しみじみと朗読に聴き入りたい

素晴らしい朗読が聴けるサイトやCDを発掘してご紹介します。著作権関係の意見も発信しています。.

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 少し、「朗読者の地位(ステータス)」の認知度について、感じるところを書いてみようと思います。

 きっかけは、今年6月に締結された「視聴覚的実演に関する北京条約」についての報道です。

 それについての解説で初めて知りましたが、俳優や舞踏家などは、その映像がDVDでレンタルされたり放送されたりしても、権利請求できなかったのだそうです。

http://www.pre.or.jp/page/contribute005.html  

 http://copyright.watson.jp/neighboring01.shtml  

 

 同じ「実演家」でも、音楽家や朗読家など、音、声などの「録音物」の場合は、レンタルや放送の場合に権利請求できますが、映画などの「録画物」では、俳優等は権利請求できなかった由。

 ・・・ということは、同じ朗読でも、朗読音声をCDで出す場合と、朗読の録画としてDVD等で出す場合とでは、権利が異なってくるということですね。

それを、この北京条約で、録画の場合でも録音と同じように、権利請求できるようになるのだそうです。批准と法改正作業が進めば、日本でもそれができることになります。

 

 こういうことからすれば、朗読者の権利は、俳優たちよりも厚かった、ということになりますが、実感としては、おそらくだいぶ違っているのではないかという気がします。俳優たちよりも、かなり薄いのではないか、というのが正直な印象です。

 

1 朗読者の地位の認知度の低さ(1)―「朗読者の名前が書かれていない有償販売がある」

 それをもっとも強く感じるのは、朗読のネット配信等で、朗読者の名前が書いていない場合です。朗読者の名前を書かない有料の朗読配信が存在し得るということは、朗読者の技能自体は評価対象ではない、ということに等しいのではないかと思われ、なんとも理不尽な気がします。聴く立場からは、誰が朗読しているのだろう?というのは切実な関心ですし、音楽などでは、必ず作曲、作詞者などの著作者に加えて、歌手、演奏者、指揮者などの実演家の情報は必須ですから、朗読者の名前がないままに発行されているのは、どういう意識によるものなのか、よく理解できません。

 

 仮に、文字を音声化するだけを主目的とし、個性的な実演の要素に特段重きを置かない(あるいは排除する)「音訳」であっても、音訳したのが誰なのかという情報は、音訳をされる方、聴かれる方の双方にとって、関心事項ではないかと思います。

 

2 朗読者の地位の認知度の低さ(2)―「二次著作権が認められず、印税が支払われない」

 朗読者の名前が書かれないままにネット配信、CD販売がなされる場合だけでなく、名前が書かれている場合であっても、おそらく、朗読者に認められる実演家としての二次著作権の尊重は必ずしも十分ではないのではないか・・・とも感じます。

 普通は、作家の印税と同じく、販売価格の1割というように、販売数に応じて使用料が支払われるのが筋だろうと思うのですが、おそらく、朗読をしても、その音源の著作権は製作側(販売側)に帰属するというケースが少なくないのではないでしょうか。

 要するに、朗読者側は、一回切りの朗読の手間賃が入るだけで、二次著作権はなく、いくらその朗読が売れても、それに見合った収入は入ってこないという構図です。言葉は悪いですが、販売側による「搾取」的構図になります。もちろん、すべてがそういうことではないとは思いますが、このような形態も少なからずあると思われます。

 そうだとすると、これまで音の実演家として認められていたはずの権利も、そもそも権利が契約上認められないために、画に画いた餅になってしまいます。

 

 こういう構図では、朗読者がプロとして生計を立てるというのは難しく、ナレーションや司会その他さまざまな副業をしないと成り立っていかないのでは・・・と考えてしまうのですが、思い過ごしでしょうか。

 大手出版社等の朗読CDを見ると、俳優を起用するケースが多いですが、個人的には俳優よりも、朗読ブログやYouTubeでネット配信等をされている朗読愛好家の皆さんの朗読のほうが聴きやすいと思っています。もちろん、趣味の世界で十分という方も多数おられると思いますが、せっかくの素晴らしい朗読なのですから、そういった愛好家の皆さんには、様々な作品を読んで発信していただきたいですし、広く流通してほしいものだ、と聴く立場からは感じます。

 そのためにも、上記の(1)(2)について、まずは環境改善がなされることが必要と思います。


 次に、朗読者の皆さんの活躍の機会を飛躍的に拡げる方策について書いてみます。


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お久しぶり、、佐紀です。私思うんですけどね。朗読って、割と経費がかからなし、今はネットでダウンロード販売が出来るのですから、自分で販売したらいいのではないでしょうか?売れれば、お金になりますしね。人に売ってもらって、印税をもらうなんて逆によほどたくさん売れなければ無利じゃないかとも思いますしね。

2015/1/17(土) 午後 2:07 [ SAKI ] 返信する

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大変ご無沙汰しています。記事にコメントをどうもありがとうございます。
おっしゃることはよくわかりまして、無償有償を問わず、自ら朗読を発信する環境が整備されてきているので、出版社などに出してもらうという他力本願ではなく、整備されつつある発信ツールを使って自力本願でやるべし! ということかと思います。電子書籍におけるキンドルなどと同様に、自ら朗読ファイルを有償発信する個人向けルートも出始めていますので、そのルートを活用してはどうか、ということで、それはその通りですね。
ただ、現時点ではまだそういう事例は少なく、朗読ファイルの販売をする出版社を通じて販売したり、買い切りで提供して販売してもらったり、というケースが中心かと思いますが、その場合に対価は多少入るかもしれませんが、朗読者の氏名が表記されない、買切りでその朗読作品の著作権まで取られてしまう、ということだとすれば、あまり望ましい話ではないのではないだろうか・・・と感じて、この記事を書いたものです。
続く

2015/1/20(火) 午後 8:37 [ teabreak ] 返信する

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続き 今後、自力本願で有償発信するツールや環境が更に整備されていけば、朗読者が自らコストをかけずに多くのリスナーの元に届けることができるようになるでしょうし、更に、著作権のある作家の作品も初期コストや手続き負担なく朗読できる包括許可制度等が導入されれば、多彩な作品、多彩な朗読家による朗読空間が生まれるに違いない!と考えて書いたのが、次の続編記事でした。
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt/69891344.html
システム的には比較的簡単だと思いますし、作家、朗読者、配信事業者、そしてリスナーのすべてがメリットを受ける話です。そして、電子書籍にしても朗読ファイルにしても、よほどの数を売らなければ、ネット販売での収入で作家、朗読家として生計を立てるというのは難しいと思われますが、もし朗読対象が大きく広がればそれも可能になってくる余地はあるのではないだろうかとも感じています。いずれにしても、早期に実現してほしいと願っています。
是非佐紀さんも今の朗読発信はずっと続けていかるようお願いします。あの独特のトーンの朗読には、いわく言い難い魅力がありま

2015/1/20(火) 午後 8:40 [ teabreak ] 返信する

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こんにちわ。わたしも、今後もずっと朗読を続けていこうと思っています。朗読で生活していけたら最高でしょうが、今のわたしとしては、副収入になったらというのが、夢です。最近は、いろいろ活動をしているので、せめてその活動費、朗読から、補えたらあ・・って思ってます。朗読に限らず、音声系の商品は、今飽和状態で、売れにくい時代ですね。聞きたい人より、やりたい人が多いですからね。ただ、朗読の場合は、芸術として聞くだけでなく、本を読む代わりに、聞きたいという需要がありますから、それは音訳だとかそういう説もあるけれど、せっかく聞くなら、朗読として味わいながら聞きたいですからね。無料配信なら、聞きたい人は、多いと思いますし、ネットで聞ける朗読作品は、過去の出版物の中の本の一部ですから、まだまだ、未開拓です。みんながんばってやるといいと思いますよ。

2015/2/2(月) 午後 4:39 [ SAKI ] 返信する

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>聞きたい人より、やりたい人が多い
そういう状況をうまく活かして、未開拓の作品群を多くのリスナーに届けることができればいいと思うのですが・・・。
佐紀さんの朗読は、他にはない独特の雰囲気がありますし、録音もいいですし、チャネルがうまくつながれば、有償でも多くのリスナーに聴いてもらえるようになるとおもいます。発信を是非続けてください♪

2015/2/3(火) 午後 8:44 [ teabreak ] 返信する

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