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 著作権の非親告罪化の歯止めの目途が立ったようですので、次は保護期間の70年への延長に伴う弊害の除去策が焦点となってきます。保護期間の延長については、TPP大筋合意を見る限りでは、残念ながら単純延長のようです。7月末の日経新聞で、一定の例外が入るようなことが報じられていたので、少し期待したのですが、実らなかったようです。
 
しかし、知恵と工夫次第で、権利者と利用者とが、ともにメリットがあるような方策は必ずあると思いますので、悲観せずに検討を急ぎたいところです。「死後」70年という場合に、一定の死亡推定等の規定を導入することは各国の自由ですし、音楽の世界が、同じ著作権法の下であれだけ活発な流通促進が実現できているのですから、それも参考にすればいいと思います(孤児作品問題は、音楽の世界では少ないかもしれませんが・・・)。
 これから詳しく検討していこうと思いますが、まず、現時点での全体像のイメージをレジュメ的に書いておこうと思います。
 
 単純延長ですので、以前の審議会でアイデアとして出たような、50年超の場合の登録制は難しいようです。本当は、以前書いたように、特許、商標等の工業所有権と同じく、
50年超の権利維持の場合には、登録制+課金制にする
という案が一番良かったと思うですが、それはもう困難でしょう。


 そういう前提で考えると、次のような対策が、検討対象として考えられていいのではないかと思います。
これまで、保護期間延長により、「青空文庫への収録等の利用ができなくなる」「死蔵作品が増える」「孤児作品が増える」「保護期間が忘却促進期間になってしまう」等の強い懸念があったために、延長措置には反対なり慎重な声が多かったわけです。他方で、権利者側としても、これらの懸念を解決するための方策が講じられることに反対しているわけではなく、然るべき作品の尊重、利用対価が担保できれば、協力は得られると思います。
それによって、共存共栄、三方一両得となれば、文化の発展基盤が堅固になります。
 対応方策としては、大きく分けて、権利者の生死、所在が明確な場合と、不明な場合とに分かれます。
 
.権利者の生死、所在が明確な場合の利用促進策
 
「権利者と利用者とのwin-winの関係を目指す」との基本的考え方
・三田誠広氏の発言に多大な示唆あり。
 「公表後40年経った作品で利益を得よう思っている作家は殆どいない」
 「青空文庫の存在は意義があり、尊重・協力したい」
 「国会図書館の近代ビジネスライブラリーへの収録・活用を、オプトアウト方式で行うことも可能ではないか」
 
公表後40年経過した作品の有償利用可能化(実質的報酬請求権に)
 →利用促進、忘却回避と、権利者の収益確保、名を後世に残すの一石二鳥。
→読者等との三方一両得。
 ・著作権管理団体の規程で定める。
 ・オプトアウト方式により、申し出た権利者は別の扱いが可能。
 ・誰でも、自由に販売できることとし、一定の利用料を支払う。
(例)販売価格の5%又は20円のいずれか高い金額。
 
公表後60年経過した作品の非営利・無償利用可能化
 ―青空文庫への収録可能化
 ・著作権管理団体の規程で定める。又は、任意の意思表示による。
 ・オプトアウト方式により、申し出た権利者は別の扱いが可能。
 
電子文藝館的無料開放デジタルアーカイブ化の推奨、促進
 ・作品の新旧を問わず、著作権者に収録を推奨。
 ・ペンクラブの「電子文藝館」的なアーカイブの大規模化
 ・広告収入により、著作者団体の振興に活用も。
 
認定サイトでの管理の下での有償販売可能化
JASRAC等とダウンロード販売サイトとの提携パターンを活用。
 ―JASRAC信託作曲家等の曲の演奏や楽譜等の販売が可能。
・著作権管理団体とダウンロード販売サイトとの提携
―誰でも、管理団体への委託作家の作品を販売可能。
―使用実績報告、使用料支払いを、その販売サイトで一元化して代行。
 ・販売者が報告、支払いの煩雑な作業から解放され、権利者は収益確保。
 
包括許諾制度の導入
・著作権管理団体での個別許諾から包括許諾に拡大
―現行の視聴覚障害者向け包括許諾と同様
 ・包括許諾を受けた者は、販売等の際に包括許諾番号を明記。
 
著作権者の意思表示の受け皿の用意
 ・放棄、クリエイティブコモンズ、有償利用等についての意思が対外的に伝わるようにする受け皿を用意。
 ・クリエイティブ・コモンズの著作権放棄マーク「CC0」等の表示促進。
 
著作権法での権利放棄規定の明定
 ・登録不要で著作権が放棄できることの明確化
―文科省OBの学者でも学説が分かれる現状はまずい。
 
 
. 権利者の生死、所在が不明な場合の利用促進策(孤児作品対策)
 
「権利を行使しない者は保護されない」と基本的考え方
 (例)
 ・貯金の消滅時効―法律上は5~10年で口座に動きなければ権利消滅
 ・不使用商標の取消し―3年間使用しなければ取消可能
 
現行の文化庁による裁定使用許諾制度の抜本的改革(手続き、料金/効果等)
 →死亡、相続人不存在が確定しないので、未来永劫、補償金を支払い続けなければならないという根本的問題あり。
・探索方法の簡素化、低廉化
・国立国会図書館による不明人探索業務の追加
・不明人探索結果の効力をすべての者に波及(株主・消費者代表訴訟的手続きの導入)
・探索結果データベースの構築
・死亡推定、相続人不存在推定の規定により、著作権を消滅させる。
 
死亡推定規定の導入
 →これがなければ、不明者の著作権が未来永劫消滅しないという不合理。
 ・厚労省の長寿者調査・表彰結果の活用
  ―昭和38年の百歳以上の長寿者はわずか138人。
 ・平均寿命+αで、「死亡推定」規定(「みなし」規定でない)
 
相続人(承継人)不存在推定規定の導入
 →相続人が不存在なら、現行著作権法で権利消滅に結げることが可能。
 ・著作権承継者探査公告制度の導入→名乗り出なければ、不存在とみなして、著作権のみなし消滅。
 
著作権者(承継人を含む)の所在登録制度の導入
 →権利の登録ではなく、「所在の登録」により、死亡推定、承継人不存在推定を打ち消す効果を持たせる。
 ・著作権管理団体、著作権情報センター(CRIC)、国立国会図書館等に「所在(連絡先)」を登録できることとする。
 ・それにより、死亡推定、承継人不存在推定を打ち消す効果を持たせる。
 ・登録連絡先で連絡不能となれば、上記推定が再び働く。
 
著作権者の意思表示の受け皿作り
 ・著作物の公表当初やその後に、その扱いの意思表示の受け皿を作る
  (例)一定期間後の著作権放棄、非営利利用可等。
 ・著作権管理団体、著作権情報センター(CRIC)、国立国会図書館等で、その意思表示をデータベース化し公開。
 ・著作物に表示も推奨(クリエイティブコモンズマーク的なもののバリエーション)。
 
. デジタルアーカイブ化促進、視聴覚障害者のための環境整備
 
.(フェアユース規定の導入)―短期間での議論収束は困難か?
 ・挙証責任の権利者側への転換を全般的に伴うのであれば、困難大。
・米国のような訴訟で決着させる社会になるのは避けるべき。
 
 
 以降、順次、詳しく検討していきます。

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