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祖父から聞いた話

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父方の祖父と私の思い出
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祖父への最後の言葉

祖父の背中には、肩甲骨のあたりに大きな丸い窪みがあった。
夏になると、薄いクレープ地の下着のシャツに、ステテコ?みたいな格好だったので
甘えて背中にまとわりつくと、いつもその窪みが気になって、「これなぁに?」と聞いた。

「戦争で玉があたって、えぐりとったんだよ」と言っていた。

やっぱり、不死身だったのかなぁ。

そんな祖父は、小柄で身体も丈夫なほうではなかったので
兵隊に行かずに済んだ。
90まで健康で、細く長くという感じで暮らしていた。
喫茶店を「きっちゃてん」と言って、足が悪かったけど、ゆっくり、ゆっくり歩いて
散歩がてら「こーしー」を飲みながらタバコを楽しんだ。
趣味は競馬。でも欲がなく、100円の馬券。儲けるというよりボケ防止?
あたったことが嬉しく、つつましくお小遣いの範囲で遊んでいた。

ある日、床屋で散髪中に気を失うかのように倒れた。
床屋さんが救急車を呼び、運ばれて、そのまま入院。
心不全みたいな感じだったようだが、一命を取り留めた。

しかし、これは、家族はホッとしたのだけれど
祖父には、よくなかった。
重病の人ばかりがいる部屋に運ばれて、気がついたら体中に管が。
びっくりしたのと、すごく嫌だったのだろう。
小さな祖父の体のどこにそんな力が残っていたのか、というくらい暴れて嫌がり
なんとベッドにくくられてしまったのだ。

急いで病院に駆けつけたときには、もう、意識もほとんどない感じだけど
すごく苦しそうで、閉じられた目には涙がにじんでいた。
でも、私が「おじいちゃん」と声をかけると、薄目を開けたのだ。
そして、「おまえならわかってくれるだろ、もうこの機械を外して、おれを楽にしておくれよ」
とすがるような目で訴え、首を少し動かした。
実際、そう言ったわけではないけれど、私には聞こえたのです。

何年か前にも、狭心症で、ちょっと体調を崩して1ヶ月ほど入院したことがあった。
その時、医者からタバコを禁止されたのだけど
病院の待合室で、他の骨折の患者さんとかと喫煙しながらオシャベリを楽しんでいた祖父。
私がお見舞いに行くと、タバコ買ってきて、と頼むのだ。
好きなものを我慢してまで、長生きしたくねぇよ、と言っていた。
私も、医者や家族に内緒で、そっとタバコを渡していた。
だから、今回も、私なら分かってくれると思ったのだろう。

喉からタンを取り出している管には、もう血液も混じっているし
手足も冷たく、もうどう見ても手立てはないと思われる状態。
首を少し動かしたり、目を開くだけでも奇跡的な状態。
祖父は本当に最後の力を振り絞って私に訴えたのだと思う。

だけど、私はそれに応えられなかった。
もう楽にしてあげたいという気持ちと、まだ生きて欲しいという気持ちと、
ぐずぐずと迷ってしまった。
実際、延命装置を外すとなると家族全員の同意が必要だったりするようだし
医者も一度延命装置をつけてしまったら外すことは困難である。
だからなのか、医者は、状態は落ち着いて良くなってきてますから、ご家族の方は一度家に帰っても大丈夫ですよ。
なんて言ったのだ。(今、思うと、かなり無責任な医者だと思う)
他の家族は一度休憩しに家に戻った。
でも、私は病院に残った。冷たくなった手足をさすりながら
「おじいちゃん、がんばってね、お医者さまは良くなってきてるって言ってるよ」と声をかけた。
でも、その後、すぐに様態が急変して、ものすごくもがき苦しんで絶命してしまったのだ。

従兄弟の医者と後で話したら、普通、そんな高齢者に延命装置つけない、
俺が近くにいたら、家に連れて帰って家で最後を迎えさせてあげれたのに、ごめんな、と言われました。

私は、今でも、あの光景が忘れられず、すごく後悔しています。
なぜ、私は、「おじいちゃん、今までありがとう」という言葉をかけてあげれなかったのか。
どうして「おじいちゃん、がんばってね」と言ってしまったのか。
これ以上、頑張れない、頑張る必要のない祖父に。。。。

何も悪いことをしていない祖父。先妻に先立たれ、後妻さんにも先立たれ
贅沢をせず、つつましく生きてきた祖父。
そんな祖父の最後なのに、あまりにむごかった。

いつまでも長生きして欲しい、そばにいて欲しい。
だけど、それは、やっぱり私のエゴ。。。。?
何歳ならもう死んでもいいとは言えないけれど、やはり高齢者の最後については
人間としての尊厳を保てるようにしてあげたい、と強く思った。

しかし、元気だった人の突然の死に直面すると、そのように冷静に判断するのが難しい。
自分の親に対しても、元気なうちから、そんなこと考えるのは嫌だけれど
日ごろから、心構えをしていないと、最後にお礼が言えないかもしれない。

祖父は、私のこと、もう許してくれたかな。。。。。

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不死身だった祖父?!

横浜生まれの横浜育ちの祖父。

子供の頃、自転車を買ってもらって、とても嬉しく、友達と一緒に海に釣りに行ったんだそうです。
でも、季節が良くなかった?
冬で、路面が凍結しており、ツツツツーっとすべって埠頭のヘリから
海に自転車ごと落ちてしまったのだそうです、
でも、その時代、自転車は、超高級品?とても大事なものだったので
祖父は、自転車から手を離すことができず、どんどん自転車と一緒に沈んでいってしまったのです。
しかし、「これは死ぬな」と思って、手を離し九死に一生を得たそうです。
その時の自転車は未だに忘れられず、親にも、すごく怒られたと言っていました。

また、もう少し大きくなってからの話。
夏に川で皆で泳いで遊んでいたそうです。
でもいつの間にか、どんどん流されていることに気づき、パニックに。
流れに沿って泳いで岸に着けばいいものを、流れに逆らって、
とにかく元に戻ろうとしてしまったため、体力つきて。。。。
という所に、ちょうど釣り船がきて、オールを差し出してもらい九死に一生を得たそうです。

さらに、もう少し大きくなってからの話。
昔の汽車は、扉が自動開閉ではなく、手動で、乗客が自分で開け閉めしていたんだそうです。
ある日、汽車に乗って景色を見ながら、扉に寄りかかったら、
なんと誰かが鍵を閉め忘れていたらしく、扉が開いてしまい、
走っている汽車から外に落ちてしまったそうです。
「あ〜れ〜」という感じで、体がフワリと飛んで、ドシーン!!と落ちたけど
運良く、土手の芝生がたくさんあるような柔らかいところで九死に一生を得たそうです。
走って汽車を追いかけたけど追いつかなかったよ、と言ってました。

俺は何度も死に掛けてるから長生きなんだよ、ハッハッハって言っていました。

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