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政府は25日の閣議で、民主党の野田佳彦衆院議員の質問主意書への答弁書を決定した。
答弁書では、首相の靖国神社参拝について「公式参拝についても、追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく追悼行為としてふさわしい方式によって追悼の意を表することによって、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、憲法の禁じる国の宗教的活動に当たることはないと考える」としている。 公式参拝云々については、「靖国懇」の報告書を参考として昭和60年に政府統一見解の変更を行ったそれとほぼ同様の内容であろうか。 「戦犯」に対する認識、極東国際軍事裁判についての見解は、野田氏の質問主意書と読み比べると、曖昧さが残り、もう一歩踏み込むことができていない、逃げ腰のように感じる。 一の1について
日本国との平和条約(昭和27年条約第5号。以下「平和条約」という。)第11条は、極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、同裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び我が国の勧告に基づく場合に赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限を行使することができることにつき規定しており、また、その他の連合国戦争犯罪法廷が刑を科した者については、各事件について刑を科した一又は二以上の政府の決定及び我が国の勧告に基づく場合に赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限を行使することができることにつき規定している。 一の2について 平和条約第11条による刑の執行及び赦免等に関する法律(昭和27年法律第103号)に基づき、平和条約第11条による極東国際軍事裁判所及びその他の連合国戦争犯罪法廷が刑を科した者について、その刑の執行が巣鴨刑務所において行われるとともに、当該刑を科せられた者に対する赦免、刑の軽減及び仮出獄が行われていた事実はあるが、その刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない。 一の3から5までについて お尋ねの「名誉」及び「回復」の内容が必ずしも明らかではなく、一概にお答えすることは困難である。 お尋ねの重光葵氏は、平和条約発効以前である昭和25年3月7日、連合国最高司令官総司令部によって恩典として設けられた仮出所制度により、同年11月21日に仮出所した。この仮出所制度については、日本において服役するすべての戦争犯罪人を対象として、拘置所におけるすべての規則を忠実に遵守しつつ一定の期間以上服役した戦争犯罪人に付与されていたものである。 また、お尋ねの賀屋興宜氏は、平和条約第11条による刑の執行及び赦免等に関する法律により、昭和30年9月17日、仮出所し、昭和33年4月7日、刑の軽減の処分を受けた。この法律に基づく仮出所制度については、平和条約第11条による極東国際軍事裁判所及びその他の連合国戦争犯罪法廷が科した刑の執行を受けている者を対象として、刑務所の規則を遵守しつつ一定の期間以上服役した者に実施していたものであり、また、この法律に基づく刑の軽減については、刑の執行からの開放を意味するものである。 お尋ねの死刑判決を受け絞首刑となった7名、終身禁錮刑及び有期禁錮刑とされ服役中に死亡した5名並びに判決前に病没した2名については、右のいずれの制度の手続きもとられていない。 そして、重光葵氏及び賀屋興宜氏については、昭和27年4月28日、平和条約の発効及び公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令等の廃止に関する法律(昭和27年法律第94号)の施行により、選挙権、被選挙権などの公民権が回復され、その後、衆議院議員に当選し、国務大臣に任命されたものである。また、重光葵氏については、昭和32年1月26日の死去に際し、外交の重要問題の解決に当たった等の功績に対して、勲一等旭日桐花大綬章が死亡叙勲として授与されたものである。 一の6について 靖国神社の行う合祀は、宗教法人である靖国神社の宗教上の事項であるから、政府としては、合祀についていかなる問題があるのかお答えする立場にない。 靖国神社に内閣総理大臣が参拝することにいかなる問題があるかとのお尋ねについては、法的な観点から申し上げれば、かねて述べているとおり、内閣総理大臣の地位にある者であっても、私人の立場で靖国神社に参拝することは憲法との関係で問題を生じることはないと考える。また、内閣総理大臣の靖国神社への公式参拝(内閣総理大臣が公的な資格で行う靖国神社への参拝をいう。)についても、国民や遺族の多くが、靖国神社を我が国における戦没者追悼の中心的施設であるとし、靖国神社において国を代表する立場にある者が追悼を行うことを望んでいるという事情を踏まえて、専ら戦没者の追悼という宗教とは関係のない目的で行うものであり、かつ、その際、追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく追悼行為としてふさわしい方式によって追悼の意を表することによって、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、憲法第20条第3項の禁じる国の宗教的活動に当たることはないと考える。 二の1について 極東国際軍事裁判所の裁判については、御指摘のような趣旨のものも含め、法的な諸問題に関して種々の議論があることは承知しているが、いずれにせよ、我が国は、平和条約第11条により、同裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない。 二の2について 極東国際軍事裁判所において被告人が極東国際軍事裁判所条例第5条第2項(a)に規定する平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたことは事実である。そして、我が国としては、平和条約第11条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾している。 二の3について ラドハビノッド・パール氏については、従前から世界の平和と正義を守る精神を強調し、これがため努力を傾倒している業績に対し、昭和41年10月4日、同氏の来日を機会に、勲一等瑞宝章が贈与されたものである。 二の4について 平和条約第11条は、前段の前半部分において、我が国が極東国際軍事裁判所等の裁判を受諾することを規定しており、これを前提として、その余の部分において、我が国において拘禁されている戦争犯罪人について我が国が刑の執行の任に当たること等を規定している。このように、我が国は、極東国際軍事裁判所等の裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない。政府としては、かかる立場を従来から表明しているところである。 |

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