技術士Y「ちょいワク食ノート」

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あから2010勝利

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 10月11日(2010年)、女流棋士トップの清水市代氏とコンピュータ将棋ソフト「あから2010」の対局が、東京大学で行われた。情報処理学会50 周年記念として計画されたイベントで、コンピュータが勝利をおさめた。ソフト開発者の努力、堂々と受けた清水氏の健闘、そして対局を認めた日本将棋連盟の態度をたたえたい。

 将棋ソフトが世に出たのは、1970年代中頃のこと。グラフィクスもお粗末で、ルール通りに駒を指せるだけのレベルに過ぎなかった。その後、メキメキと棋力を向上させ、2000年にはアマ4段の域にまで達している。ちょっと強いくらいの素人では、太刀打ちできない実力である。これには、ソフト同士が強さを競う「コンピュータ将棋選手権」と開発者がプログラムを積極的に公開した功績が大きい。

 詰め将棋というゲームがある。王手を連続して相手の玉を詰みにする手順を考えるパズルである。将棋の終盤では、詰みを読む能力が求められる。この能力に関して、将棋ソフトはすでにトッププロを凌駕している。また、将棋の序盤は定石に沿って手が進む。数多くの定石があるが、総てを参照できるコンピュータにとって進行は容易である。

 将棋ソフトが苦手とするのは、中盤から終盤までの局面である。自分と相手の形勢を判断して、どう進めるかという大局観が必要だ。この判断は人間でも難しいが、有利であれば攻め、不利であれば守りを固めることになる。駒同士の関係や持ち駒の多寡といった要素を積み重ねて判断するのだろう。難しい半面、開発者にとって最も工夫し甲斐がある部分に違いない。

 この中盤に対応するため、「あから2010」の採った策が多数決合議法であった。コンピュータ将棋選手権の上位入選の常連「激指」「GPS将棋」「BONANZA」「YSS」の4ソフトの多数決で、次の一手を決めるというシステムである。時折、悪手を指すソフトの欠点を補う効果があるという。

 中盤まで女流棋士優勢の状況が、逆転したのは将棋ソフトの指した意外な一手だったようだ。人間であれば考えつかない指し手に対し、緩く受けたことが敗因となったという。動揺があったことは間違いない。また、3時間という持ち時間が少なくなっていたことも緩着につながった可能性が少なくない。

 清水氏の棋力は、男性プロの下位に該当するという。まだまだ、上に強い人間が存在する。一方で、将棋ソフトの棋力向上は目覚ましい。最高実力者を破る日がいずれ訪れるだろう。そうであっても、人間の尊厳が損なわれるということとは断じて異なる。多くの棋士が、棋譜の整理や新手開発にパソコンを利用している。また、ソフトの処理手順は人間社会の問題解決に活用されている。プロ棋士と将棋ソフトの交流は、社会のため大いに役立っているのだ。日本将棋連盟が、今後も対局を継続してくれることを願っている。

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将棋のことは余り知りませんが,私の住む倉敷の芸文館の横にには,大山名人の記念館があります.

毎年11月頃には,持ち時間2時間の女流棋士による藤花タイトルを懸けた<大山名人杯倉敷藤花戦>があり,倉敷ケーブルテレビでは熱線を解説してくれるので,何時も楽しみにしています.

清水棋士の名は籐花戦でお見かけし名前はよく知っています.新聞の記事でコンピュータと対決し破れたことを知り,とても残念に思うと同時に将棋ソフトの凄さを感じました.<古代米王子>

2010/10/30(土) 午後 11:06 [ kod*ima*_p*ince ] 返信する

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思考ゲームのパソコン・プログラムには、少し思い入れがあります。それで、今回のイベントは楽しみにしていました。思い入れについては、機会を見て書きたいと思っています。

2010/11/1(月) 午前 9:02 [ YOKKO ] 返信する

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