ばてん(馬殿)司法書士事務所 司法書士 馬殿貞爾

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平成21年3月3日最高裁判決の衝撃!!
平成21年3月3日最高裁第3小法廷判決の解説
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090303140752.pdf

本件は、第一審である岐阜地方裁判所平成19年(ワ)第11号事件において始まった。この裁判は本人訴訟でプロミスを相手に戦ったが、完敗であった。訴訟提起方法も取引履歴か開示されていないにも関わらず当初残高をプロミスが提示してきた残高金250,000円とする計算方法をもって計算し途中の分断並びに消滅時効が認められ残債務が545,826円も残ると判断された。

 第2審は弁護士瀧康暢先生、同 鈴木含美先生、同 小出智加先生が訴訟代理人として控訴審を提起したものである。重要論点は以下の通りである。

1. 昭和57年1月18日以前から控訴人(原告)と被控訴人(プロミス)とは、基本契約に基づく継続的金銭消費貸借取引が継続していた。その基本契約には、自動更新条項が含まれていた。
2. 控訴人(原告)は、プロミスから貸与されたカードをほぼ全ての期間を通じて使用して継続的金銭消費貸借取引を継続していた。
3. 昭和57年1月18日以前からの取引は平成7年12月10日に一旦完済し取引が一旦停止した。
4. 第一取引により一旦完済した取引が約3年3ヶ月後の平成11年3月26日に再開した。その第一取引にかかる過払い金が、平成11年3月26日に再開した第二取引にかかる貸付金に充当できる。と判断した。
5. 第二取引開始にあたり第一取引と異なる会員番号が付されていた。
6. 第2取引開始にあたりプロミスの与信調査は、本人確認資料の提示のみに終わり、収入資料の提出などは、求められなかった。与信調査は緩やかであった。
7. 第一取引と第二取引において当事者間に、1.自動更新条項の存在2.カードの継続的使用3.プロミスからの貸付の勧誘4.与信調査の状況などから、特段の事情がない限りは当事者間に充当の合意が存在すると判断した。
8. 残高無視計算(当初0円計算)の計算方法については、控訴人(原告)は、被控訴人(プロミス)から提示された取引履歴に基づいて過払い金の算定を行えばよく、当初残高の立証責任は被控訴人(プロミス)にあるとして残高無視計算(当初0円計算)を認める判断をした。(名古屋高裁の判断であり、今回の最高裁の判断ではない)
9. 第2審は、消滅時効の起算日を個別進行説を採用し、訴訟提起から10年以前の過払い金の時効消滅を認めた。(この点が今回の平成21年3月3日判決の最大の争点となった)
10. まとめ
平成21年3月3日最高裁第3小法廷は、上記9の消滅時効の個別進行説は採用せず。取引終了時である取引終了時説を採用した。
 消費者金融(プロミス・アコム・アイフル・武富士 等)と消費者が、基本契約を交わしその中で自動更新条項や、与信調査の内容、同一のカードの使用、貸付の勧誘の状況等が存在した場合には、一旦完済したとしても当然には基本契約は終了せず、当事者間には、前取引において発生した過払い金は、次回取引において貸付けられる貸付金に充当できる当事者間の合意が存在すると判断した。(名古屋高裁の判断であり、今回の最高裁の判断ではない)

平成21年3月3日最高裁第3小法廷により、現在の消費者金融のかなりの部分が、過払い充当合意の意思が推定されることとなる。

また従来は、完済から3年以上の期間経過後に新たに借入があった場合には基本契約が再締結された場合も、基本契約が継続していた場合も「取引分断による消滅時効の援用」の主張により消費者金融からの大幅減額を余儀なくされていた事例があった。

本件判決で一旦完済後、あらたに基本契約が締結されずに取引が再開した場合の過払い金の返還請求は、条件にもよるが、ほぼ全てが認められる事となる。

しかし、一旦完済後、あらたに基本契約が締結され、取引が再開した場合の過払い金の返還請求については、「充当が認めらるかどうか?」「充当合意が第2の借入金債務に及ぶかどうか?」の判断の必要性があるため「平成20年1月18日最高裁判決の7つの条件」に当てはめる必要がある。

なお、最高裁の1名の反対意見は「過払い金充当合意説は認めている。しかし過払い金の返還請求を取引の終了時までおこなわないという意志まで推定することはできない。」と反対意見を述べている。

この判決は本当に凄い衝撃ですね!!
ご担当の弁護士瀧康暢先生、同 鈴木含美先生、同 小出智加先生にお会いできる事があれば、後光がさして見えることでしょう。感謝、感謝です。

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