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日本人になった。
連絡の電話を切って、これは人生の画期なのか、と周囲を見渡してみたけれど目に入るのは雨空とそれぞれに作業する人々、ほんの数分前と何も変わらぬ光景で、けれどただ胸が打ち震えていた。 ガイジンの母が『日本人になったからっていじめないでね』とふざけたのに、 『私は外国人差別しない日本人だから大丈夫。』と自分が言うのを自分自身がきいて、涙に堪えることが出来なかった。 『私は、日本人だから。』 そんな言葉、生まれて初めて口にした。 ずっと、1番近くて、でも手に届かなかった存在。日本人。 『パスポートの色が変わるだけだよ』 以前そう言ったのは他でもない自分だった。 だけど、本当にそうだろうか。 きっと何も変わりはしない。 私の財布の中から在留カードが消え、パスポートの色が変わる。 だけど社会が私を見る目、私の扱いは少しも変わらない。 でも少なくとも私にとって、私は今日から日本人を名乗ってもよいことになったのだ。 これは画期だ。 |

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