの作品では久しぶりに★3つにしてしまった。
ディーヴァー作品は出るたびにとても楽しみで即買いに走りますが、本作は新たな試みで期待もしていたのに、読み始めたらなんだか気が乗らなくて、あろうことか途中でいったん本を置き、数か月も寝かしてしまった…こんなこと一気読み必至のディーヴァー作品ではありえなかったのに。 というのもボンドの女好きな性質が個人的にどうもしっくりこなかったから。007は映画でいくつか観ていてそれなりに面白いと思っていたんだけど、ディーヴァーの作品の登場人物にはあまりいないタイプだから彼の作品だと思って読むと違和感があったのかもしれない。ディーヴァーは既存のキャラより自分で作り上げるキャラの方が断然面白い、と思う。 でもそれにもだんだん慣れてきて、話の後半、舞台が南アフリカへ移って敵に潜り込んでからの展開になってきたら、ディーヴァー得意の捻りの連続にいい感じに翻弄されてストーリー自体は面白くなってきた。敵の心を鷲掴みにするあるプラン、よく考えたなと思ったり。最後は「そっちか〜」という黒幕でまんまと騙され満足満足。 Carte Blanche/Jeffery Deaver/2011 …と、まぁ、なんだかんだ言いながら、贅沢なディーヴァー三昧を楽しんだひとときでした。
「XO」「More Twisted」など、まだまだ翻訳待ちの作品があるので、今年もディーヴァーから目が離せません。
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こういうの好きなので今度読んでみます!!
寒いので本をたくさん買って読書を楽しみます(#^.^#)
2013/2/9(土) 午後 11:34 [ リラ ]
「ワーニング・バイヤー」、最高でしたね(^-^)
デルレイには、ハラハラしました!その分、スカッとしましたね!
ラストの展開には、身悶えました(笑)早く続きが読みたいですね(^o^)/
2013/2/12(火) 午後 10:24 [ タカ ]
リラさん、こんばんは☆
ディーヴァーの作品はどれも捻りがあって一筋縄ではいかない面白さですよ〜。
ただ、1冊目に紹介したリンカーンライムシリーズは、「ボーン・コレクター」から順番にお読みになるのをお勧めします^^。
2013/2/19(火) 午後 7:35
タカさん、こんばんは☆
デルレイのカメレオンっぷりは毎回楽しみなんですが、今回は結果がなかなかでなくてヤキモキさせられましたね。
ラスト…ああっ!どうなるんでしょうね。次のライムシリーズで明らかになるのか、それともスピンオフの方でちらっと近況がわかるのか、どちらにしても楽しみです^^。
2013/2/19(火) 午後 7:40