しみじみと朗読に聴き入りたい

素晴らしい朗読が聴けるサイトやCDを発掘してご紹介します。著作権関係の意見も発信しています。.

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 さて、引き続き、著作権者と朗読愛好家の共存共栄のための現実的方策についてです。

 著作権の話となると、日本文藝家協会 が主な権利者側団体です。小説家や劇作家の
方々が多数会員になっておられて、著作権管理も、ここにかなりの部分が委託されています。

● 文藝家協会のサイトを探訪

  ・・・では、さっそく協会のホームページをのぞいてみましょう。

  http://www.bungeika.or.jp/top.htm

  いろいろな内容が盛り込まれています。 著作権関係だと関係ありそうな

   NPO日本文藝著作権センター  をクリック!
       http://www.bungeicenter.jp/

  ここに、「著作権制度の問題点」とあって、文藝家の立場からみた問題指摘がなされています。
 いちいちもっともな話で、ブックオフのような新古書店、あるいはマンガ喫茶の隆盛など、読者
 にとってはメリットがあっても、作者側、出版社側からすると、何の収入にもならないわけで、
 危機感をつよめているのもまことにもっともだと思います。
  
  ブックオフは、私もよく利用しますが、いつもやや後ろめたい気持ちになりつつも、

    今日は単行本 500円均一セール! 文庫本は50円! 
     
 とか宣伝していると、ついつい足を運んで、ごっそりと買い込んで、「こんなに買って
 たった○千円!」・・・という小市民的な?満足感にひたってしまうこともしばしばです。
 主婦の方が、デパートやスーパーのバーゲンで買って、中身より、「いつも高く売っているのを
 安く買えた!」 ということにひとしおの喜びを感じるのと同じ心理です(違ったらすみません!)。

  アマゾンのマーケットプレースも同じです。 ブックオフはベストセラーなどの売れ筋商品
 が中心ですが、アマゾンだとこれはもう、専門的なものもかなり幅広く揃いますし、『日本の
 古本屋』のネット通販をくみあわせると、手に入らないもののほうが少ないかもしれません。

  しかし、これは、日本の文藝の発展のためには、けっして望ましい姿でないことはたしかです。
 本という物理的なモノに対価を払うのではなくて、その中に書かれた情報に対して対価を払うの
 が筋でしょうから。 古本の流通もここまで便利になってしまうと、作家やエッセイイスト、
 ノンフィクションライターらの存立基盤が崩れていくのではないか、との心配がつのります。
 

● 著作権使用料規定に、非営利の朗読ネット配信の場合が書いていない

  ・・・話しが逸れてしまいました。元にもどして、サイトをさらに見ると、

    「許諾申請手続はこちらへ」
      http://www.bungeika.or.jp/procedur.htm

  お?? オンラインで許諾申請できるのかぁ・・・。なかなか便利じゃないですか・・・。
    ・・・で、クリック!

    「委託者一覧」  「作家一覧」

   さすがに、そうそうたるメンバーがそろっています。著作権管理を協会に全部委託している
 作家がかなり多いですね。 では、次にいって、

     「著作権許諾申請フォーム」
       http://www.bungeika.or.jp/shinsei-hp.htm
       
  ああ、この「インターネット」という様式で、朗読のネット配信をする場合も、簡単に許諾
 申請ができるんですね(・・・と思ったら、これで様式を打ち出して郵送でした。改善を要す?)。

  それでは、その場合いくらするんでしょう?  ・・・ということで次をクリック!

     「著作権使用料規程」
        http://www.bungeika.or.jp/kitei20060309.pdf

  ・・・・? あれ?  ・・・書いてない・・・。

  営利目的の放送や上演、ビデオ販売とかは書いてありますが、非営利・無償の朗読のネット配信につ いては、明示的規定はなく、「その他」の項目で、

    「利用の目的、態様、その他の事情を踏まえて、協議により決定」
  
 とあるだけです。 たしかに、一律には決められないのでしょうが、せめてだいたいの
 相場だけでも示してもらいたいものです。

  おそらく、文藝家協会としても、「福祉用の朗読図書配信は、もともと権利制限対象だから
 いいが、一般向けは非営利といえども不可である」として、著作権が及ぶとの考え方を出したも
 のの、では、実際に許諾申請があったらどのくらいの金額、料率にするのか、というところまで
 検討が至っていないのではないか、と想像します。

  しかし、ここで料率、金額の相場を示すだけでも、だいぶ現代作品の朗読が活発に取り上げら
 れるようになって、朗読文化の厚みが増すに違いない! と思います。


● たとえば、こんな使用料規定は?

  たとえば、非営利・無償の朗読の「公衆送信」については、こんなくらいの条件という
 のはどうでしょうか?

   ○ 最初の発売から10年を経過した作品については、年間500円。
   ○    同   2〜9年を経過した作品については、年間1000円。
   ○    同   2年未満の作品については、年間2000円。
   ○ いずれも、一件につき、50ページ以内に限る。

 金額の桁が一つ、二つ違う、といわれると、ちょっときついでしょうが、そこそこの金額であれば、
 ネット配信されている朗読愛好家の皆さんは、「表現したい!」「いろいろ声に出して読みたい!」「みんなに聴いてもらいたい!」 と、うずうずしている方たちばかりですから、「多少のお金を
 払って読めるのなら是非読みたい」という人たちは多数でてくると思うのです。 

  今、なんとなく、朗読する皆さんも、著作権者の皆さんも、「著作権に抵触するから読めない、
 ネット配信できない」 というように、「禁止されている」と漠然と受け止めている人たちが少な
 くないのではないでしょうか。

  でも、そうではないのです。許諾されれば堂々と読めるのですから、簡易で透明性のある許諾
 手続きとそこそこの水準の使用料率を定めれば、朗読愛好家の皆さんは使用料を支払って読み始
 めると思います。いかがでしょうか??

  だいじなことは、作品をあの手この手で流通させることです。それが繰り返されて、良い作品が
 後世に残るわけです。朗読ボランティアによるネット配信が、その作品の宣伝・PRの役割を果たし、
 活字媒体である本の売り上げ増加に寄与するだろう、ということは、これまで縷々申し上げてきた
 とおりです。

  日本文藝家協会内部で、「福祉以外の目的のネット配信には著作権が及ぶ」という主張の段階を
 超えて、次のステップである、「非営利・無償の朗読ネット配信を、いくらくらいで認めるのか?」と いう点の具体的検討を、是非とも早期にお願いしたいところです。
  これだけ、朗読ブームが盛り上がっているのですから、著作権者の皆さんからしても、ビジネス
 チャンスでもあります。

  市井の主婦の方たち、リタイアしたシニア層、文学青年・壮年、朗読ボランティアといった皆さ
 んが朗読するケースが多いということを念頭においていただいて、くれぐれも禁止的水準にならな
 いような、そこそこの使用料水準を定めていただきたく・・・。

   ちょっと、収入がどうなるか、計算してみましょうか・・・。

 ○ たとえば、新潮CDブック に収録して、定価の10%のロイヤリティーをとる場合
     2,000円×1,500部×10% =300,000円

 ○ 朗読愛好家が100人、3年間にわたり、年500円の公衆送信料を支払う場合
     500円×100人×3年間 =150,000円

  新潮CDブックに収録されることは、よほどの人気作品、人気作家のものでなくては
 商品化は難しいでしょうが、こうやって、朗読愛好家に低廉な使用料で開放すれば、商品化が
 難しい作品であっても、そこそこの収入が入ってくると思うのです。

  なお、許諾申請は、電子化時代なのですから、ネットで申請できるようにお願いいたします。
 フォームを打ち出して郵送、というのはちょっとまどろっこしいです。
 近代文学などをネット配信している朗読愛好家は、みな録音からサイトへのアップまで簡単に
 (覚えるまでちょっとたいへんでしたでしょうが・・・)こなす皆さんたちです。著作権使用
 許諾申請などは、ネットで完結することを期待していることでしょう。


 ・・・ちょっと、今日はここまでで一区切りとしますが、前回のさいごに

  「朗読文化の裾野を一気に広げるインパクトを持つであろう、そしてきっと著作権者側の了解
   が容易に得られるであろう共存共栄策を提案したい」

 と書いたのは、上に述べたことではなくて、文藝家協会とはまた別の文筆家の有力団体である
 「日本ペンクラブ」の関係のことなのです。

  ・・・・ ピン! と来た方おられますか?(笑) 


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